カタルーニャ州の州議会は２７日、スペインからの独立を宣言する議案を賛成多数で可決し、プチデモン州首相は「待ち望んできた一歩を踏み出した」と述べて、独立国家の樹立に強い決意を示しました。

これに対してスペイン政府は緊急の閣議を開き、議会上院での承認を受けて、憲法に基づいてカタルーニャ州の自治権を停止し、州首相など州政府の幹部を更迭して中央政府の閣僚がその役割を担うなど、中央政府が直接統治に乗り出すことを決定しました。

自治州に広範な自治権を保証した今の憲法のもとで、中央政府が自治権を停止する措置に踏み切るのは、１９７８年の憲法制定以来、初めてです。

スペインのラホイ首相は２７日夜、記者会見を行い、「できるだけ早く、法に基づく正式な投票を行い、カタルーニャの人々の声を聞く必要がある」と述べて、州議会を解散して、ことし１２月２１日に州議会選挙を行うと発表しました。

カタルーニャ州の州都、バルセロナでは、夜に入っても独立を支持する大勢の市民が歓喜に沸く姿があちこちで見られ、中央政府による自治権停止の措置に屈しない姿勢をアピールしています。

今後、中央政府が自治権停止を強行した場合、独立を支持する住民の一部との間で衝突が起きるおそれもあり、混乱が広がることが懸念されます。