南海電気鉄道は10月28日、台風21号の影響で運転を見合わせている南海本線の樽井(大阪府泉南市)~尾崎(阪南市)間について、単線運転による早期復旧の方針を発表した。複線による再開は1カ月後を目指す。樽井~尾崎間は台風21号の影響で、男里川を渡る橋りょうが損傷。下り線の橋りょうが傾き、桁上に敷設された線路もゆがみが生じた。南海電鉄は「急速な増水による橋脚部の洗掘」が原因と想定している。その一方、上り線の橋りょうは「健全度調査などを実施し、安全性が確保されていると判断できる」とし、実質的な被害がなかったことを示した。こうしたことから南海電鉄は、上り線を使った単線運転による早期の運転再開を目指す。「(日本列島に現在近づいている)台風22号の影響などを見極めながら、試運転を実施し、できるだけ早期に運転を再開する予定」という。和歌山市発~難波行きと難波発~和歌山市行きの普通列車(一部は区間急行)をおおむね30分間隔で運行する。下り線の橋りょうは仮復旧に向けた準備工事に着手している。仮復旧には「約1カ月程度を要する見込み」としており、11月末~12月初旬頃には上下複線の運転が再開されるとみられる。このほか、上古沢駅(和歌山県九度山町)構内でも台風21号の影響で土砂流出が発生。同駅を含む高野線の高野下~極楽橋間で運転を見合わせている。現在は原因の調査中で、運転再開時期も未定だ。 台風21号の影響で運休となった鉄道各線のうち、京都府内のJR舞鶴線綾部~東舞鶴間…