【10月28日 AFP】ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が軍事弾圧を逃れ、隣国バングラデシュに大量脱出した北部ラカイン(Rakhine)州で28日、ロヒンギャがいなくなった後の水田に実ったコメの収穫をミャンマー政府が開始した。ロヒンギャ難民50万人以上の帰還の見通しに懸念が生じそうな動きだ。

 今年8月に政府軍がロヒンギャ武装勢力の制圧に乗り出して以降、ロヒンギャの人々はほとんどが避難してしまい、バングラデシュと国境を接する同州は無人状態になっている。軍によるロヒンギャに対する行為は、国連(UN)が「民族浄化」と呼んでおり、数百の集落が焼かれ、国連や人権団体にはロヒンギャ難民らから、ミャンマー治安部隊による住民虐殺やレイプ、放火に関する報告が届いている。

 国際社会からの圧力を受けミャンマー政府は、ラカイン州住民であることを証明できる「精査された」ロヒンギャ難民を帰還させることに同意しているが、計画の詳細は詰められておらず、依然としてロヒンギャへの嫌悪感が極めて強いラカイン州に、誰が帰還を許可されるのか、帰還後はどのようにして生活していくのかなど、懸案事項は尽きない。

 そうした中、国営メディアや自治体関係者によると、ミャンマー政府は28日、ラカイン州でも特に今回、荒廃が著しいマウンドー(Maungdaw)の水田約2万8700ヘクタールで収穫を開始した。

 マウンドーの自治体の農業当局トップを務めるテイン・ワイ(Thein Wai)氏は、ロヒンギャに対する軽蔑語である「ベンガル人」という呼称を使い、「バングラデシュへ逃げたベンガル人たちの水田の一部で刈り入れをするつもりだ」と述べ、「向こう側へ逃げたベンガル人たちがいつ戻って来るのか、われわれには分からない。だから、われわれが収穫しなければならない」と語った。またそれらの水田について、将来的に政府がどういう処置を取るかも分からないと述べた。

 現地英字紙「ミャンマーの新しい灯(Global New Light of Myanmar)」によると、同国内の他の地域からは、収穫を手伝うために労働者らがバスで到着しているという。(c)AFP