geopoliticsさんの日記(無回転思考) このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-10-28 黒髪強制に至るまで 大阪教育改革の失敗 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメントAdd Star

黒髪強制に至るまで 大阪教育改革の失敗

「黒染め強要で不登校」生まれつき茶髪の女子高生が提訴:朝日新聞デジタル

生まれつき茶色い髪を黒く染めるよう教諭らから何度も指導され精神的な苦痛を受けたとして、大阪府立高校3年の女子生徒が、府に約220万円の賠償を求める訴訟大阪地裁に起こした。

忙しい人向け

大阪府では生徒の取り合いが始まって、中堅から下は定員割れを起こすので(三年連続だと取り潰し)、質を上げる方向に舵を切った。質はそうそう上がらない。学力差は小学校入学前にすでにある。だからどこをやるかと言えば、黒髪という見かけ。かわいい制服も意外と効果がある。要するに見た目に投資した方が効果が高いのです。


発端はたぶんこれ。

asahi.com(朝日新聞社):だめな高校は退場してもらう 橋下知事の改革始動 - 橋下知事の日々

だめな高校は公立、私立とも退場してもらう――。大阪府橋下徹知事の高校改革が今春、本格的に始まる。公私間の授業料格差を無くすため、府の私立助成を大幅に拡充。公私で生徒の獲得を競わせる。

その結果。公立対私立で公立の中堅から下が草刈り場に。

大阪公立高校定員割れ 橋下旗振り「私立高授業料無償化」で始まった学校格差 - エキサイトニュース(1/2)

大阪府が今年から実施に踏み切った拡充・私立高校授業料支援制度で、高校関係者が大ピンチに見舞われている。

 私学へのハードルが低くなり、自由に進路が選べるようになった結果、公立高校の定員割れが続出しているからだ。

 「なにしろ公立普通科の4割が定員割れ。ある程度は予想していましたが、この数字は今の試験制度になってから最低です。授業料が高くて私立への進学を諦めていた家庭の子供が、みんな目指すようになりましたからね」(大阪府教育委員会)

公立が不人気で私立に生徒が流れるといっても、名門校は新制度に関係なく人気がある。問題は中位下位の学校です。本来、公立に行くはずの生徒たちが私学に流れるようになれば、公立の上位校にはさらに優秀な生徒が集まり、荒れる学校はますます荒れる、ということになるでしょう。最悪、存続が危うくなる学校も出てきますよ」

おとり潰し政策。

3年連続定員割れした府立高校を廃校の対象にするとする府立学校条例や、府立と大阪市立の計7校を廃校にする学校統廃合計画に基づくものです。

府立4高校、統廃合へ府教育委員会議 11月に最終決定子どもの実態考えない暴挙/日本共産党大阪府委員会

都立高も同じ

背景には、生徒とのトラブルを防ぐほか、私立高との競争が激しく、生活指導をきちんとしていることを保護者や生徒にアピールするねらいもある。

http://www.asahi.com/articles/ASK4P4TZ6K4PUTIL01Q.html


口元チェックとか教員向けだったのが下の方、つまり生徒まで下りてきただけです。教員を笑っていた人はこれも笑えるかな。

ぼくらの七日間戦争は時代背景がわかります

素晴らしき愛知の管理教育 - Togetterまとめ


ちなみに府警にも圧力をかけて結果的に現場が統計をいじっています。


橋下市長は31日の会見で、「僕自身がプレッシャーをかけた。あれぐらい言わないと府警は動かない」

大阪府警、犯罪8万件を計上せず「ワースト返上」とウソ 橋下大阪市長が「おわび」

警察官の定数削減を巡って、大阪府橋下知事と縄田修府警本部長との折衝が、2008年5月29日行われた。知事は人員面での合理化を迫ったが、縄田本部長は定数維持を求めて譲らなかった。

橋下知事 大阪府警の人員削減は見送り : J-CASTニュース

橋下徹大阪府知事(現大阪市長)の財政再建策で、給料水準も警察の中で最下位レベルを推移し、府警の警察官を志す若者が減っているためだ。

大阪府警を悩ます「ある事情」…最下位レベル「給与」落ち込む「応募」必死の人材確保(1/2ページ) - 産経WEST

「髪染め強要で不登校」と高校3年生が大阪府を提訴するも、府側は請求棄却を求める/不適切な指導を避けるには地毛登録が良策?それとも、多様性を認めて頭髪の色を規定する校則をなくすほうがいい? - Togetterまとめ

少ない水源を求めて醜い争いが始まりますよ。

大阪府立懐風館高校「生まれつき茶髪も金髪の留学生も黒染めしろ、でなきゃ授業も受けさせないし修学旅行にも行かせない」 - エキサイトニュース(1/2)

検証 大阪の教育改革――いま、何が起こっているのか (岩波ブックレット)

検証 大阪の教育改革――いま、何が起こっているのか (岩波ブックレット)

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