大切なレンズにカビが生えるとショックですよね。
そんなカビについて理解を深め、簡単かつ効果的な対策方法を紹介します!
レンズにカビが生えるとどうなる?
レンズにカビが生えるとこのように表面に根を張ります。
そして次第にレンズを腐食していき、レンズを突き抜けて反対面に到達し、ひどい場合はすべてのレンズが真っ白になります。
肉眼でも確認できるカビのあるレンズで撮影した写真はモヤモヤっと曇った写りになってしまいます。
また、放っておくと他のレンズにも伝染します。
しかもレンズのコーティングなどを傷めずにカビを除去するのは素人には難しく、メーカーに修理を依頼すると1~3万円程度の修理費がかかります。
カビの好きな環境
そもそも、なぜレンズにカビが生えるのでしょう?
実はカビの胞子、つまりカビの卵のようなものは空気中に普通に存在しています。
この卵はどこでも孵化するわけではなくて、下の4条件全てが揃うことでカビの赤ちゃんが誕生し、急速に繁殖していきます。
①酸素
カビは酵母やキノコと同様の生物であるため、空気中の酸素を吸って呼吸をします。
酸素がない環境でレンズを保管できればカビは絶対に発生しませんが、現実的ではありません。
このため、第1条件は受け入れるしかありません。
②20~30℃の温度
カビが最も元気になるのがこの温度です。
これより高い、40℃以上の環境では死滅するカビが多いようです。
しかし、温度が低くても安心はできず、冷蔵庫のような10℃以下の環境でも生存できるカビもいます。
家で保管する限りはこの条件も受け入れるしかないようですね。
③栄養分
ピンと来ないと思いますが、カビも人間と同じように食べ物を食べて成長します。
だから食パンがカビやすいんですね。
栄養分となるものでレンズに付きやすいのは表面の指紋やホコリなどです。
特に、食べ物を触った手でレンズを触るのは最も避けるべきことです。
④60%以上の湿度
乾燥したところではレンズがカビないのはよく知られていますね。
それを利用してレンズを湿度を30~40%に保ち、カビから守る製品が下のような防湿庫です。
湿度と温度をコントロールできる優れものですが、油断は禁物です。
防湿庫はカビの繁殖を防ぐことはできますが、カビを殺すことはできません。
つまり、すでにレンズにカビが生息していた場合、防湿庫から出した途端に繁殖が再開します。
では、どうすればいいのか?
次の項目で説明します。
決定版!簡単で効果的なカビ対策
カビの好きな環境はわかりましたが、酸素と温度はどうしようもありません。
でも大丈夫です!カビにも弱点があります。
対策①:カメラやレンズを清潔に!
カビは指紋やホコリを栄養分にすると書きました。
ということは指紋やホコリを拭き取ればいいのです。
ホコリはブロワーで吹き飛ばし、指紋はレンズペンやレンズクリーニングティッシュで拭き取りましょう。
このとき、レンズはガラス面だけではなく、黒い筒の部分(鏡筒)もクロスなどでしっかり清潔にしましょう。
鏡筒はカビてもわかりにくいですが、同じようにカビが発生し、ガラス部分に伝染するので未然に防ぎましょう。
同様にカメラのホコリや指紋もカビの原因となるので綺麗にしましょう。
対策②:半年に1回は撮影!
カメラやレンズを清潔にしていればカビは発生しませんが、なんだか心配ですよね。
そこでダメ押しの日光浴です。
カビには紫外線に弱いという弱点があるので、日光に当てると殺菌することができます。
また、外気に触れさせることで換気にもなります。
もちろん、カメラとレンズを日中の間ベランダに置いておくだけでも大丈夫です。
でもカメラ好きならちゃんと使ってあげたいところですね。
半年に1回と書いていますが、できるなら季節の変わり目ごとが望ましいです。
これでカビ対策はバッチリです!
それでもカビが生えてしまったら...
以上のことを実践していても悪条件が重なるとカビが生えてしまうかもしれません。
調べるとエタノール消毒でカビを除去できると書かれていたりしますが、繊細なコーティングに傷が付くとかえってカビが発生しやすくなるのでオススメできません。
もし、カビが生えてしまったら早いうちにメーカーに修理してもらいましょう。
とはいえ、カビないのがやっぱり一番ですね。
みなさんのレンズがいつまでも健やかに現役で活躍することを願っています。