中村メイコさんにおいでいただいて昭和のスター名場面スペシャルをお送りしております。
(拍手)
(黒柳朝)お元気そうで…よかった。
(黒柳徹子)麦酒瓶は水筒なんだ。
(黒柳守綱)そうだよ。
トット助はもうドブに落ちたりなんかしてないか?うん。
でもおなかがすいていつもフラフラしてるからまた落ちるかもしれない。
(守綱)気をつけろよ。
はい。
すみません…。
お目にかかれたのにメソメソして…。
(村川)おっ黒柳!自慢の奥さんだな?
(守綱)同期の村川くんだ。
妻の朝だ。
いつも主人がお世話になっております。
奥さん黒柳は夜中に寝言で「チョー」って言うんですよ。
「チョー」とはなんだろうとみんなで言ってたんですが奥さんの名前だったんですね。
(男の子たち)お父ちゃん!お父ちゃん!
(村川)おお…来たか。
(守綱)村川は若いが立派な人なんだ。
魚屋さんをやっていたそうだ。
芸術家以外の人に初めて友情を感じたよ。
ゆっくり食べなさい。
甘いおはぎ作ってくれてありがとう。
お父様も大豆15粒で兵隊さんしてるの?いや軍隊には少しはましなものがある。
すまないな自分だけ…。
私たちの事は気になさらないでください。
トモエ学園ではねおなかがすいたら俳句を考えるの。
小林一茶みたいに。
ほう!トット助はどんな句を詠むんだ?小林一茶一茶のおやじのハゲ頭。
小林一茶はハゲなのか?小林先生がハゲなの。
そうか。
あなた…これこの間撮ったんです。
(守綱)おお!それと…これ…。
出征の時は写真をお渡しするのも考えつかなくて…。
お父様ご不浄はどこ?あっちの奥だよ。
行ってくる。
徹子は両親を2人っきりにしてあげなければと突然思ったのでした
朝はバイオリンを弾かなくなった守綱の指を見つめながらこの長い指に魅せられた若き日を思い出していました
(守綱)この2枚を腹に巻いていれば弾には当たらないな。
ええ絶対に…。
(すすり泣き)泣きたければ泣けばいいし笑いたければ笑えばいいよ。
それが人間だしその喜怒哀楽を表現するのが芸術だ。
どんな時代になろうとも朝は芸術家の妻だろ?やっと守綱さんらしくなった。
あっ…ああ…。
失礼します。
自分の弟は帝都交響楽団の団員でした。
黒柳の隊は今夜2300品川発の汽車で出発します。
えっ…。
品川駅にいらっしゃればもう一度お会いになる事が出来ると思います。
お父様外地に行っちゃうの?ここで待ってて。
うん…。
すいません…。
黒柳二等兵!
「品川の駅で日の丸の扇子を振って合図をする」と朝は守綱に伝えていました
守綱はそれがわかったら指揮棒を振るように手を動かす事になっていました
灯火管制で駅の構内は暗く隣のホームさえも見えません
ここは駄目だわ。
いらっしゃい。
うん。
(兵士)隊列止まれ!とりあえず扇子を振りましょう。
うん。
あっ…あ…あそこ!よくわからないけどそうかもしれないわ。
お父様!あの方をお父様と思いましょう。
うん。
お父様〜!ああ…汽車に乗っちゃった。
ご無事で…。
暗闇の中汽車は兵隊を乗せて走り去っていきました
絶対にあの人がお父様だったわよね。
そうね信じましょ!うん。
こんなふうに手を振ってたもん。
あっ…。
あっあっ…。
キャー!お…お母様!お母様!お母様!徹子?徹子か!?
(守綱)徹子か!?どこだ?トット助!ここよ!お父様ここ!大丈夫か?
(泣き声)ドブに落ちるのが得意だな。
会えてよかった。
お母様は?
(泣き声)あなた…。
よく来たな。
どうぞご無事で…。
ご無事でね。
うん。
行かないと。
はい。
一番前で扇子を振ります。
見つけてください。
わかった。
行くわよ早く!すみません…すみませんごめんなさい。
お父様〜!お父様〜!お父様〜!お父様〜!
(兵士)全体歩け!お父様〜!
(空襲警報)トット!トット!徹子!はい起きなさい!
年が明けると毎夜のように東京大阪名古屋などの市街地がB−29によって爆撃されるようになりました
(空襲警報)
春が近づく頃にはトモエ学園の生徒もみんな疎開をして東京を去り生徒は半分以下に減りました
(菊池幸司)僕も来週田舎に行くんだ。
えっ…。
もう鉛筆削ってもらえないな。
田舎ってどこ?岐阜。
お母さんのふるさとなんだ。
岐阜…?岐阜ってどっち?西のほうだからあっち。
あっち…。
先生が発表するまで言うなよ。
…うん。
君はずっと東京にいるの?わかんない。
一緒に疎開出来たらいいのにな。
えっ…。
(幸司)だって岐阜には友達いないしさ。
大丈夫よ幸ちゃんなら。
何が大丈夫なんだよ?お父様とお母様も一緒なんでしょ?でも友達はいないし。
幸ちゃんと私お友達だったんだ。
友達じゃなかったらなんだよ。
お別れに鉛筆1本ちょうだい。
(幸司)うん。
君が削って短くなったやつ。
ありがとう。
元気でね。
まだ今週はいるからさ。
あっそうよね。
生きてたらまた今度会う時は物理学者になってるよ。
生きててね。
君も。
「君も一緒に疎開出来たらいいのにな」という幸司の言葉で徹子はおなかがすいている事も毎晩空襲で眠い事も今日は風が強い事も忘れてしまいました
(三輪康子)何書いてるの?
(古村正義)透明人間。
空襲は毎夜の出来事となっていましたがこの日は様子が違いました
外見てくる。
えっ…ちょっといけません!お母様手相が見えるくらい明るい。
きっと大岡山の辺りがやられてるんだわ。
大丈夫よ。
夜の火事は近く見えるけどもっと遠くよ。
昭和20年3月10日の未明東京の空に現れたおよそ300機のB−29による大空襲で約10万人が命を失い26万8000戸を超える家屋が全焼しました
(男性)黒柳さん!はい!男子はエンピを持って集まれって内務省の命令です。
うちは主人が出征していまして男子はいないんですけれど。
じゃあエンピだけ貸してください。
わかりました。
少々お待ちください。
エンピを何に使うんでしょうか?もう防空壕はみんな掘ってますし…。
昨日の空襲で下町のほうがだいぶやられたそうです。
遺体処理が追いつかないというのでこれから行ってきます。
お借りします。
じゃあ…。
もう東京は危ないわ。
疎開しましょう。
西のほう?西のほうに知り合いはいないわ。
どこに行ったらいいのかしら。
北海道は遠すぎるし…海を渡るのは危険すぎるし…。
そうだ!青森はどうかしら?青森?リンゴのおじさんのとこだ!
(佐々木伸夫)おめだのかっちゃは面っこもいいばって書ぐ字もなんぼきれがだだんだばぁ〜。
その夜朝は青森のリンゴのおじさんにきれいな字で手紙を書きました
青森の知り合いに世話になる事に致しました。
小林先生のご恩生涯忘れません。
大きくなったらこの学校の先生になる。
2017/10/26(木) 12:30〜12:50
ABCテレビ1
トットちゃん! #19[解][字]
辛く困難な時代を明るく前だけを向いて駆け抜けた、黒柳徹子とその家族の激動の昭和史を笑いと涙で描く!「窓ぎわのトットちゃん」の時代から国境を越えた恋まで初映像化!
詳細情報
◇番組内容
昭和19年4月。戦況は悪化の一途をたどり、そんな中、黒柳家にも次々と苦難が押し寄せる。徹子(豊嶋花)の弟・明児と犬のロッキーを、相次いで失ってしまったのだ。悲しみも癒えぬ中、ついに父・守綱(山本耕史)に召集令状が届く。別れの日、夜行汽車で外地へ出発すると知った母・朝(松下奈緒)と徹子は、守綱を見送ろうと真っ暗な品川駅へ向かうが…?そして、東京への空襲が激しさを増し危険を察した朝は、ある決心をする!
◇出演者
清野菜名、松下奈緒、山本耕史
豊嶋花(子役)
◇原案
黒柳徹子
◇脚本
大石静
◇演出
星田良子
◇主題歌
福山雅治『トモエ学園』(アミューズ/ユニバーサルJ)
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎(テレビ朝日)
【プロデューサー】服部宣之(テレビ朝日)、角田正子(クリエーターズマネジメント)、菊地裕幸(クリエーターズマネジメント)
【協力プロデューサー】田原敦子(テレビ朝日)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/totto/
☆Twitter
https://twitter.com/totto_tvasahi
☆Instagram
https://www.instagram.com/totto_tvasahi/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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