ブラック企業リスト2017を参考に転職先として避けるべき企業をチェック!
ブラック企業という言葉がニュースで取り上げられる機会も増えています。ブラック企業と聞いていいイメージを持つ人はいないと思いますし、出来ることなら就職先として選びたくないと考える人が多いのではないでしょうか。
就職したいと考えた企業がブラック企業なのかどうかを事前に知ることができれば、避けることが出来ます。今回は、ブラック企業の特徴とともに、企業選びの参考としても使えるブラック企業リストから分かること、注意すべき点を紹介します。
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ブラック企業の特徴とは?
ブラック企業にいいイメージが無いと書きましたが、そもそもブラック企業とはどのようなものなのでしょうか。それが分からないことには、避けることも出来ませんよね。いくつか代表的な特徴を見てみましょう。
年休が取れない
病気や私用で休みを取る場合には、”年休”や”有給”と呼ばれる年次有給休暇を使いますよね。出勤の期間によって違いはありますが、年次有給休暇の付与は労働基準法で決まっているため、年休のない企業というのは存在しないでしょう。
しかし、与えられた年休が使えるかどうかは企業によって違います。「年休って権利だから使おうと思えば使えるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。
特別に忙しい時期や、大切な商談のタイミングで年休を取得したいと言われると、雇用する側としても困りますよね。そのため、年休の取得時期を変更をしてもらう権利が企業側にも与えられています。
代わりの人材で埋めることが出来ずに、そこで休まれてはどうしても困る場合に限っての権利ですが、どこまで忙しければ変更が可能と明確に決まっているわけではないため悪用する企業もあるということです。
休みたいと思っても、「忙しいから今は年休取らないで」と言われてしまうと、その後働きにくくなることを恐れてしまい、年休を取ることをためらってしまう人も多いのではないでしょうか。また、年休の取得を直接断らないにしても、年休の取得を言い出しにくい雰囲気を作っている場合も同様です。
- 上司がいつも遅くまで残業している
- 上司や先輩が休みを全く取らない
- 評価に反映される可能性がある
のような状況では、よほどのことでない限り年休の取得を訴えることは出来なくなってしまいます。
正当に評価されない
半期や年度ごとにおこなわれる評価は、昇進や給与アップにも関係するため大切ですよね。それ以外にも、働くためのモチベーションを向上させるためにも大事な要因になります。日頃の成果や頑張りに対してねぎらう言葉があるだけでも、やる気が出ることがありますよね。
「若いうちの苦労は買ってでもせよ」ということわざもあるように、入社して間もないうちはそれほど休みも取らずに働こうと考える人もいるかもしれませんが、それは経験を積むとともに正しく評価をされることで、将来に繋がることが前提ですよね。誰もこき使われるだけでいいと考える人はいません。
もちろん、評価とは人がするものですから、すべて自分の想像通りの評価が得られるわけではありません。ときには自己評価と上司の評価に差があり、納得できないこともあるでしょう。それはある程度仕方のないことかもしれません。
しかし、ブラック企業の場合、そもそも正当に評価をする気がないことがあります。高い評価をすれば給与にも反映しなければなりません。そのため、どれだけの働きをしようが一定以上の評価をおこなわないことがあります。これでは、働くモチベーションは上がりませんよね。
残業代が出ない
残業代がないといっても、残業が一切なく定時で帰れるのであればいい企業ですよね。ブラック企業というからにはそんなわけはなく、「残業をしているにも関わらず、残業代が出ない」ことがあるのです。
働いたら給与がもらえるというのは当たり前の話ですよね。基本給で働く時間は決められているため、それ以上の時間働いてもらう場合には、残業代を支払う必要があります。
しかし、「50時間残業しているのに実際には20時間分の残業代しか支払われない」といった場合には、適切に残業代が支払われていないことになりますよね。もっとひどい場合には、何時間残業をしたとしても、まったく残業代が支払われないケースもあります。
記録に残っている勤務時間と残業代の支払いが合っていないことが分かると、指摘を受けたときに言い逃れが出来ないため、実際の勤務時間よりも少なく申請させることもあるようですが、当然これも違法です。
ブラック企業リスト2017
人気企業ランキングや初任給の高い企業ランキングのようにブラック企業もランキングやリスト形式でまとめられていれば、就職先や転職先を選ぶときに避けやすいと思いませんか。
そんな便利なものがあれば誰も苦労しないと思うかもしれませんが、実際には厚生労働省によって「ブラック企業リスト」が発表されています。
雑誌の特集やネットニュースならともかく、厚生労働省が作成しているというのは説得力がありますよね。
判断基準としては、
- 賃金の未払い
- 違法な長時間労働
- 安全を配慮していない労働環境
など、労働基準関係法令に違反した企業をリスト化したものです。それぞれの企業について、リストに掲載される根拠となった事案が書かれていますので参考になるはずです。
ブラック企業リストには有名企業も
就職サイトや転職サイトの情報を詳しく確認しなくても、誰もが知っているような大手企業であればブラック企業の心配はないだろうというのは大きな間違いです。全国展開している居酒屋チェーンなどがニュースになったのは有名な話ではないでしょうか。
実際にブラック企業リスト2017に掲載されている企業の中には、
- 電通
- ヤマト運輸
- 三菱電機
- パナソニックの関連会社
- エイチ・アイ・エス
などの有名企業が名前を連ねています。その他にも名前を聞いたことがある企業や、全国的には知られていなくても地元では誰もが知るほどの有名企業の名前もあります。
もちろん、有名企業であればあるほど、労働基準法などに違反した場合は大きく取り上げられるため、周知となることが多いのはたしかです。しかし、必ずしもニュースとして大々的に報道されるわけではありませんので、有名企業であれば大丈夫というのは間違った考え方だと言えるでしょう。
ブラック企業リストの注意点
厚生労働省が発表しているリストがあるのであれば、誰も迷わない気がしますよね。しかし、実際にはそういうわけにはいきません。そもそも、パナソニックや電通がブラック企業リストに載ったからといって就職希望者がゼロになるわけではありませんよね。
リストに載っていてもブラック企業とは限らない
労働基準関係法令に違反した企業がリストに掲載されているわけですから、そのことを判断基準とするのであれば、リストに載っている企業はすべてブラック企業ということになります。ですが、1つの事案によって掲載されたからといって、企業全体がそうだと言い切れるものでしょうか。
例えば、「勤務時間の記録と実際に支払われた賃金(残業代)が異なる」場合は企業全体の問題の可能性が高くなります。規模の大きい企業ほど、勤怠システムなどで管理しているはずですから気づかないはずがないからです。
しかし、残業時間を少なく申請するように部下に指示する上司がいた場合はどうでしょうか。部下の残業時間が増えることは、上司としての管理能力として悪い評価に繋がることもあるため、そのような上司がいてもおかしくはありません。この場合、企業全体というよりも、特定の上司や特定の部署に問題があると言えるのではないでしょうか。
もちろん、そういった不正をおこなう上司をチェックできる環境を作っていない企業全体の問題と言えなくもありませんが、何か1つの事案がおこっただけでブラック企業というレッテルを貼ってしまうのは少し可哀想な気もしますよね。
これは、就職や転職を希望する側も理解している人が多いのではないでしょうか。
- 工場の1つで安全に配慮されていないことがあったとしても自分が配属されるとは限らない
- 長時間の残業があったとしても特定の部署だけのこと
のように考えている人も多いため、ブラック企業リストに掲載されたとしても、その企業を希望する人がいなくならないのだと考えられますよね。
ブラック部署は分からない
たとえ、特定の部署だけであっても、不正をおこなうような部署がある企業は避けたいという考え方も間違いではありません。そのような人にとっては、厚生労働省から発表されたブラック企業リストに掲載されている企業を避ければいいため、有効に活用することが出来ます。
ただし、そこまですればブラック企業のような職場環境を避けられるかというそうではありません。すでに書いたように、特定の部署に限った状況ということがあるわけですが、そのすべてが明るみになっているわけではありません。
ブラック企業リストに載っていたり、口コミの悪い企業を避けたとしても、自分の配属される部署の環境がどうかというのは、その部署で働いている人に聞いてみないと分からない部分があるのです。口コミやブラック企業リストなどを参考にして、リスクを減らすことは大切なことですが、そればかり気にしすぎて選択肢を減らすのも問題かもしれません。
ブラック企業を見分けるには?
年休が取れない、残業代がないという代表的な特徴を聞くだけでも、ブラック企業は避けたいと思いますよね。では、ブラック企業かどうかを見分ける方法はあるのでしょうか。
就職サイトや転職サイト
就職活動をおこなう際に誰もがお世話になるのが就職サイトですよね。企業の採用情報だけでなく、その企業に入社したいと思う人の交流の場として「審査通過の連絡が来た」、「面接の日付決まった」のように就職活動の情報が書き込まれたりもしますが、先輩社員との交流もあります。
先輩社員からのメッセージとして働いている職場の状況や仕事のやりがいなどを紹介している場合もありますし、就職を希望する学生の質問に対する回答が掲載されている場合もあります。
実際に働いている人の声はブラック企業かどうかを判断するだけでなく、どのような職場環境なのかを知る上でも参考になりますよね。ただし、就職サイトという公の場への書き込みですから、先輩社員からのメッセージは企業にとって都合の悪い話は少ないかもしれません。働いている知人がいるのであれば、その知人からの意見が一番参考になるのは間違いないでしょう。
転職サイトでは掲載されている採用情報からも分かることがあります。それは募集内容です。転職による中途採用をおこなうということは、
- 退職者などの不足した人材を補う
- これから力を入れたい分野の人材を集める
といった目的が一般的ですよね。ということは、その人材が確保できたら募集は中止するはずではないでしょうか。
しかし、定期的にチェックしていると、常に募集を出している企業もあることが分かります。一度に全ての人材を面談出来るわけではないので、技術系や事務系のように対象とする職種を変えて募集をおこなうのはよくある話ですが、まったく募集内容を変えずに長い間おこなうというのは、「離職率が高いために常に募集しているのではないか?」と想像することが出来るのです。
もちろん、離職率が高いからと言ってブラック企業とは限りませんし、継続で募集している理由が「入社を希望する人が集まらないだけ」ということもありますので決めつけることは出来ませんが、1つの判断基準になるのではないでしょうか。
まとめ:ブラック企業を避ける手助けとしては活用できる
ブラック企業とは何か、見分けるにはどうしたらいいかについて紹介しました。何となくブラック企業は嫌だと思っていても、就職や転職先としてブラック企業を避ける方法については考えたことがなかったのではないでしょうか。
今回紹介した転職サイトの情報やブラック企業リストは、それだけで決めつけられるものではなく、注意するべきところもあります。しかし、判断材料の1つとしてブラック企業を見極めるための手助けとしてみてはいかがでしょうか。