男子生徒が自殺した福井県池田町池田中=同町稲荷

 福井県池田町池田中で今年3月、男子生徒が自殺した問題で、第三者による調査委員会の聞き取りに対し、男子生徒を繰り返し叱責した担任が「いろんな人に相談すればよかった、今まで教員をしてきて過信していた」などと反省の言葉を述べていたことが、調査委の報告書全文から分かった。

 大声で叱る担任の指導は他の教職員も認識しており、平井浩一教頭らが複数回にわたって注意、助言していた。ただ、学校全体では共有されず、指導の改善には結び付かなかった。報告書では、担任、副担任の指導方法や管理職の監督責任を厳しく問うとともに、他の教員の対応も適切でなかったと指摘している。

 福井新聞が入手した報告書全文の写しによると、今年2月ごろに当時の教務主任が担任に対し、「正しいことであっても、男子生徒には伝わらない」と伝え、指導方法を考えるよう促した。担任は「分かっていて、手加減している」などと答えた。

 さらに、時期は不明だが、他の教員から「そんなに強い口調で言わないといけないのか」と聞かれ、担任は「それだけ言わないと分からない」と答えた。平井教頭も叱責した後に生徒をフォローするよう注意していた。

 担任は調査委の聞き取りに対し、「自分一人でやってしまうところがあり、男子生徒についても指導すればできると判断していたが、結果的にはできていなかった」とも述べたという。

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