歴史ある高級温泉保養地ヴィースバーデン
温泉大国ドイツのなかでもバーデンバーデンに並ぶ高級温泉保養地として知られるヴィースバーデンは、ドイツ歴史古都連盟にも名を連ねる美しい街。2000年も前にローマ人が利用していたという歴史があり、20世紀初頭にできた豪華なグランドホテルが立ち並ぶ中心街や「億万長者の丘」とも呼ばれるロシア王族のヴィラ界隈など、街全体が優雅でセレブな雰囲気を放っています。街の64パーセントが緑という「都会のオアシス」は、隣町フランクフルトで働くお金持ちのベッドタウンとしても人気。意外かもしれませんが、ヘッセン州の州都も大都会フランクフルトではなくここヴィースバーデンなんです。今回は観光スポットからおみやげ、穴場のグルメにワイナリーめぐりまで、知る人ぞ知るヴィースバーデンの楽しみ方をご紹介します。
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ヴィースバーデンへのアクセス
フランクフルトから私鉄VIAで35分またはSバーンで45分ヴィースバーデンの温泉は皇帝級
ヴィースバーデンに行ったらやはり極上の温泉を一度は体験してみたいもの。街には27か所もの源泉があるといわれていますが、なかでも街を代表する温泉が「カイザー・フリードリヒ・テルメ」です。1913年に建てられたユーゲントシュティール様式(アールヌーヴォー)の建物はカイザー(皇帝)の名にふさわしい威風堂々とした美しさ。中心街のショッピングエリアのなかにあって観光客でも気軽に利用しやすい施設です。■Kaiser Friedlich Therme
せっかくならホテルも温泉付きを選んで温泉三昧してみるのもいいですね。ガイドは街で最古の温泉ホテルという「Hotel Schwarzer Bock」に宿泊したのですが、趣もありつつ、サウナなど設備充実のテルメが併設されていて、立地も抜群。よりどりみどりの朝食もすばらしいものでした。
■Hotel Schwarzer Bock/Radisson Blu
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ヴィースバーデンの観光スポット
温泉とならぶヴィースバーデンのシンボルが、約75000平方メートルもある公園クアパークの中に鎮座する豪華な「クアハウス」。長年にわたって世界中の貴族やセレブを迎え入れてきたこの社交場の常連客の一人だったのが、かの有名なロシアの作家フョードル・ドストエフスキー。ヴィースバーデンのカジノで財産を失ったドストエフスキーは、後に世界的に有名になった小説『賭博師』を執筆。クアハウスのなかにはドストエフスキーに捧げられたサロンがあります。■Kuahaus Wiesbaden
「金の玉ねぎ」と呼ばれる屋根が特徴的なロシア教会やオペル浴場のあるネロベルクの山もヴィースバーデンの見どころのひとつ。ドイツで唯一残る水力で動く登山列車、「ネロベルク登山鉄道」に乗ってみるのも良い思い出になりそうですね。
■Nerobergbahn
ヴィースバーデンのグルメとおみやげ
ヴィースバーデンは世界中からセレブが集まる街だけに上質のレストランが多く、ワインの名産地ラインガウに隣接しているのでワインの品揃えも充実しています。土地のワインとともにおいしい料理がいただけるアットホームなお店はないかしら、と探してみつけた「ボベシェンケルシェ」が大当たり! 1860年から続く家族経営のレストランには昔から変わらない名物メニューがたくさん。日本だと4人分に匹敵するほど巨大なハンバーグ「ボべ風ブーレット」や、シンプルなのにハッとするほどおいしいサラダなど、地産の新鮮素材を使ってつくられる家庭料理に舌鼓を打ちました。
■Bobbeschänkelche
ショッピングエリアのまんなかにある「マルダーナー」は街で最古のカフェ。インテリアもメイド服姿のスタッフも、古き良き時代のウィーンのコーヒーハウスのような店内に、ドイツ風のボリューミーなトルテからフランス風のプチケーキ、マカロンまで見目麗しいスイーツがずらりと並んでいます。いつも混んでいる人気店なので空席があればラッキー。
■Maldaner(※音が出ます)
赤いひさしと創業1898年の文字が目を引く「クンダー」は、街一番と評判のコンディトライ。クッキーとチョコレートの中にパイナップルジャムが入った名物お菓子「アナナストルチェン」や、種類豊富なシュトレン、チョコレートなどお土産にしたいお菓子がよりどりみどりです。
■Kunder
ラインガウの名ワイナリーめぐり
ワイン好きにおすすめしたいのがワイナリーめぐり。ヴィースバーデン近郊にはリースリングワインの最高峰とされる名産地、ラインガウが広がっているのでぜひ足をのばしてみてください。今回はワインに詳しい現地ガイドさんおすすめの3大ワイナリーを案内していただきました。1136年に建てられたエーバーバッハ修道院が所有するヘッセン州立ワイナリー「エーバーバッハ」。有名な葡萄畑シュタインベルク畑では、訪問客のために異なる品種の葡萄が並べて植えられていて、実際に見たり食べたりという貴重な体験ができます。
■Hessische Staatsweingüter GMBH Kloster Eberbach
世界で初めてリースリング種の葡萄を植え、シュペトレーゼ(遅摘み)ワインをつくったとされる「シュロス・ヨハニスベルク」は、お城ならではの優雅な雰囲気のワイナリー。ここのワインは品質や畑などからランクが4つに色分けされていて選びやすいです。ライン川と葡萄畑が織りなす絶景も見どころ。
■Schloss Johannisberg
カビネットワイン「Cabinet-Keller」の誕生から2016年で300年記念をむかえた「シュロス・フォルラーツ」。当ワイナリーの代名詞ともいえるカビネットは、アルコール分がやや低く、フレッシュなのに味わい深いワイン。花々に囲まれた美しい庭や池がある広い敷地内のお散歩も楽しめます。
■Schloss Vollrads
取材協力:ドイツ歴史古都連盟 ヴィースバーデン観光局