中国の仮想通貨取引所大手、続々と日本や香港へ-規制受け活路探る

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Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg
  • 中国本土で取引所の取引などが規制されたことで近隣国・地域へ
  • 少なくとも19社が日本でのライセンスを申請中

中国の大手仮想通貨取引所はおとなしく引き下がっているだけではないようだ。

  中国本土でオンライン取引所での取引やコインオファリングが規制されたことを受け、OKコインやバイナンス・ドット・コムなど、取引とウォレットサービスを運営する中国の仮想通貨取引所は、より事業環境の良いアジアの近隣国・地域に活路を見いだそうとしている。これらの取引所は単独で、あるいは提携相手を通じて日本で事業ライセンスを申請しているほか、香港では取引所を介さない店頭業務の拠点を開設。シンガポールと韓国でも事業運営の土台づくりを進めている。

  世界最大のデジタル通貨市場である中国本土で一時圧倒的シェアを握ったこうした取引所が自国市場から追い出された現在、代替投資への需要が強い投資家の支持を得られると見込んで近隣国・地域に攻勢を掛けている。本土外への進出はリスクヘッジや新規顧客の獲得につながる可能性がある。

  OKコインが支援するOKExの金融市場ディレクター、レニックス・ライ氏(香港在勤)は「中国は暗号通貨(仮想通貨)市場で大きなシェアを占めていたので需要はあると考えている。われわれは中国の最大手クラスの取引所の一つだったので、世界的に競争できるチャンスが十分あると思う」と述べた。

  多くの仮想通貨取引所にとって、自分たちに有利な政策を採用している日本は安全な避難先として存在感を高めている。金融庁は9月の1カ月で仮想通貨交換業者11社を登録。日本の業者BTCボックスなどは既に幅広い中国人の顧客基盤を持つ。金融庁がこうした業者に緊密に関与している状況は、マネーロンダリング(資金洗浄)根絶のほか、マウントゴックス破綻のような事態の再発を防ぐという意思の反映だ。こうしたことを背景に、日本は過去数週間で再び世界最大の仮想通貨市場となった。少なくとも19社が日本でのライセンスを申請中だ。

原題:China’s Cryptocurrency Barons Seek New Life in Japan, Hong Kong(抜粋)

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日産自、無資格検査は1979年から-第三者委調査で判明

Nissan Motor Co. Chief Executive Officer Hiroto Saikawa Interview
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日産自動車では無資格の作業員による国内向け車両の完成車検査が少なくとも1979年から行われていたことが、外部有識者などで構成された第三者委員会の調査で判明した。長期にわたり無資格検査が行われていたことで、今後製造担当部門が責任を問われる可能性があるという。

  調査結果が公表前であることから、関係者が匿名を条件に明らかにした。同委員会がまとめる報告書には、この事実が盛り込まれる見通しだという。日産自は、原因や再発防止策を盛り込んだこの報告書を、11月8日に予定されている4-9月期の決算発表前に国土交通省に提出することを予定している。

  日産自だけでなく神戸製鋼所などでも製品の品質に疑念を生じさせる不祥事が相次いだことで、ものづくり大国として自らを鼓舞してきた国内製造業への信頼を揺るがす事態となっている。6月にはエアバッグの不具合が大規模なリコールにつながったことからタカタが経営破綻したほか、昨年には燃費の数値を巡る三菱自動車やスズキの不正行為も明るみに出ている。

  日産自の広報担当者は第三者委員会が現在原因究明の調査を実施しており、調査結果については適切な時期に発表するとしている。無資検査が行われていた期間については言及を控えた。

  日産自は9月29日に無資格者が一部工場で完成検査を行っていたと発表。その再発防止策を進めていたさなかに、子会社日産車体の湘南工場で同様の問題が発覚。神奈川や栃木、九州にある工場でも無資格者が検査していたことが新たに分かったと19日に公表。これを踏まえ、国内のすべての工場で国内向けの出荷を約2週間停止し、検査態勢の見直しを図ると発表した。

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