アメリカ、テキサス州フォートワースには「犬捨て広場」という忌まわしい名前の場所がある。「エコー湖公園」というちゃんとした名前があるのだが、人気がないこの公園は、犬など動物が捨てられることが多い場所となっていった。
地元の保護団体ザ・アバンドンワンズで活動するジュディ・オブレゴンさんは、この一帯で孤独なまま命を落としてしまった動物たちの姿を何度も見てきた。
もうこれ以上の被害を出したくない、ジュディさんらは最近では1日2回、この公園周辺をパトロールしているのだそうだ。
そしてある日、いつものようにジュディさんが公園のまわりを車で走っていると、1匹の痩せた犬を発見する。さみしそうな声で鳴いていたという。
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靴ひもが首にまかれた捨て犬を発見
痩せこけたその犬はおよそ生後6か月くらいだろうか。ジュディさんの車がゆっくり近づくにつれ、犬は顔をあげ鳴き声をあげながら走り寄ってきたという。ジュディさんが頭をなでると頭をこすりつけてきた。
「車に乗せるまで気づかなかったのですが、彼女は首の周りに靴ひもを巻かれていました。」とジュディさん。
その靴紐はフェンスと固く結び付けられていたのだが、犬は自力でその靴紐を断ち切ったようだ。それでも犬がフェンスのそばから離れなかったのは、また飼い主が戻ってきてくれるという思いからだろう。
「何より悲しいのはそんなひどいことをされていながらも、元飼い主が戻ってくるかもしれないと思い、彼女がその場にとどまっていたことです。」とジュディさん。
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悲しい過去に別れを告げて、明るい未来を目指して
キャリーと名付けられたその犬は、ジュディさんの運転する車が公園を通り過ぎる時、ほんの少し振り返ったそうだ。
元飼い主がまた来るかもしれないという未練があったのかもしれない。だがこれからは、悲しい過去と決別だ。その後、キャリーはそっとジュディさんに近づいて頬にキスをしてくれたという。
その後獣医の診察を受けたキャリーだが、マイクロチップは入っていなかった。元飼い主にかんする手掛かりは得られなかったことになる。だが幸いなことにキャリーの体調に大きな問題がないことがわかった。
キャリーは食欲も旺盛である。この分ならすぐに一般的な犬の体重に戻るだろう。
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何をされても元飼い主を許す捨て犬たち
「捨てられた犬たちを保護するといつも涙がこぼれてしまいます。捨て犬たちは、捨てた元飼い主たちをすでに許しているんです。その慈愛の心が瞳に表れているんです。」とジュディさんは語った。
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これからキャリーの里親探しがはじまる。だがそう心配することもないだろう。こんなに愛くるしいし、人懐っこくとっても元気なんだから。
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キャリーは愛していた元飼い主に捨てられ、あろうことか追って来れぬよう靴ひもでフェンスに結び付けられていた。
靴紐がはずれてもキャリーはその場を動くことをせず、痩せこけるまで飼い主が戻ってくるのをひたすら待ち続けていた。
キャリーが経験した悲しい出来事を覆いつくすぐらい、愛情豊かな真の飼い主が現れるのを、みんなが心より待ち望んでいる。
via: The Dodo/Facebook/などtranslated by kokarimushi / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
犬は、表情が良く出るよね
2. 匿名処理班
どうせこういう人達が引き取ってくれるからって気持ちでペットを捨てる人が少しでも減りますように。
3. 匿名処理班
泣いてしまった
こんなに人懐っこいのに
4. 匿名処理班
捨てた人の靴紐、今後は全部ブチって切れちゃう呪いにでもかかればいいのに
5. 匿名処理班
すっげぇ可愛いのになんで捨てたのか、重たい理由がきっとあると思うけど
新しい飼い主さん探すとかする時間もなかったのかなあ・・・・あの犬のリアクションだと
虐待されてたとかじゃなくてとても可愛がられてたように思える、色々切ないけど
最後はワンコが引き取られて良かった、気をゆるしてるワンコの顔がすべてだね
6. 匿名処理班
人懐っこい所を見ると、なんか逆に悲しくなってくるよ…
7. 匿名処理班
生き物を飲み終わったジュース缶と同じにするなよ
そういう奴は不喜処地獄でシロらが牙やつめを磨いて
死後お待ちしてるので覚悟しろ
8. 匿名処理班
健康に問題ないとのことだけど、歩き方おかしいのは飢えて弱ってるからなのかな;
ともあれ、初対面でこんなにフレンドリーな子ならすぐに優しい里親さんがみつかると信じたい
9. 匿名処理班
保護された後につけてた首輪がうちのわんこと同じでなんだかほっこりした
10. 匿名処理班
犬は人間を信頼し慕う。
犬は人間を愛しているから。
11. 匿名係
こういう記事を見るたびに人間であることが
たまらなく恥ずかしくなる。
でも救うことができるのも人間だから、自分にできることを
少しずつでもやっていこう。