頭痛ーるというアプリ/Webサービスがある。気圧の変化をグラフで示してくれて、低気圧の時に頭痛が出やすい人にとっては、とても便利なサービスだ。自分も毎日使っていて、Twitterでも随時お知らせしてくれるので、フォローしていた。
ところがある日、頭痛ーるのTwitterに突然変な投稿がされたことがあった。それはおそらくGunosyから外部記事をシェアしたと思われる投稿で、リンクされていた記事は、いわゆるネトウヨ的なサイトだった。
おそらくは、Twitter担当者がアプリから誤爆をしたのであろう。当該ツイートは1時間くらいして消えた。
自分はこのことに少なからずショックを覚えて、サービス自体に失望し、アプリをアンインストールした。もちろんTwitterもブロックした。
一生懸命サービスを開発している人や、日々マーケティング活動を行なっている人には何にも罪はない。ただアホなスタッフが誤爆をしただけだ。それなのに、今はもう頭痛ーるというサービス自体が信用できない。
また別の話で、WIREDというWEBメディアがある。自分もメディアの仕事をしていたのでそれなりに理解していたつもりだけれど、WIRED日本版はすごく成長しているメディアだ。コンデナストから雑誌を出しつつも、WEB記事と連動させながら、読み応えのあるコンテンツを出している。翻訳記事も日本オリジナル記事もおもしろいと思っていたし、企業タイアップのやり方なんかも他社と差別化できていて上手いな、と思っていた。
そのWIRED日本版が、映画「ラ・ラ・ランド」について、「ラ・ラ・ランドを擁護してみた」というようなタイトルの記事を出した。リンクを踏みたくないのでおぼろげだけど、編集部名義での記事だったと記憶している。
内容は、日本版編集部のスタッフはみな映画自体に懐疑的もしくは批判的で、それでも褒めるところをなんとかあげつらってみました、というものだった。上から目線で、作品や人を貶める最低最悪な記事だと思った。映画批評以前の問題で、人としてのモラルに欠けた人々の集団なんだなWIREDは、と感じた。
その記事が出て以来、どんなに魅力的なタイトルの記事であっても、タイムラインでシェアされたWIRED 日本版の記事を読むことはまずなくなった。よっぽどのことがない限り読みたくないし、今後良い記事、よいスタッフの人の文章に出会ったとしても、この醜悪な感情が消えることはないと思う。
だから何だ、という話なのだけど、結局この一言に尽きる。失った信頼を取り戻すのは難しい。小学生の頃から親に言われ続けてきたことを、最近とみに考える。信頼したくても、心がそうできない。連日報道される日本企業の不正のニュースや、ハリウッドのセクハラプロデューサーの問題などを目にして、そういうことを真剣に考えた1週間だった。