世界史上最大の株価下落-時価総額90兆円余り失い、なお底見えず

  • ペトロチャイナは07年の上海上場初日に高値、その後は長期下落傾向
  • 向こう1年でさらに16%下落とアナリストは予想

中国の国有エネルギー会社ペトロチャイナ(中国石油天然気)の株価がようやく底を打ったとアナリストを納得させるには、同社が味わった世界の歴史で最も大きな下げでは足りず、さらなる下落が必要になるようだ。

  ペトロチャイナ株が上海市場での取引初日に上場来高値を付けてから10年。同社の時価総額はその後、約8000億ドル(約90兆8500億円)失われた。イタリアの上場企業全てを買えるだけの大きさだ。2007年の上場時、同社は世界初の時価総額1兆ドル企業だった。

ペトロチャイナの給油所で働く作業員
ペトロチャイナの給油所で働く作業員
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  ペトロチャイナ株主が失った資産は現在のドル換算で史上最大。しかも状況は悪くなる一方かもしれない。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均が正しければ、上海上場の同社株は向こう1年でさらに16%下落し、上場来安値を更新する見通しだ。

  石油価格は過去10年で44%下落。中国は習近平国家主席の下、電気自動車の振興という野心的計画を掲げている。アナリストが弱気な見方を変えない理由を探すのは容易だ。それにもかかわらず、同社の向こう1年の利益見通しを基にした予想株価収益率(PER)は36倍に上る。世界の同業に比べて53%大きい。

  ペトロチャイナの北京在勤広報担当者はコメントを控えた。同社は7-9月(第3四半期)決算の発表を30日に予定している。

原題:Biggest Stock Collapse in World History Has No End in Sight (1)(抜粋)

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野村HD:7-9月純利益、5四半期ぶりの減少-債券の収益悪化

更新日時
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Bloomberg
  • 債券市場は10月に入ってもボラティリティ低い-北村CFO
  • 発行済み株式の1.8%、500億円を上限に自己株を取得

国内証券最大手の野村ホールディングスの7ー9月(第2四半期)連結純利益は前年同期比15%減の519億円となった。前年同期比で減益となるのは、2016年4-6月期(第1四半期)以来5四半期ぶり。日本株の堅調で営業部門が好調だったものの、ホールセール部門で債券関連の収益悪化が響いた。

  野村HDが東証に30日開示した資料によると、7-9月の収益合計は前年同期比8.5%増の4624億円。委託・投信募集手数料は同14%増の853億円、投資銀行業務手数 は同16%増の271億円、アセットマネジメント業務手数料は同17% 増612億円、トレーディング損益は同26%減の884億円だった。また、発行済み株式の1.8%、500億円を上限に自己株を取得すると発表した。

  同社は債券関連収益が悪化したことについて「低ボラティリティの継続と顧客アクティビティの低下」が影響したとしている。フィクストインカム収益は前年同期比21%減の783億円となり、特に米国や欧州では金利プロダクトの不調が目立った。

  30日記者会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は債券市場について、「10月に入っても、債券市場のボラティリティ指標は低いままで推移しており、ホールセール部門も第2四半期とほぼ同じペースで進ちょくしている」と語った。一方、国内の株価上昇でリテール部門は足元で第2四半期をやや上回るペースで進んでいるとし「市場環境を追い風にしたい」と期待を込めた。

  海外拠点の税引き前損益は、米州が15億円の赤字(前年同期は69億円の黒字)、欧州が14億円の赤字(同79億円の黒字)、アジア・オセアニアが37億円の黒字(同83億円の黒字)で合計の黒字額 は9億円(同232億円の黒字)にとどまった。

  フィッチ・レーティングスの森村直樹ダイレクターは、野村は「商品開発や顧客ベースの拡大などにより、銀行との競争の激しいリテール業務を強化していく必要があるだろう」と指摘。海外では、フィクストインカム業務への比重が高いため、プライマリーの投資銀行ビジネスなど、収益の分散化を図る必要があるとした。

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