【10月26日 CNS】中国最大の外資系ファストフードの一つ、ケンタッキーフライドチキン(KFC)は21日、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)北京路に「広府文化(広州市と周辺の文化)」をテーマにした店舗をリニューアルオープンさせた。同店は、広東KFCと広州市越秀区(Yuexiu)文化発展促進会が共同で企画し、広州の著名画家やデザイナー、無形文化遺産保持者などと協力して何か月もかけて完成した。

 2017年は、KFCが中国に上陸して30周年。広東KFCは今年に入ってから、江門市(Jingmen)と仏山市(Foshan)にカンフーや陶磁器などをテーマにした店舗を開店している。

 中国国内でのファストフード業界の生き残り競争は近年し烈さを増している。KFCやマクドナルド(McDonald's)、徳克士(Dicos)といった人気店は続々と「現地化」を図っており、中華風の朝食セットなどのメニューを打ち出している。

 北京路の店舗では21日、無形文化遺産をテーマにしたイベントが行われた。広州で昔話を伝える「講古」の最年少伝承者・彭嘉志(Peng Jiazhi)さん、通草画と呼ばれる伝統絵画の伝承者・蘇昕(Su Xin)さんも登場。「新広州人」と呼ばれる省外からの出稼ぎ者の子どもたち20人が招待され、伝統文化の魅力を体験した。彭さんは独特の抑揚で、子どもたちに昔話を聞かせていた。

 店内の高さ3メートルの壁には、地元の昔ながらの生活の様子などが描かれている。無形文化遺産の民間工芸、切り絵の名人・李秀枝(Li Xiuzhi)さんが広東オペラ「粤劇」の装飾品、衣装、四季の花などを作り出し、壁に飾られた。

 広東省政府は今後、伝統文化の伝承と発展に力を入れていくという。越秀区政府は、北京路を中心に「最も広府文化の残る街で、最も広府文化を感じられる商店づくり」を目指すという。(c)CNS/JCM/AFPBB News