会社を潰す社長の「ダメな口ぐせ」ワースト5

会社の未来は「経営者の言葉」ですぐ分かる

社長の口ぐせを聞けば、その会社が潰れるかどうかがわかる(写真:saki / PIXTA)
会社は、社長が普段発する言葉どおりになっていきます。なぜなら、口ぐせは、その人の考え方が習慣化したものだからです。いくつもの事業に失敗する一方で、15年連続で増収を続ける株式会社武蔵野の経営者である小山昇氏は、「その会社が潰れるかどうかは、社長の口ぐせを聞けばわかる」と説きます。『絶対会社を潰さない社長の口ぐせ』の著者である小山氏に、会社を潰すダメな口ぐせと、会社の業績をアップさせる考え方について教えてもらいました。

ダメな口ぐせ①「ビジネスは現場社員の熱意で決まる!」

「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、夏が暑いのも、冬が寒いのも、すべて社長である小山昇の責任」。これがわが社のルールです。クレームが起きても、私は社員の責任をいっさい追及しない。給与の減額もしないし、降格人事もしない。

責任を追及しないのは、社長しか責任を取ることができないからです。「責任を取る」とは、「経済的に損をする」ことです。代議士や官僚が汚職を働くと、責任を取って辞職するケースがあります。でも私に言わせれば、辞めるだけでは「責任逃れ」にすぎません。

クルマで接触事故を起こします。原因はあなたの前方不注意。相手のクルマのボディがへこみました。このとき、あなたはどのように責任を取りますか? 

「私の運転ミスでした。今後は気をつけます」と謝っただけでは、事態は収拾しません。正しい責任の取り方は、「修理費を負担する」ことです。経済的な損を取らない人は、責任を逃れただけです。

二十数年前、私は、当時の常務の提案を受け、ある事業を始めました。ところが事業は失敗し、4億円もの損失を出した。おそらく常務はクビや降格を覚悟したと思います。

しかし私は、「あなたがこの話を持ってきたのは事実だが、決定したのは私。だから、損をしたのも私の責任」と「私が責任を取る」ことを示しました。そして、「これから、あなたがやることは1つ。3億円に見合う稼ぎを上げること」と付け加え、彼の奮起を促しました(結果的に元常務は、毎年2億円を稼ぐしくみを作った)。

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  • NO NAME4a0cb5222f2b
    「潔く」責任を負おうとしない、負いたがらないそんな社長が実際多いですな。
    up13
    down1
    2017/10/30 08:41
  • NO NAMEc85a719d105e
    最近では小池さんが示したように
    人間というのは権力を持つと増上慢などの慢心に陥ることのほうが多く
    清廉潔白で謙虚であり続けることはとても難しいです。

    社長も多くの「反対しない取り巻き」に囲まれ気づかぬうちに慢心に陥ってしまい、
    権力の座の維持に執着するようになり、公の心を失い、経営判断も狂います。

    イエローフラッグのたった社長をスパッと引退させることのできる経営システムがある企業が日本にあれば、是非、取材し記事にして頂けるとありがたいです。
    up7
    down1
    2017/10/30 09:05
  • NO NAMEff6d8891fe7a
    部下が書いた演説原稿をプロンプタ見ながら喋ってる社長の言葉に力はない。自分の言葉で語ってくれないと。
    up4
    down1
    2017/10/30 08:56
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