いいビルの世界 東京ハンサム・イースト

名も知らぬ素敵な古いビルが、こんなにたくさん!

こんにちは、箱庭編集部 moです。
今回は、建物好きのみなさん、昭和レトロなものが好きなみなさんにオススメしたい1冊を見つけたのでご紹介したいと思います。

その名も「いいビルの世界 東京ハンサム・イースト」。ハンサム・イーストって??とまず気になるタイトルですが、本書は東京のビルを2冊に分けて紹介する企画の第1弾で、主に東京の東と北(右半分)のいいビルを集めた1冊となっています。

そしてもうひとつ気になる“いいビル”の定義ですが、最新のビルではない、高度経済成長期以前の味わいのある古いビルのことなんだとか。そのいいビルを求めて、東京在住在勤の8人が、数年かけて問屋街・繁華街・金融街・住宅街へ繰り出し、探し出した、ほぼ無名だけどいいビル・マンション500選がぎゅっと詰まった1冊となっているんです。早速内容を見ていきましょう!

この本が教えてくれる、いいビルの楽しみ方。

いいビルの世界 東京ハンサム・イースト
まず導入で、いいビルの楽しみ方が紹介されています。“ビルだまりを見つけよう”、“味のある建物を外から楽しもう”といった内容が可愛らしいイラストで描かれているんです。このページをみるだけでなんとなく古くていいビルを探しに行きたくなってきました…!

エリアごとに特徴を楽しめる、いいビルの世界。

いいビルの世界 東京ハンサム・イースト
エリアごとのいいビルの紹介は、「蔵前~馬喰町」からはじまります。それぞれのエリアにはどんなビルがあって、どういう特徴を持つのかなどが、詳しく説明されています。“服飾業界の珠玉のビルたち”など、それぞれのエリアにキャッチコピーがつけられていて、それも面白い!

いいビルの世界 東京ハンサム・イースト
こちらは、「合羽橋~浅草」エリアです。“ピリッと小技の効いたビル”とキャッチコピーが、目を引きます。どこに小技が…?と、思わずまじまじと見入ってしまいました。同じ年代のビルでもそれぞれ本当にいろいろな個性があるのは、すごく興味深いです!

いいビルの世界 東京ハンサム・イースト
ビルの紹介なので、全体的に外観の写真が中心ですが、1/3くらいはタイル/エントランス/取っ手/バルコニーなど、作られた当時の質感やデザインを楽しめるようになっています。現代の最新のビルではなかなか見ない形の手すりや照明など、なんでこんな形なんだろう?とワクワクしながら読み進めることができますよ。外観とはイメージがちがう!と思うような内装もちらほら。自分も街中でいいビルを見つけたら、外観だけでは飽き足らずに内部へ潜入したくなってしまいそう!

いいビルは、マテリアルもたのしい。

本書では “ビル外観をいろどるもの”として、外観以外のビル鑑賞ポイントも紹介されています。面格子、壁画、タイル、窓、エントランスや階段など、今ではなかなかみることのないレトロで美しいデザインを楽しむことができます。

いいビルの世界 東京ハンサム・イースト
こちらは、装飾としての面格子が紹介されたページ。もともと防犯のためにつくられた面格子ですが、単純な図案から複雑なモチーフまで、さまざまな美しい装飾となってビルに華を添えています。

いいビルの世界 東京ハンサム・イースト
釉薬たっぷりの陶磁器質タイルも、いいビルならでは。数十年たっても美しくあり続けるタイルの色やデザインに、思わずうっとりしてしまいそう!東京の東エリアだけで、こんなにも色々な種類のタイルがあるなんで、自分でも探してみたくなります。

最後までおもしろい。東京ビルさんぽメンバーの“ビルと視点”

いいビルの世界 東京ハンサム・イースト
本書の最後のコンテンツは、“ビルと視点”です。著者である東京ビルさんぽのメンバー4人のユニークな視点が、様々なビルの写真とともに紹介されています。どんな視点かというと、ビルを40年以上守り続けている送水口のまとめだったり、70年代の漫画に出てくるいいビルだったり。ビルについて、こんなことまで考えたことなかった!と改めて気付くことばかりでした!

とにかくいいビルに対して貪欲に追求してまとめた、この1冊。なんだか近所のいいビルが気になってしまうこと間違いなしです。そして1冊読んでみると、なんで“ハンサム”なのかもわかるはず!気になった方はぜひ一度読んでみてくださいね。