たぱぞうの米国株投資

米国株投資で人生の選択肢を増やすという提案です。某投資顧問のアドバイザーをしています。

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米国バンガード生活必需品ETF【VDC】ディフェンシブ銘柄の集合体

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米国バンガード生活必需品ETF【VDC】はこれまで最高の成績

 VDCは米国生活必需品セクターETFと言います。「MSCI USインベスタブル・マーケット・生活必需品25/50インデックス」への連動を目指しています。信託報酬は0.10%、安定の低信託報酬、バンガード社です。

 

 注目すべきはそのパフォーマンスの高さです。2004年の設定来、年率パフォーマンスは10.26%です。この5年間では12.78%という数字を出しています。これはセクターETFとしては非常に優秀な数字です。

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 生活必需品セクターは景気に左右されにくいセクターです。不況になってもスナック菓子は買われ、コカ・コーラは飲まれ、シャンプーは使われ・・・。日常的に安定して消費が続くのが生活必需品です。

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 しかも消費者は一度気に入って使い始めた日常の生活必需品を定期的に購入し続ける傾向があります。そのため、非常な安定感があります。これが生活必需品のブランド力ということになります。

 

 しかも直接肌に触れたり、口にしたりするため、消費者もそのブランド力を尊重します。聞いたことのない企業やブランドは特に先進国地域において好まれません。

 

 そういう意味では景気敏感株と言われる建機や金融などとは大きく異なる収益構造になります。

 

 ただ、懸念材料が全くないわけではありません。小売業のプライベートブランドや国別の地場企業の技術力や製品の質が上がってきており、価格の面で競争が激しくなってきていることは念頭に置いておきたいです。

 

 これは日本のような先進国ではずいぶん前から見られることですが、同じことが世界的に起き始めているということです。

 

 以前はブランド力と技術力に差がありすぎ、多国籍企業の製品と地場企業の製品は特に開発途上国においては完全な棲み分けがされていました。しかし、近年では開発途上国企業でも良い製品を出す生活必需品メーカーが出てきています。

 

 地場企業と多国籍の生活必需品企業との間で価格競争が生まれるということは、売上と利益が侵食されることを意味します。今までのような安定高成長がこれからも保証されるわけではないということです。

米国バンガード生活必需品ETF【VDC】の分配金とチャート

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2006年12月 取引値63ドル  分配金0.95ドル

2015年12月 取引値130ドル 分配金3.2ドル

2017年12月 取引値137ドル 分配金3.62ドル

 

 直近の分配金の利回りは2.63%になっています。2016年末が3%台だったことを考えると、かなり下がってきています。

 

 2014年までは年に1回の分配金でした。比較するために2015年は年間分配金で出しています。実に3倍以上の分配金になっています。また、取引値は2倍以上になっています。2017年は見込みです。

 

 2016年に入っても順調な右肩上がりを続け、取引値は140ドルを超えていました。しかし、2017年に入って、ややパフォーマンスが落ちています。これは、組み入れ1位のP&Gの不調が関係します。

 

 とはいえ、FANGに代表される情報通信や世界最強の軍事企業群などが目立つアメリカ企業ですが、消費者に近い生活必需品セクターでも非常な強みを持っていることがわかります。

米国バンガード生活必需品ETF【VDC】の構成銘柄企業群

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 構成銘柄は103銘柄です。2016年の98銘柄に比べると増えています。とはいえ、セクターETFということで、インデックスETFの何千という組み込み銘柄群と比べると少なさが際立ちます。

 

 バンガードのインデックスETFは組み込み銘柄数の多さに定評があります。

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2016年

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2017年

 P&G(PG)、フィリップモリス(PM)、ペプシコ(PEP)は私も持っています。他にもコカ・コーラ(KO)、アルトリアグループ(MO)、モンデリーズ(MDLZ)といった企業が並びます。

 

 アルトリアグループはフィリップモリスの米国内製造販売企業、モンデリーズはクラフトフーズの海外部門です。オレオ、ナビスコ、トライデントといったブランドを保有しています。これらの企業は元は同じフィリップモリスでした。

 

 CVSとウォルグリーンブーツはドラッグストアです。日本でもそうですが、アメリカでもドラッグストアはこの20年で急速に店舗数を増やしました。スーパーやコンビニとはまた違う商品群は消費者から広く支持されています。これは日本にいても実感できることです。

 

 ウォルマートは世界最大の小売業者です。日本では西友がウォルマートグループに属しています。コストコは日本でも会員制の大量仕入れ大量販売で広く支持されている小売業者です。

 

 小売業は既存企業同士の競争だけでなく、アマゾンのようなネット販売との競合もあり、栄枯盛衰の激しい世界です。しかし、ウォルマートとコストコはその規模の大きさと広く消費者から支持される価格競争力で同業他社とは一線を画した存在になっています。とはいえ、生活必需品セクターの中においては少々不安を感じる企業が店舗型小売企業群でしょう。

 米国バンガード生活必需品ETF【VDC】の産業サブグループ構成比率

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 産業グループ別の構成比率です。上位4グループの構成でおよそ7割を占めます。この中で魅力なのは家庭用品、清涼飲料、包装食品・肉です。比較的ワイドモートだからです。

 

 これらの構成比率が高いことがVDCのパフォーマンスを向上させています。例えば、タバコ企業は少ない設備投資で莫大な利益が上がる、強固な儲けのシステムを持っています。

 

 VDC、米国生活必需品セクターETFは過去チャート、配当、構成銘柄を見ても鉄板のETFということになります。ただ、組み入れトップのP&Gや店舗型小売業者の決算動向には注意が必要でしょう。

 

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