2017.10.30
どうも、おしょぶ~^^/です。
久しぶりに「時事・世相」のカテゴリーで記事を書いてみます。毎日ちょい飲みの記事ばかりですと、そろそろただのアル中おやじ扱いされそう(爆)なので…^^
◆ある酪農家がロボットを導入した
ある酪農家がロボットを導入した話が、なかなか興味深いものでしたでのお付き合いください。
●酪農とは
農業(畜産)の中の一つで、牛・羊・やぎなどを飼って乳をしぼったり、それから乳製品を作ったりする事を指します。
第一次産業全体に言える事ですが、後継者不足(人手不足)と高齢化がハッキリ現れていて、現場は大変苦しんでいます。
●弓削牧場(ゆげぼくじょう)
今回の記事の舞台は、神戸裏六甲にある小さな牧場です。
写真は公式サイトより
どうです?良い感じでしょ^^
この牧場、サイトを見てもらえば分かりますが、オンラインショップ・チーズハウス・ウエディング事業も手掛けており、ただの牧場ではないですよ^^まぁ元々柔らか頭の方が経営していると思います。
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●ロボット導入の経緯
時間軸は2000年まで遡ります。牧場長はこの頃、年齢的な事もあり毎日の搾乳が厳しく感じる日々を送っていました。次第に搾乳ロボットを導入してみようかと思うようになりました。
この頃いち早く導入していた酪農家は、栃木県の酪農家です。2001年に視察し、その後関西で最も早かった、神戸・京都の酪農家も見学しました。
その時言われて言葉が背中を押してくれました。
「今までのやり方ではなく、機会に自分を合わせる。頭を切り替えればいい」
これね、どちらかと言えば保守的な業界だと思うので、文字面から感じ取るより難しい事だと思うんですね。自分54歳ですが、すでに考え方が保守的になり始めていますからね^^;苦笑 やはり、この牧場長にチャレンジ精神があったのではないでしょうか?
結果的に関西では3番目の速さで、ロボットを導入しました。
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◆ロボット導入後
最初は牛も人間も戸惑うばかり…苦笑
いやいや、そうでしょうね^^牧場にロボットを入れると言っても、一般人にはイメージ出来ませんが、当事者も見学はしているとは言え実際にやるとまた違いますからね。
柵に囲まれた機械の中に牛が入ると、乳頭にアームが伸びてきて搾乳機が牛乳をしぼります( ゚Д゚)すご!
でもね、牛は3日もすれば慣れたそうですよ。慣れないのが人間…笑
ロボットのパネルに搾乳状態の情報などが表示されますが、すべて英語(苦笑)で苦労しました。
●牛の行動に変化が…
素人考えだと、ロボット化すると人間は楽になるけど、牛にはストレスがかかるのでは?なんておしょぶ~考えたんですが…真逆^^
まず牛の休みかたが変わりました。両前脚後ろ脚を伸ばして口からよだれを出して横になる…これね人間で言うと「大の字」で寝てるみたいなものなのです。
これはリラックスしている事を表していまして、一晩中山中を行ったり来たりする牛まで現れました。
●これがすごい!
牛は搾ってほしい時にロボットのところに行き、餌を食べたらのんびり過ごす。
お産も自ら山中の安全な場所を選び、自然分娩するようになりました。
牧場長は、野生動物のDNAがよみがえったのではないかと思ったそうです。
餌もロボットが個体情報を基に適正に与えています。牛がもっと欲しくても食べれない事を学習しました。ただ、餌場に干し草はちゃんと置いてあるので、牛自身が体調に合わせてどっちの餌をどれだけ食べるか工夫します。
なんか牛の方が賢いんじゃないか?(*‘ω‘ *)
今は規模の適正化も行い、子牛を購入していたのを牧場で生まれる牛だけにして、頭数を60頭から45頭にしています。規模の適正化も牛にとってストレス軽減になるでしょうし、事業的に見ても子牛の購入費はかなりに削減ではないでしょうか。
最後に牧場長はこの様に言っています。
「搾乳ロボットは欧米人達がよく言う、動物福祉の思想が込めれれている事をよく感じると」
なるほど…ちょっと知らない世界、勉強になりました^^
※この記事は2017年10月22日に弓削牧場のゆげ・ただおさんが寄稿した、神戸新聞の文化欄コラム「わが心の自叙伝」を参考に書き起こしております。