個人的な思いと分析を。
これから選挙に挑戦しようと考えている方々のために、かなり具体的に、詳しく分析したいと思うが…はっきり言って長い。
ご興味のない方はどうか読み飛ばしてほしい。そこそこ興味深い内容だとは思うが…。
『本気論TV』でも語った通り、選挙は3段階に分かれていると分析出来ると思った。
「個人」の力で戦う市(町)議会議員選挙。
「組織」の力で戦う県(府)議会議員選挙。
そして、とにかく「メディアの力がものをいう」国政選挙。
私の出馬した千葉1区は千葉市の中央区・稲毛区・美浜区を指す。これだと話が大きすぎるので今回は私の住んでいる「美浜区」に限定して分析をする。
■■■■■■■■■
皆さんは米持克彦(よねもちかつひこ)さんって知ってらっしゃるだろうか?絶対に知らないと思う。
田畑直子(たばたなおこ)さんは?そりゃあ誰も知らないはずだ。
このお二人は、千葉市議会議員である。
この二人…ちょっとこちらを見てほしい。

驚かれたろう。
市議会議員選挙で7000票・8000票を取ってしまう超人気市議さんだ。めちゃくちゃに選挙に強いが、この二人の強さの分析は簡単である。
この二人、そもそも「人間的に素晴らしい」のだ。たったそれだけである。
米持氏は、年齢はもう80近い。ひょっとしたらもう現役を引退されるかもしれない。
なんでそんな方の事を私が知っているかというと、私自身が地元の小学校でこの5月まで保護者会の会長をしていたためだ。
保護者会の会長は各種様々な会合や集まりに出席しなければならず、その場所場所で米持氏は見かけていた。が、その時はたいして印象はなかった。
米持氏の印象が変わったのは、朝の子供たちの見送りをした時だった。
交差点に立って子供たちが安全に交差点を渡れるように誘導していたのだ。
旗を持ちながら、小学生たち相手に。
市議会議員選挙って、皆さん、そこまで興味おありだろうか?
投票率はご存知の通り。全国的にかなり低い。そんな中、米持氏は8000票以上を獲得して圧勝する。派手なことをしているわけじゃない。地元を愛し、地元のために動いてくれているのだ。それを見ている住民が
「米持であれば投票しよう」
と、投票してくれる。
これは田畑氏も全く同じだ。
各種集まりや会合にまめに顔を出し、とにかく顔が広い。
決してでしゃばる人物ではないが、優しく、穏やかな人柄は地元では有名だ。他会派ではあるが、私も田畑氏はとても素敵な方だという印象を持っている。
彼らの特徴は自民党の米持氏、民進党の田畑氏…というすみ分けなのではなく、彼ら「個人」で7000人・8000人という「個人ファン」を獲得している点である。
これが実際の選挙ではどう動くのか?自民党で見てみよう。
米持氏は自民党議員である。米持ファンは、市議会議員選挙ですら米持氏のために投票に行く方々である。国政で行かないわけがない。これで美浜区であっという間に自民党候補者は8000票を獲得。何にもしてなくても米持氏の信頼という力で8000票。
しかも、美浜区には同じく自民党に松坂吉則氏という千葉市議会の若きエースもいる。彼で5000票近く持ってる。
千葉1区から美浜区で出馬…となると、もう自民党の候補者というだけで、米持氏・松坂氏の支援者だけでほっておいても13000票は入る計算になり、当然、その13000人が周辺の方々に声をかける。自民に入れるべきだ、と。
平均して一人がもう一人ずつ投票を誘ったとしよう。
そうなると美浜区だけで26000票となる。
さらに美浜区選出の臼井正一(うすいしょういち)氏が県議として存在。
彼は自民党重鎮の臼井日出夫氏の息子であり、彼がまたイケメンで人気者。がっちりと票を固めていける。
これを中央区と稲毛区で同じように行える。
こうして、自民党は千葉1区で8万票を超えていけるわけだ。
これと同じことが出来るのがNTTの労働組合。
圧倒的な組織力と人事力を使い、システム化された動員と選挙活動を展開。
民進党の各市議会議員たちを当選に導き、各市議会議員は当選させてもらった恩義もあり、毎日をしっかりと活動。地道に自分たちのファンを増やしていき、確実な集票につなげていく。
千葉1区で出馬してよく分かったことだが、千葉1区は…本当に無党派層が少なかった。各市議会議員たちがしっかりとした活動を行っており、組織票をがっちりと固めていた。なので新人に付け入るスキはほぼなかった。市議会議員もその大半が現職たちの再選で固められていることからも、実はかなりの保守的な地域であることがわかる。
我ながら、たった一人でよくこんなのを相手に戦ったと思う。
父親が選挙カーを運転してくれ、母親がチラシを配ってくれた。
こんな人数で、活動は実質12日だけ。最大で11人しか事務所にいない素人集団の選挙戦。
それで15000票を超えた。私はこの票数を冷静に見て誇りに感じている。
誰かやれるものなら日本維新の会から出馬して、千葉1区でこれ以上とってみればいい。
が、これが限界。これ以上は無理だ。個人の力じゃあこれが限界。
結局、選挙と言っても、基本であり地盤であり、根本は市議会議員なのだ。
どれだけいい市議会議員のタマを集めることが出来るのかどうか。
それをどの地域にどう配置できるのか。
国政の挑戦者は市議会議員にリスペクトを持ち、彼らが支えてくれていることをどれだけ理解できるのか。どれだけ大切にできるのか。
大切にする方法は飲みに行ってもいいし、政治的に助けてもいいし、お金を流すのでもいい。
今回はあくまでお話ベースだが、裏側でいろんなお金の動きがあることを教えていただけた。詳しいことをここで話すつもりはないが、私が知りたかったのはそういう
本当のリアルな話
だった。皆さんが知っているよりははるかに多額のお金が見えないところで動いている事実だけはお伝えしておく。
が、それを何にも知らないままで、まるで風を起こして、ほっといたら選挙に当選できるかのように勘違いして、のんきに出馬したのが私のミス。
みんな、もっともっと頑張ってきているのだ。
そして、もっともっと多額の…表には出せないお金が動いているのだ。
ひょっとしたら、大阪であってもどこであっても、維新のみんなはそういう「本物のリアル」を感じていない選挙戦をしているのかも知れない。橋下氏の起こす風が暴風なので、その風に乗った部分はあるのかもしれない。大阪で取ることの出来た3つの選挙区では、きっと力のある市議会議員が存在していたのだろう。そして、それらを束ねる府議会議員もいたのだろう。
でも、これからは大阪以外では維新の風は吹かない。
その中でどうマーケティングをかけて、どう「選挙」というシステムの中で議席を獲得していくのか。
となると、まずは風の吹いている…たぶん…固めなければいけないのは…まずは大阪なのだろうと思う。
そのためには、地元でしっかりと活動している「いい人材」を探すことが何よりも大事で、そんなものは「募集」とかしてても絶対に来ない。自分たちで足で探し、発見していくしかない。そして、その人物たちをちゃんと口説けるだけのサポート体制を調えることが出来るかどうかだ。
今までの維新の口説き文句は「橋下氏の風で当選できるぞ」だったと思われる。
が、これからはそうはいかない。
風はないぞ。
金は出さないぞ。
人員のサポートもしないぞ。
だが、党費は払え。
だが、党員獲得のノルマは課すぞ。
あと、堺市長選などがあれば、交通費も宿泊費も全額自己負担で協力すること。
という政党にはさすがに誰も集まらない。
みんなにも生活はあるのだから。家族だっているのだから。
維新の示す方向性は確実に正しい。
日本を救えるのは維新だけのはずだ。
が、それを実践するには、現状では足りないものがある。
橋下氏の起こす風だ。
維新はこれしか提供できていなかったのに、今はこれが全くないわけだ。
勝てるわけないし、人が集まるわけがない。
日本を救うためには維新の勢力を伸ばすことが大切だ。
が、論理的には今のままではそれは不可能だ。
人間は生きているのだ。金も時間も必要だ。
さて…本当にどうしたものか…。
これから選挙に挑戦しようと考えている方々のために、かなり具体的に、詳しく分析したいと思うが…はっきり言って長い。
ご興味のない方はどうか読み飛ばしてほしい。そこそこ興味深い内容だとは思うが…。
『本気論TV』でも語った通り、選挙は3段階に分かれていると分析出来ると思った。
「個人」の力で戦う市(町)議会議員選挙。
「組織」の力で戦う県(府)議会議員選挙。
そして、とにかく「メディアの力がものをいう」国政選挙。
私の出馬した千葉1区は千葉市の中央区・稲毛区・美浜区を指す。これだと話が大きすぎるので今回は私の住んでいる「美浜区」に限定して分析をする。
■■■■■■■■■
皆さんは米持克彦(よねもちかつひこ)さんって知ってらっしゃるだろうか?絶対に知らないと思う。
田畑直子(たばたなおこ)さんは?そりゃあ誰も知らないはずだ。
このお二人は、千葉市議会議員である。
この二人…ちょっとこちらを見てほしい。
驚かれたろう。
市議会議員選挙で7000票・8000票を取ってしまう超人気市議さんだ。めちゃくちゃに選挙に強いが、この二人の強さの分析は簡単である。
この二人、そもそも「人間的に素晴らしい」のだ。たったそれだけである。
米持氏は、年齢はもう80近い。ひょっとしたらもう現役を引退されるかもしれない。
なんでそんな方の事を私が知っているかというと、私自身が地元の小学校でこの5月まで保護者会の会長をしていたためだ。
保護者会の会長は各種様々な会合や集まりに出席しなければならず、その場所場所で米持氏は見かけていた。が、その時はたいして印象はなかった。
米持氏の印象が変わったのは、朝の子供たちの見送りをした時だった。
交差点に立って子供たちが安全に交差点を渡れるように誘導していたのだ。
旗を持ちながら、小学生たち相手に。
市議会議員選挙って、皆さん、そこまで興味おありだろうか?
投票率はご存知の通り。全国的にかなり低い。そんな中、米持氏は8000票以上を獲得して圧勝する。派手なことをしているわけじゃない。地元を愛し、地元のために動いてくれているのだ。それを見ている住民が
「米持であれば投票しよう」
と、投票してくれる。
これは田畑氏も全く同じだ。
各種集まりや会合にまめに顔を出し、とにかく顔が広い。
決してでしゃばる人物ではないが、優しく、穏やかな人柄は地元では有名だ。他会派ではあるが、私も田畑氏はとても素敵な方だという印象を持っている。
彼らの特徴は自民党の米持氏、民進党の田畑氏…というすみ分けなのではなく、彼ら「個人」で7000人・8000人という「個人ファン」を獲得している点である。
これが実際の選挙ではどう動くのか?自民党で見てみよう。
米持氏は自民党議員である。米持ファンは、市議会議員選挙ですら米持氏のために投票に行く方々である。国政で行かないわけがない。これで美浜区であっという間に自民党候補者は8000票を獲得。何にもしてなくても米持氏の信頼という力で8000票。
しかも、美浜区には同じく自民党に松坂吉則氏という千葉市議会の若きエースもいる。彼で5000票近く持ってる。
千葉1区から美浜区で出馬…となると、もう自民党の候補者というだけで、米持氏・松坂氏の支援者だけでほっておいても13000票は入る計算になり、当然、その13000人が周辺の方々に声をかける。自民に入れるべきだ、と。
平均して一人がもう一人ずつ投票を誘ったとしよう。
そうなると美浜区だけで26000票となる。
さらに美浜区選出の臼井正一(うすいしょういち)氏が県議として存在。
彼は自民党重鎮の臼井日出夫氏の息子であり、彼がまたイケメンで人気者。がっちりと票を固めていける。
これを中央区と稲毛区で同じように行える。
こうして、自民党は千葉1区で8万票を超えていけるわけだ。
これと同じことが出来るのがNTTの労働組合。
圧倒的な組織力と人事力を使い、システム化された動員と選挙活動を展開。
民進党の各市議会議員たちを当選に導き、各市議会議員は当選させてもらった恩義もあり、毎日をしっかりと活動。地道に自分たちのファンを増やしていき、確実な集票につなげていく。
千葉1区で出馬してよく分かったことだが、千葉1区は…本当に無党派層が少なかった。各市議会議員たちがしっかりとした活動を行っており、組織票をがっちりと固めていた。なので新人に付け入るスキはほぼなかった。市議会議員もその大半が現職たちの再選で固められていることからも、実はかなりの保守的な地域であることがわかる。
我ながら、たった一人でよくこんなのを相手に戦ったと思う。
父親が選挙カーを運転してくれ、母親がチラシを配ってくれた。
こんな人数で、活動は実質12日だけ。最大で11人しか事務所にいない素人集団の選挙戦。
それで15000票を超えた。私はこの票数を冷静に見て誇りに感じている。
誰かやれるものなら日本維新の会から出馬して、千葉1区でこれ以上とってみればいい。
が、これが限界。これ以上は無理だ。個人の力じゃあこれが限界。
結局、選挙と言っても、基本であり地盤であり、根本は市議会議員なのだ。
どれだけいい市議会議員のタマを集めることが出来るのかどうか。
それをどの地域にどう配置できるのか。
国政の挑戦者は市議会議員にリスペクトを持ち、彼らが支えてくれていることをどれだけ理解できるのか。どれだけ大切にできるのか。
大切にする方法は飲みに行ってもいいし、政治的に助けてもいいし、お金を流すのでもいい。
今回はあくまでお話ベースだが、裏側でいろんなお金の動きがあることを教えていただけた。詳しいことをここで話すつもりはないが、私が知りたかったのはそういう
本当のリアルな話
だった。皆さんが知っているよりははるかに多額のお金が見えないところで動いている事実だけはお伝えしておく。
が、それを何にも知らないままで、まるで風を起こして、ほっといたら選挙に当選できるかのように勘違いして、のんきに出馬したのが私のミス。
みんな、もっともっと頑張ってきているのだ。
そして、もっともっと多額の…表には出せないお金が動いているのだ。
ひょっとしたら、大阪であってもどこであっても、維新のみんなはそういう「本物のリアル」を感じていない選挙戦をしているのかも知れない。橋下氏の起こす風が暴風なので、その風に乗った部分はあるのかもしれない。大阪で取ることの出来た3つの選挙区では、きっと力のある市議会議員が存在していたのだろう。そして、それらを束ねる府議会議員もいたのだろう。
でも、これからは大阪以外では維新の風は吹かない。
その中でどうマーケティングをかけて、どう「選挙」というシステムの中で議席を獲得していくのか。
となると、まずは風の吹いている…たぶん…固めなければいけないのは…まずは大阪なのだろうと思う。
そのためには、地元でしっかりと活動している「いい人材」を探すことが何よりも大事で、そんなものは「募集」とかしてても絶対に来ない。自分たちで足で探し、発見していくしかない。そして、その人物たちをちゃんと口説けるだけのサポート体制を調えることが出来るかどうかだ。
今までの維新の口説き文句は「橋下氏の風で当選できるぞ」だったと思われる。
が、これからはそうはいかない。
風はないぞ。
金は出さないぞ。
人員のサポートもしないぞ。
だが、党費は払え。
だが、党員獲得のノルマは課すぞ。
あと、堺市長選などがあれば、交通費も宿泊費も全額自己負担で協力すること。
という政党にはさすがに誰も集まらない。
みんなにも生活はあるのだから。家族だっているのだから。
維新の示す方向性は確実に正しい。
日本を救えるのは維新だけのはずだ。
が、それを実践するには、現状では足りないものがある。
橋下氏の起こす風だ。
維新はこれしか提供できていなかったのに、今はこれが全くないわけだ。
勝てるわけないし、人が集まるわけがない。
日本を救うためには維新の勢力を伸ばすことが大切だ。
が、論理的には今のままではそれは不可能だ。
人間は生きているのだ。金も時間も必要だ。
さて…本当にどうしたものか…。
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