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敷島の大和心を人問わ(は)ば 朝日ににおう (ふ) 山桜花(本居宣長)。日本は天皇を国家最高権威とし、民を「おほみたから」とする「シラス国」です。


権力と責任とオーナーと

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古事記を学ぶということは、万年の単位で育成された人類の英知を学ぶことになるのだということができます。
それを単なる荒唐無稽な根拠のないおとぎ話としてしか理解しないのではあまりにもったいない。


20171026 大企業
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12月16日(土)18:30 第46回 倭塾 公開講座
12月23日(土)18:30 第21回 百人一首塾
1月6日(土)13:00 第47回 倭塾 公開講座
1月20日(土)18:00 第22回 百人一首塾
 *****


創業社長が引退して、息子さんなどに社長を譲るということは、一般によくあることです。
このとき絶対にしてはいけないことが、株式の譲渡など、会社のオーナーとしての、言い換えると会社は誰のものかという会社の中心点の譲渡です。

社長としての権限は譲ってもかまわないのです。
権限(権力)は、当然に責任が付いて回ります。
会社経営に関する一切の責任は、譲渡する。
当然に息子さんは社長としての責任を負担することになります。

このとき創業社長が、息子さんが可愛いからと、一緒に株式など会社の所有まで譲り渡すと、とんでもないことになります。
これは、会社の社長を銀行からの派遣者に渡す場合も同じです。

なぜそのようなことを言うかというと、そのことが古事記に国家運営の知恵として書いてあるからです。
高天原に危機が訪れたとき、天照大御神が天の石屋戸にお隠れになり、このときに生まれたのが八百万の神々による会議です。
これが「我が国最初の国会」です。

ちなみにその「我が国最初の国会」は、同時に天宇受売の舞いなども行われる宴席でもありました。
つまり「我が国最初の国会」は、直後に「我が国最初の大宴会」が行なわれた会議でもあったわけです。

そのときの高天原は大変な状態です。
なにしろ天照大御神(太陽)が岩屋戸に隠れていて出てこないのです。
古事記はそのためにあらゆる悪鬼悪神がはびこり、まるで狭いところにたくさんのハエが飛び回っているかのように騒々しかったと描写しています。





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古事記3の一部



そんな中で行なわれた会議は、まさに重要案件を審議する会議です。
けれどそれだけ重要なことを話し合い、相談し、何らかの意思決定を行うに際して、八百万の神々たちは、宴を開いているわけです。
国会、会議、役員会、部長会、町内会、名前や段階は様々でしょうけれど、こうして何をやるに際しても、みんなの気持ちをひとつにしていくことを、古事記はとても重要なこととして記しています。

そういえば幕末に日本にやってきた外国人たちは、日本人の宴会好きに驚いています。
会議の後には、まず一杯。
すくなくとも、蕎麦屋じゃあるまいし、毎日毎日モリカケ、モリカケと大騒ぎして対立ばかりしているいまの日本の国会では、これはおよそ考えられないことです。

ついでに申し上げると、企業への交際費課税は、まさに悪法このうえもないものと思います。
日本経済活性化の要点のひとつは、企業交際費、自治体の交際の大幅緩和にあります。
商店街は、後背地に飲み屋街を抱えてこそ繁栄するのです。
全国の商店街の活性化のためにも、繁華街の活性化のためにも、そこは日本的伝統に従って、もっとゆるくてしかるべきものと思います。

さて、話が脱線しました。
この八百万の神々の会議のあと、天照大御神には岩屋戸からお出ましいただくのですが、この岩戸開きの前と後では、高天原の統治体制は大きく変わります。
岩戸開き以前は、高天原におけるすべての意思決定は、天照大御神による決定です。
岩戸開き以後は、その決定が、八百万の神々によって行われ、また決定事項の実行もまた、八百万の神々によって行われる体制になりました。

では、あらゆる権限を八百万の神々に、つまり国会に与えたから、天照大御神は不在でもよくなったのかといえば、それは違います。
意思決定は、八百万の神々が責任をもって行いますが、その実施にあたっては、常に天照大御神の認証が必要となりました。

たとえば、Aさんが営業部長が営業部長としての権限を行使するためには、Aさんが人事部長であるということについての人事の発令が不可欠です。
それがなくては、いくら能力があっても、部長としての権限の行使はできません。
ただし、その営業部長が何らかの行動を行うためには、そこは営業部長の所有する会社ではないのですから、会社の承認が必要です。
そしてその会社の承認というのは、すなわち社長の承認です。

この場合、会社(もしくは社長)は承認者(認証者)という立場です。
これが「権威」です。
権力の行使に際しては、常に「権威」による認証が必要なのです。

これと同じことが、 創業社長の引退時の冒頭の話です。
創業社長は会社の最高権威者としての地位を息子さんに譲るわけですが、この場合、譲ったのは権威という地位であって、オーナーとしての立場まで譲ってはならない。
もしこれを譲れば、会社には社長という権威と、前社長という権威と、二つの相反する権威が生まれてしまいます。
そしてほんらいひとつであるものが二つになれば、からなず起きるのが対立と闘争です。

これを防ぐためには、会社のオーナーとしての地位を譲らないこと。
天照大御神は、この世における最高神ですが、この世をつくられたのは、天之御中主之神をはじめとした創生の神々です。
そして天照大御神は、その創世の神々のみことのままに、創生の神々と唯一つながり高天原をはじめとしたこの世の最高権威となられておいでになります。

つまり、この世の最高権威の上に、万物創生の神々がおいでになるわけです。
万物創生の神々は、どこまでもオーナーとしての立場です。
その万物創生のプログラムの範囲内で、最高神が天照大御神です。
そして天照大御神の権威のもとに、八百万の神々の会議による統治があるというのが、古事記の考え方です。
こうした理屈をちゃんと組み立ててきたから、日本には創業千年以上の会社があるのです。

創業時には、オーナーと最高神と八百万の神々の役割全部を社長がこなします。

会社が大きくなってくると、はじめに最高神の役割と役員会(八百万の神々の会議)の役割が分離します。
つまり権威と権力が分離します。
役員会命令というものは、ほとんどの企業にはないはずです。
役員会は意思決定機関であり、役員は決定事項の実行責任者ですが、その決定事項は常に権威者である社長名で社内に発令されるものです。

決定事項に関する実行権と実行責任は誰が負担するかといえば、役員が負担します。
実行できなければ社内的には役員はクビになりますが、社長がクビになることはありません。
なぜなら社長は権威だからです。
この点を履き違えて、役員会や部長会があるのに社長が実行者となれば、会社は社長の私物と同じことになり、会社の組織が乱れ、会社は単なる社長の私物になります。

創業社長が会長となり、社長を息子さんや他の誰かに譲った場合、会長は会社のオーナーの立場になります。
この立場は、古事記で言ったら、創生の神々の立場と同じです。
会長が創生の神の立場、社長が天照大御神の立場、役員会が八百万の神々の会議です。
こうした地位に基づくオーナーと権威と権限の分離を、きちんと図ってきたから日本の企業は世界の企業と比べて社歴が圧倒的に長いのです。

現在の経営規模だけ言ったら、China企業はものすごいです。
従業員数25万人とか普通にあります。
けれどその内幕は収奪型のウシハク企業です。
トップは、我々には想像もつかないような大金持ちとなり、その大金持ちが、自己の都合に合うように、政治を動かして、世界の正義を壟断します。

しかしそうした超大型の私的企業は、おそらく歴史上もChinaにはいくらもあったのでしょうけれど、ながもちした会社はありません。
なぜならChinaでは、つねにオーナーと権威と権力がセットだからです。
権威と権力を併せ持つトップが、その豊富な資金力にものを言わせていられる間は良いのです。
しかし必ずそこに歪みが生まれます。
その歪は、年々深く大きくなり、数十年後には組織そのものが分裂し、崩壊していきます。

古事記には、日本の神話の時代から綿々と続く叡智が詰まっています。
その叡智は、我が国の縄文時代から続く1万年以上もの歴史に裏打ちされた知恵です。
ですから私たちが古事記を学ぶということは、万年の単位で育成された人類の英知を学ぶことになるのだということができます。
それを単なる荒唐無稽な根拠のないおとぎ話としてしか理解しないことは、実にもったいないことです。

お読みいただき、ありがとうございました。

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20160810 目からウロコの日本の歴史


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小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず

Author:小名木善行(おなぎぜんこう) HN:ねず
連絡先: nezu3344@gmail.com
執筆活動を中心に、私塾である「倭塾」、「百人一首塾」を運営。
またインターネット上でブログ「ねずさんのひとりごと」を毎日配信。他に「ねずさんのメールマガジン」を発行している。
動画では、CGSで「ねずさんのふたりごと」や「Hirameki.TV」に出演して「奇跡の将軍樋口季一郎」、「古事記から読み解く経営の真髄」などを発表し、またDVDでは「ねずさんの目からウロコの日本の歴史」、「正しい歴史に学ぶすばらしい国日本」などが発売配布されている。
小名木善行事務所 所長
倭塾 塾長。

日本の心を伝える会代表
日本史検定講座講師&教務。
(著書)

『ねずさんの昔も今もすごいぞ日本人』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!和と結いの心と対等意識』

『ねずさんの 昔も今もすごいぞ日本人!日本はなぜ戦ったのか』

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私は、相手に対する尊敬の念を持たず、互譲の精神も、相手から学ぼうとする姿勢も持ち合わせない議論は、単なる空論でしかなく、簡単に言ってしまえば、単なる揶揄、いいがかりに他ならないものであると断じます。

ましてや、自分で質問を発したものについて、それぞれお忙しい皆様が、時間を割いて丁寧にご回答くださった者に対し、見下したような論調で応対するならば、それは他のコメントされる皆様、あるいは、それをお読みになる皆様にとって、非常に不愉快極まりないものとなります。

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