残念な部下に「スイッチ」を入れる単純な方法
仕事ができないのは能力不足ではない
能力不足でパフォーマンスが低いことはまれ
私たちが職場で「やる」こと(あるいは「やらない」こと)のほとんどすべてには、モチベーションが作用しています。従業員の中にはやる気に満ちあふれた人もいれば、現状に不満を感じている人、積極的に転職先を探している人さえいるかもしれません。仕事に行くのが好きでたまらない人も、嫌でたまらない人もいるでしょうが、その原動力になっているのがモチベーションです。
こうしたモチベーションがどのようなきっかけで生まれるのか、特に、社員のやる気を引き出し、意欲あふれる職場を維持するためにはどうすればいいのかを理解することは、リーダーにとって、会社の成功を左右する非常に重要なカギになります。
モチベーションについてはいくつかの心理学理論があり、それぞれ微妙に異なる戦略を提案しています。リーダーの多くは、「self-determination theory(SDT:自己決定理論)」に関する書籍などを読んだことがあるかもしれませんが、ここでは少し話題を広げて、このSDT理論の基になったいくつかの理論に触れてみたいと思います。
ここですべてを網羅するわけではありませんが、以下に挙げる3つはそれぞれ、よくあるモチベーションの問題を考えるヒントになるでしょう。
たとえば、パフォーマンスが思わしくない従業員がいた場合、ほとんどのマネジャーは単に彼、あるいは彼女に能力がないだけだと思うでしょう。しかし、能力不足のためにパフォーマンスが振るわないケースは、実際にはほとんどないのです。これはどういうことでしょうか。