牛丼一杯の儲けは9円(坂口孝則・2008年)を読んだ。今から約10年前の本だ。今年は2017年。牛丼一杯の儲けは変化したのか?それとも同じ9円なのか?私は疑問を感じた。さっそく、吉野家、松屋、すき家(ゼンショー)の決算を調べてみた。
一杯あたりの利益の計算方法
2016年、2017年、牛丼御三家の牛丼一杯の儲けは結果的に松屋の圧勝だった。計算方法は以下。まず営業利益率を求め、そこから割り出した。
- 営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)
- 牛丼一杯の儲け = 牛丼の価格 × 営業利益率
例えば、松屋の2017年の営業利益率は3,89%。牛丼一杯の価格は380円。
・式は、380 × 3,89% = 14,7円
牛丼一杯の儲けはいくら?
吉野家とすき家の差はそれほどなかった。両者とも牛丼一杯の儲けは8円くらいだ。松屋は営業利益率が高く、一杯の儲けは15円ほど。倍違う。私の計算方法が間違っているのか。いろいろと調べてみたが原因不明。決算書を過去に遡ってみたが、常に10円台をキープしていた。プレミアム牛丼が出てきたのは2014年のことだし、よくわからない。原価率も松屋は一番低かった。松屋に限らず、牛丼以外の物も売っているので、一概に儲けとは言えないが、書籍「牛丼一杯の儲けは9円」から考えても合っているはずだ。
結論、牛丼一杯の儲けは他社に倍の差をつけて、松屋の勝ち。
牛丼屋について
松屋の営業利益率の高さには疑問を残すとしても、食券機の導入や調理のロボット化で人がいなくても、牛丼を自動的に提供する無人システムが導入される日も近いだろう。
私は吉野家も松屋も家の近所にあるのでよく利用している。個人的な感想をいうと、牛丼は吉野家が一番うまい。定食では松屋だ。すき家は従業員が忙しそうなので好きではない。それと松屋は最近、外国人労働者を積極的に採用している。お店に行って、日本人スタッフと外国人スタッフを見比べてみると、調理の仕方が違うことが分かる。外国人スタッフは雑だが量(野菜や生姜やネギなど)を多めに提供してくれるので、私は日本人よりも好きだ。(ケチくさい話)日本人は気真面目にマニュアル通りに盛り付けるので量が少ない。「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」という本もあるくらいだ。見習ってほしい。
まとめ
しかし「牛丼一杯の儲けは9円」の本を読んで「利益」と「仕入れ」を勉強すると、スタッフがたった10グラム多めに盛ったサラダが、グループ全体になると、相当な利益の損失になることがわかる。反対に10グラム少なく盛れば、それだけ利益が多くなる。ラーメン屋では、メンマ一本、麺一本少なくするだけで、繫盛店では1日1000円ほど利益が違ってくる。私は今日も仕事もせずに108円で買った本から、そんなことを学んでいる暇人なのだ。
私が調べた決算書へのリンクは以下。