※2 単位:10Lot(10,000通貨)あたり。スワップポイントは政策金利や為替変動等によって日々変動します。また、プラス(受け取り)からマイナス(支払い)に転じる場合もあります。
・為替市場は原則平日24時間取引が可能でありますが、トルコリラはマイナー通貨の
ため、取引可能時間(午後3:00~翌日午前 1:00まで)が限られており、当該時間以外は取引できない場合があります。
・取引時間外であってもレート配信がある場合は取引は可能ですが、急にスプレッドが広がったり、レート配信が停止し意図した取引ができなくなる場合がありますのでご注意ください。
・トルコリラはマイナー通貨であることから、米ドルやユーロに比べ流動性が相当に低く、少しのレート変動でもスプレッドが大きく広がることがあります。また、政治的要因や金融情勢の変化、地政学的要因など様々な理由はありますが、少しの情勢の変化でも大きくレートが変動したり、レート配信が停止したり、スプレッドが広がったりした結果、意図した取引ができないことがあります。また、上記記載したような状態が発生した結果、ロスカットができない等の理由によりお預かりしている証拠金以上の損失が発生する場合もありますので、お取引いただく場合は十分ご注意ください。
トルコはイスラム圏の中で大国であり、オスマン帝国時代からトルコは東洋と西洋の貿易の中継点として栄えてきた国です。日本とは古くから交流があり1890年にオスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が 和歌山県沖で座礁、多数の犠牲者を出した遭難事件に日本側が献身的に救助に当たったことで両国のきずなが深まりました。
今年はその125周年記念にあたっています。
イスラム諸国の中で最大の親日国としてトルコと日本の交流は今後も一層深まっていくでしょう。
【トルコ経済】
トルコは、地理的にアジアとヨーロッパをつなぐ重要な位置にあり地理的な重要性は昔と変わりません。トルコの産業はサービス業が約60%、工業が約25%で人口8000万人、若年人口も非常に多く今後も伸びていき、2018年にはヨーロッパ最大の人口大国となることが予想されています。
トルコは欧州、中東、中央アジア、ロシアといった巨大経済圏と隣接しておりアジアとヨーロッパを繋ぐという地理的優位性から歴史的に貿易・金融の中継点として栄えてきました。
トルコは中東で最大の経済規模を誇り、主産業である観光産業以外に自動車産業といった重工業にも進出しGDPは安定した成長を遂げています。
経済成長率((当年のGDP-前年のGDP)÷前年のGDP×100)は2009年には-4.70%とマイナス成長
でしたが、2011年には11.11%と急成長。その後も4.79%から8.49%と高い成長を遂げています。
ただし2016年は世界経済の鈍化もあり2.88%とトルコの成長率も鈍化しました。
財政収支(対GDP比)は2002年に-14.04%と悪化しましたが、その後2011年には-0.57%と大きく改善。その後-1.0%~-3.0%で推移しています。金融システムは安定しており金融機関の破たんはリーマンショック時でも発生していないほど健全性が高いです。
インフレ率は2004年に10%以下に下がりその後は6%台から8%台で横ばい推移。そのため政策金利を段階的に下げてきていますが、それでも中銀の目標の5%プラスマイナス2%の上限を越すこともあるため慎重な金融政策を維持するものと考えられています。
高金利は確かに魅力ですが、トルコを取り巻く環境はいいものばかりではありません。
まず地政学的なリスクがあり、中東からの難民問題は深刻な問題です。
ISの活動によりテロリスクも高く、治安の悪化が海外からの積極的なトルコ進出を阻む要因となっています。
更に現在のトルコ経済の悪化とエルドアン大統領の長期独裁政治化があげられます。
輸出の伸び悩みと高水準の失業率・家計の消費活動の停滞からトルコ国内の需要は低下しており景気は停滞する可能性が高いと思われます。
更にエルドアン大統領が独裁政治長期化を狙って反対派を弾圧。
また国民の人気取りを狙ってトルコ中銀へ利下げの圧力をかけていることもあげられます。
首相当時、エルドアン大統領は、2013年頃から国会で中銀の利上げ施策批判を繰り返してきました。今回も年末の利上げに際し利下げ圧力をかけています。
これは中銀の独立性を損なう不健全な体制といえるでしょう。
週足のチャートを見ると30.00円の大台を2017年1月と4月に割りこみましたが、29円台前半でダブルボトム完成。
2015年12月からボリンジャーバンド週足のセンターラインを越すことが出来ず、ずっと上値が押さえられてきましたが2017年4月にこの週足のセンターラインを越して反転し、現在は31.83レベル。
センターラインの傾きは依然として下落、更には週足の一目均衡表の雲も上に位置し、週足に被さっていること、一目均衡表の遅行スパンが実態に絡んでまだ跳ね返される可能性も高く33.70を越さないと実体を上抜け出来ないためまだダウントレンド継続中と見るべきだと考えます。
高金利スワップのメリットを享受するためには買いポジションを取らなくてはなりませんがまだ通貨の下落リスクに注意する必要があります。
あくまでも長期保有を前提とした買いポジションを想定しています。
リラ買いを仕込むのであれば、長期保有を前提に低レバレッジで買いを分散して仕込む戦略がよいのではないかと考えています。
30~29円で底固め出来て週足の雲を上に抜ける、すなわち35円~37円を越していくような展開となればその後の回復も期待できるため、43円40銭ぐらいまでの中長期的な上昇を見込めるかもしれません。
トルコリラ/円のスプレッドを他社と当社で比較してみました。
【トルコの政策金利】1週間物レポ金利
2010年から2013年12月までは7.00%から4.50%まで政策金利は段階的に引き下げられてきましたが2014年1月にインフレ防止のため、突如とし4.50%から一気に10.00%へ引き上げました。
2014年5月に9.50%へ引き下げてから、その後は徐々に切り下げを行い2015年2月には7.50%まで下がりその後2016年10月まで7.50%据え置きで来ましたが、2016年11月に8.00%へ利上げして現在に至ります。
主要国の政策金利はNZの1.75%が最も高く、豪州の1.50%、米国の1.00%、カナダ0.50%、英国0.25%、日本0.10%、そして欧州は0.00%となっており、トルコの政策金利の高さが目に付きます。
米国は既に利上げに舵を切っていますが、その他の国では金融緩和が継続しており、具体的にテーパリングまで行っておらず、8.00%の政策金利であるトルコの高金利通貨ぶりが際立っています。
(注:テーパリングとは、量的緩和策による金融資産の買い入れ額を順次減らしていくこと。)
トルコ中銀は2017年1月10日に物価と金融安定を守るため為替市場でリラ防衛のため、介入も辞さない構えを示しています。エルドアン大統領は景気てこ入れのため利下げを中銀に呼び掛けている状況ですが、トルコ中銀は利下げに応じる可能性はほとんどなく、金利差を生かしたスワップ金利の魅力を今後も享受できる通貨だと位置づけることが出来ると考えています。
※このレポート(2017年10月24日時点の情報)は情報提供を目的とし、投資の断定的判断を促すものではありません。お取引における最終的な判断は、お客様自身で行うようにしてください。 この情報により生じる一切の損害について、当社は責任を負いません。本レポート中の意見等が今後修正・変更されても、当社はこれを通知する義務を負いません。著作権はヒロセ通商株式会社に帰属し、無断転載を禁じます。