日本メーカーの製品なのに日本では売られていない、または入手が困難――そんな製品をカシオ計算機が出しています。カシオのデジタルカメラ「TR」シリーズは、セルフィーに特化した製品ですが、なぜか日本では売られていません。しかし中国や台湾では大人気で、台湾の中古スマートフォンショップにはTRの中古品を置いている店もあるほどです。
そのTRシリーズの最新モデル、TR miniこと「TR-M11」は大胆にもファンデーションのコンパクトのような形をした円型デザイン。これがデジカメとは一見しただけでは分かりません。フタを開けば電源が入り、そのままカメラとして自分を撮影することが可能です。もちろんターゲットユーザーは女性。まずは台湾と香港で発売されます。
有効1050万画素のカメラを搭載。セルフィーに特化していますから、肌の色調整などを自在に加工できる美顔エフェクト機能は細かい調整が可能です。またカメラレンズの周りにはLEDライトが配置され、顔を明るく照らしてくれます。もちろん風景写真を撮ることは考えられていません。セルフィーだけに使うという、大胆かつぜいたくな製品なのです。
TR miniで撮影した写真はBluetoothでスマートフォンに自動転送できます。つまりスマートフォンの外部カメラのようにTR miniを使えるわけです。とはいえ、今やスマートフォンで写真を撮影してそのままSNSでシェアする時代です。TR miniからも直接写真がアップできたら便利なはず。
ということでTR miniに携帯電話機能が入った製品が出てきたら面白いのですけれどね。もちろん携帯電話機能を内蔵すればバッテリーの持ちは悪くなります。でも写真をSNSにアップロードすることに特化するなら、通信速度はそれほど高速でなくてもいいでしょう。対応アプリもInstagramとFacebook、Twitterなどに絞ればいいかも。
女性向けの製品とはいえ、開いて机の上に置いて写真だけではなく動画も撮れるとなれば、男性が使っても悪くありません。食事をしているシーンとか、面白いものを買ってきたときに自分で語りながら紹介動画を作る、なんて用途にも使えるでしょう。
最近はセルフィー特化・セルフィー強化を図ったスマートフォンも増えています。しかしTR miniはそれらのスマートフォンとは異なり「毎日持ち運ぶこと」「使うこと」そのものも楽しめる製品なのですね。人前に出せばそれだけでも目立つデザインは、持っているだけでも満足しそう。これはぜひとも男性バージョンも出してほしいと思います。
TR miniの価格は香港で3980香港ドル、台湾では15490台湾ドル。日本円では約5万8000円です。コンデジとしてはかなり高額ですが、この値段でも売れるだけの人気をカシオは歴代のTRシリーズで築き上げてきたのです。TRシリーズ最新モデルのTR-80は約10万円ですが人気は高く、スワロフスキーとコラボレーションした製品を出すなどバリエーションも増やしています。
日本人の知らないところで売れている日本メーカーの製品が、日本で売られていないだなんてもったいないですよね。TR miniの日本上陸をぜひお願いしたいところ。そして将来はLTEを内蔵したバージョンもラインアップに加えてほしいと思います。
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