(しず)「貞女は二夫に見えず」。
一旦嫁いだら妻は何があっても夫と墓場まで添い遂げる。
その覚悟で死に装束を持って嫁げいう事どす。
(てん)この着物に誓うてこの先どんな苦難にも耐え藤吉さんと墓場まで添い遂げてみせます。
着物がない。
(トキ)まさか楓さん?数々のいけずに耐え決意新たにしたてんですが女の戦いはますます燃え盛り…。
おてん様!こっちに。
え?よかった…大丈夫や。
そやけど誰がこないな…。
・「出かける時の忘れ物」・「ひょいとつかむハンカチのように」・「心の中にすべり込む」・「いちばんちいさな魔法」・「泣いたり笑ったり」・「今日も歩き出す」・「ありがとうと言いたいあなたのために」・「ごめんねと言えないあなたのために」・「パレードはまわり続けてる」
(又八)はあ〜女の争い事はくわばらくわばら。
見て見ぬふりが一番でっせ。
(藤吉)それより元帳が見当たらんのやけど…。
(又八)は?若旦さん?あっ…。
あ〜若旦さん!そっちの棚は開けたらあきまへん。
は?今金がいくらあるとかはごりょんさんしか分かりまへんねん。
誰の事も信じてないいうかわてらも見たら怒られます。
構へん。
ん?
(啄子)アカン!これはあんたが見る必要はない!そやかて蓄えがいくらあるとか貸方借方金の動きを分かってんと。
あんたにはまだ早い!俺の事も信じてくれへんのやな。
もうええ。
ああ…すまん。
いえ。
大丈夫ですか?おてんちゃんこそすまんな気苦労ばかりかけて。
「すまんすまん」謝ってばっかりや。
ホンマや。
ウフフフ。
それでは。
(せきばらい)お笑いを一つ。
え?俺とおてんちゃんとかけて夫婦茶碗ととく。
その心は?どちらも欠けてはなりません。
アハッアハハ!アハハハ。
よかった。
え?いや俺がはよ一人前になっておてんちゃんを嫁として認めてもらえるようにするさかい。
信じて待っとってな。
はい。
(ため息)何でおてん様とうちが楓さんの部屋の掃除までせな…。
「みだれ髪」!?はしたない!恋する情熱を詠んだ与謝野晶子の歌集は当時の道徳観からはとても恥ずかしいものでした。
楓さん恋愛に興味ないやなんて嘘です。
「柔肌の熱き血潮に触れもみで」。
ああっ嫌らしい!これ!人のもん勝手に見たらあきまへんて。
夜な夜なこれを貪り読んでおてん様に嫉妬の炎を燃やしてはるんやわ。
へ?やっぱり犯人は…。
(楓)うちや。
謝る気ぃはないで。
あっ楓さん。
楓さんどこ行かはったんやろ。
(ため息)あっ。
頼子さん?その壺家にあった…。
(泣きまね)
(頼子)これはお父ちゃんの形見や。
けど偽物やったわ。
あ〜あ家じゅうあっちこっちあさったけどもう金めの物はないなぁ。
家じゅう?うん。
あぁっ堪忍!白い着物の事やろ?あれは出来心や。
何や羨ましゅうて…。
ごめんな。
悪気はなかったんやし。
何やそやったんどすか。
いえ。
おおきに!楓さん。
着物の事違いましたんやろ?何でやったやなんて…。
どうせ誰にも信じてもらえんから。
昔からそうやった。
うちの事分かってくれるような人はだ〜れもおらへん。
あんたには分からへんわ。
そのご本勝手に見てしもてすんまへん。
恋愛に興味ある訳やないで。
うちは歌が好きなだけで…。
かっこええなぁ。
え?ホンマはうちも与謝野晶子読んでみたかったんやけど恥ずかしゅうて読む勇気がなかったんや。
「枯れ肌の水も弾かぬひとり寝のあはれなりけり女もののふ」。
これ楓さんが書かはりましたんか?楓さん女侍なんや。
すごいなぁこんなん書けて。
もしかして楓さん歌人になりたいんや…。
アカンか?ホンマは親の決めた結婚なんか興味ない。
自分の事は自分で決めたいんや。
ホンマにかっこええ女侍や。
夢かなうとよろしいですね!かなう訳ないやろ。
あんたは夢ないんか?お慕いする人とお墓まで連れ添う事です。
そんなに好き合うてるんか?はい。
どちらも欠けてはなりません。
(笑い声)悔しいけどあんたの方がかっこええわ。
え?うちなやきもちやいてたんや。
あんたが親に勘当されても自分を貫いてまっすぐ生きてる事に。
うちもあんた見習うてうちらしゅう生きてみるわ。
へ?短い間でしたがお世話になりました。
もめ事にはもう飽き飽きしまして。
すんまへん許しとくれやす。
何や…。
藤吉郎にはあんたみたいな気ぃの強い人が合う思たんやけどな。
うちはうちに合うた男はんを自分で見つけてみよう思います。
ええか。
楓はんがいんようになったからいうて調子に乗ったらあきまへんで。
あんたを嫁と認めた訳やないさかいな。
はい。
何やこれ!番頭さんは?聞きたい事があるんやが。
(佐吉)朝はようにお出かけになりましたけど。
朝はよう?何やここんとこ誰かと会うてはるようで。
用もないのにようお出かけになるようで。
ごめんください。
はい。
どうも。
えっと…ごりょんさんいてはりますか?ハハッこの家の事でね大事なお話があるんです。
てんの知らないところでこの家を揺るがす大変な事が起こっているようです。
2017/10/28(土) 08:00〜08:15
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 わろてんか(24)「始末屋のごりょんさん」[解][字][デ]
てん(葵わかな)が母からもらった着物がなくなり、楓(岡本玲)が疑われた。藤吉(松坂桃李)は店の経営状態に不審を抱き、啄子(鈴木京香)が管理する台帳を見て驚く。
詳細情報
番組内容
てん(葵わかな)が母からもらった着物がなくなり、一番に楓(岡本玲)が疑われる。商売に励む藤吉(松坂桃李)は店の経営状態に不審を抱き、経理台帳を見ようとして啄子(鈴木京香)に取り上げられてしまう。てんは着物を盗んだのが楓でないことを知り、楓を疑ったことを謝る。楓は自分の思う道をがむしゃらに進むてんが疎ましくて意地悪をしたと謝り、これからはてんのように生きたいと笑って、北村家を去っていった。
出演者
【出演】葵わかな,松坂桃李,徳永えり,岡本玲,鈴木京香
原作・脚本
【作】吉田智子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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