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2017-10-30

「最近、中国が日韓のドラマを買い付ける」「ほう」「その時、韓流は日本ドラマの百倍の価格で売れる」「まじか」(週刊文春)Add Staraizawa_green

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ええと、1週前か2週前か、とにかく最近の週刊文春、連載対談「阿川佐和子のこの人に会いたい」。ゲスト古川良太、「相棒」などを書いてる脚本家

その中の、こういうくだり。

阿川 一時期、日本を席巻した韓流ドラマはいかがですか?


古川 韓流もいろいろあるんですけど、音楽のKポップと同じで、国内市場が小さいから、初めから世界に売ることを目指して作っている。日本みたいに国内視聴率を取り合う閉鎖された環境で作ってるのとは志が違う面はあります。

最近中国ドラマつくりに力を入れ始めてるんですが、国内で作る能力がまだ低いから、日本韓国からドラマを買ってくれる。そのときの値段が、日韓で百倍違うと言われました。

阿川 韓流ドラマ日本ドラマの百倍の値段がつくんですか?


古沢 もちろん、韓流ドラマ大長編が多いので一作の長さが違うんですけど。そういう現実を僕らは直視したほうがいいんじゃないかと思います。


過去記事紹介

7年ほど前か、あるいはさらに前か、テヘランにて「ヘイ、チュモン!」という声が響いた。

無駄に長くやってるブログだから、その時の記事を保存してる(笑)

韓流ドラマ朱蒙」がイランで超大人気。日本人にも「ヘイ、チュモン!」…電化製品も躍進。食の認証も… http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101014/p3

 ◇「朱蒙」効果、イラン市場は躍進

 「路上で何度も『チュモンによろしく』と話しかけられて……」。在イラン韓国大使館の男性職員が苦笑した。「チュモン」は韓国MBC放送の人気テレビドラマ朱蒙チュモン)」の主人公の名前だ。08~09年にイラン国営放送で放映され、平均視聴率は驚異の60%以上を誇った。テヘランの車の大渋滞はつとに知られるが、「番組が始まると、途端に渋滞が解消した」との“伝説”が残る。

 衛星放送を通じたペルシャ語吹き替え韓流ドラマ大人気だ。(略)「ドラマ韓国を身近に感じ、日本と同様いい印象を持つようになった」とほほ笑んだ。

 近年、サムスンやLGなど韓国企業イラン進出が目覚ましい。日本企業電化製品自動車シェアを軒並み逆転し…(後略)

 ◇おしん人気、今は昔に…

 イランでは約20年前、NHKドラマおしん」が爆発的な人気を呼び、日本企業への好感度アップにつながったが、今は昔の話だ。「ヘイ、チュモン!」。街で韓国人に間違えられる日本人も少なくない。

 MBCによると「朱蒙」は世界20カ国で放映。日本でも人気を博した「大長今(テチャングム)(宮廷女官チャングムの誓い)」はイランを含め60カ国に及ぶ。閔完植(ミンワンシク)海外事業部長は「番組の輸出は局独自の事業だが、これが韓国韓国製品のイメージ向上につながっている。日本番組輸出は、価格や複雑な著作権問題が絡んで苦戦していると聞いている」と話す。

韓国映像輸出に力を入れたのは、金大中政権の時だったか金泳三政権の時だったか…

いろいろ、強さの指摘はあった。

「国が率先して売り込みにかかっている」

「国がバックアップし、補助金のような形で、実質買い手側からは「ただ同然」になるようなお得価格になっている」

著作権肖像権などは一括処理され、いちいち作り手や出演者の許可は不要。配分も少ない」

また、今回古川氏が語っているように

「作るときに、そもそも内容を『海外に売れるように』というのを盛り込んでいる」というのもあるだろう。

で、自分はこう書いたわけです

韓流裏技・表技どっちにしろ輸出に成功してるなら、怒る前に真似したい」http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110804/p5

麻生太郎漫画アニメ好きだという話題から一時こういうものの輸出・海外新興に政府が絡むことが検討され、例の「国立漫画喫茶」という批判や「もともとお上が関わったら、お役所仕事天下り成功するわけがない」という根源的な批判もあり、麻生政権の不人気もあってうやむやになった感がある。

 

だが「韓流」への批判、それに対して「韓流、いいじゃないか」という反批判があるなら、それをスライドさせて「今の日本コンテンツ輸出支援体制は結局どこをどう強化すべきなのか?」をもう一度論じるべきやないかと思うなりよ。そこをメーンにした議論になったほうがいいと思うよ。

そしてさっきの

コンテンツ輸出+各国の放送枠確保-政府補助金日本イメージが残る」

という方程式の(さらなる大規模な)採用も、あり得るわけで。

麻生太郎政権から数えると、間もなく10年となろうかというわけで、この期間に「中国が買い付けるドラマ価格に、日韓で100倍の差がついた」なら、それは何が理由か、は分析に値する。

たとえば純粋に、ドラマの質や俳優の魅力などに帰するかもしれない。


ただ、たとえば

文化の輸出や輸入は民間自由活動に任せておくべきだ。お上が介入すると逆効果

とか

海外を意識したドラマ作りや描写自粛百害あって一利なし外国の目を気にせずに作ったローカルなものが、実は一番グローバルな競争力があるんだ」

なんて、当時言われた話も、理想や「べき論」とは別に、それはファクトであったのか、これも検証されるべきだ。




ところで、この「中国日韓ドラマは百倍の価格差」という話を論じた今回のブログ記事中韓関係ニュースまとめる、まとめサイト諸氏は今回、自由転載していいぞ(笑)

いや、既に知ってるかもしれんが。


もうひとつ。中国は早晩、自前で面白いドラマを作り、輸出も行うだろう。…それはいつか?ジャンルは何か?

そもそも古沢良太氏の

「最近中国ドラマつくりに力を入れ始めてるんですが、国内で作る能力がまだ低いから、日本韓国からドラマを買ってくれる」

ってのは、どれぐらい正しいんですかね。

しかし、こういうのは早晩、実力をつけてくるんじゃないだろうか。

それとも規制がやはり足枷なのかなあ

中国サブカル、その青春期~いま、中国サブカルSFミステリー漫画ゲームラノベ…)はどうなってるのか、手探りで見る - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20170623/p1

中国サブカル日本を超える…と思ったら今も規制多数「名探偵警察侮辱」「タイムトラベルは現状への不満だ」 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1128675


この二編が光と影、の象徴なのだけど、スマホ中国国産が徐々に韓国スマホの場を荒らすように(日本は最初から負けてる)、ドラマ侵食していくのかね。

すでに歴史大河ドラマは、中国には題材もたくさんあるから(笑)面白いらしいですよ?

清朝チート皇帝康熙帝雍正帝を描く中国大河ドラマ - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1106299