1億5200万年前の魚竜化石を発掘 インドで初めて
インド西部のグジャラート州でこのほど、1億5200万年前の魚竜の化石が発掘された。インドで魚竜の化石が見つかるのは初めて。研究の成果は米科学雑誌「プロスワン」に掲載された。
絶滅した魚竜は水の中で生きていた爬虫類(はちゅうるい)。今回の化石は塩砂漠のカッチ大湿原で中生代の地層の石から見つかった。中生代は2億5200万年前から6600万年前にかけて続いた。
研究チームを率いたグントゥパリ・VR・プラサード教授によると、長さ5.5メートルの化石はほぼ完璧な状態で見つかった。頭蓋骨と尻尾の一部だけが失われていたという。
プラサード教授は、「インドで初めて見つかったジュラ紀の魚竜の記録だというだけでなく、インド・マダガスカル地域の魚竜の進化と多様性や、ジュラ紀におけるインドとほかの大陸との生物学的つながりの解明に役立つという点で特筆すべき発見だ」と語った。
インドとドイツの研究者で構成された研究チームによると、新たに発見された化石は、魚竜の一種。1億6500万年前から9000万年前に生きていた、オフタルモサウルスのものとみられる。
研究チームは発表文で、今回の化石の分析によって、1億5000万年前のインドと南アメリカとの間に海洋的なつながりがあったのかについて解明が進むかもしれないと述べた。
化石の歯の様子から、生息環境の中で食物連鎖の最上位にいたことがうかがえるという。
魚竜とは
- 「泳ぐ恐竜」だと間違われることが多いが、2億5100万年前から1億9900万年前にかけての三畳紀初期に初めて登場する。
- 「Ichthyosaurs(イクチオサウルス)」という名前は、「魚トカゲ」という意味だが、19世紀半ばから爬虫類に分類されている。
- 体長は1メートルから14メートルで、平均は2~3メートル。英中部ドンカスターの博物館に所蔵されている魚竜の化石は1.5メートルある。
- 鋭く丈夫な歯が特徴。
- 魚竜は恐竜が登場する以前の、1億4550万年前から6550万年前にかけて続いた白亜紀後期初頭に絶滅した。
(出典: Encyclopaedia of Paleontology)
(英語記事 Ichthyosaur fossil discovered for first time in India)