rothes_vitage_今回はスペイサイドモルトの中から、ザ・グレンロセスを飲んでみます。

グレンロセスは、スペイ川の支流の一つ、ロセス川流域にある蒸溜所です。この周辺にもスペイバーン、グレンスペイ、グレングラントといった蒸溜所が存在しています。

1878年に操業したこの蒸溜所は、ブレンデッドウイスキーのキーモルトとして使われることが多く、有名どころではカティサーク、フェイマスグラウスがあります。

シングルモルトのボトルは丸っこい独特の形状を持っています。
グレンロセスのシングルモルトのもう一つの特徴として、一般的なウイスキーのように熟成年数表記ではなく、樽に貯蔵した年を表記する点も挙げられます。
2017年時点での現行品としては、1998、1995、1991、1978があります。

そのほかに、ノンエイジとして単一種の樽のみの原酒で構成されたボトルもあり、ピーテッドカスク・リザーブ、バーボンカスク・リザーブ、シェリーカスク・リザーブがあります。

今回飲むヴィンテージリザーブは、1999~2007年に貯蔵された10種類の原酒で構成されたボトルで、特定の年数、樽にこだわらないものになっています。

ではストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は少し淡い琥珀色、香りはリンゴとブドウ、ハチミツが鼻をくすぐります。

口に含むと、先にリンゴの香りが口に広がります。後からブドウ、そしてハチミツの甘い香りが追いかけます。
味わいは若い原酒からの辛さがあるものの、多少の酸味が訪れ、後に甘みを感じ取れます。

ロックにすると、ラムレーズンの香りが先に口に広がってきます。ストレートで感じられたリンゴはどこかへ消えてしまい、多少のウッディ、スモーキーさが奥からやってきます。
味わいは酸味がメインで、後からビターが感じ取れます。

最後にハイボールにすると、ラムレーズンが先にやってきますが、その次にリンゴも感じ取れるようになります。
味わいは酸味がほんのり訪れ、甘さも奥より感じられます。

スペイサイドモルトというと、比較的爽やかなフルーツを感じられるものが多いですが、グレンロセスは熟したリンゴが少々ズシリと来る印象で、独特の個性を得られます。
この個性があるからこそ、ブレンデッドウイスキーの特徴を与えられるバイプレイヤーであり続けられるのかもしれません。

700mL、アルコール度数40度、価格は4800円ほど。

なお、このボトルの後継として、2016年にヴィンテージリザーブ12がリリースされました。
こちらは使用する原酒は12種類となり、熟成年数も最低でも12年となっています。

<個人的評価>

  • 香り B: ストレートでは熟したリンゴとブドウが感じられる。加水でラムレーズンが前に来る。
  • 味わい C: ストレートでは若い原酒からの辛みがあるが、加水で酸味主体になる。
  • 総評 B: スペイサイドモルトはどれも同じ、と思う人は試す価値あり。