個人的な都合で7カ月もの「国会機能停止」が許されるのか
安倍政権のやりたい放題の政局運営に、最初のうちはいちいち腹を立て批判をぶつけていたのだけれども、5年近くもそういうことを繰り返しているうちに、こちらの感覚がいつの間にか麻痺させられて、少々のことでは驚かなくなってしまっているのではないか……。そう思って愕然とさせられる出来事が最近あって、それは、総選挙で望外の大勝を得た安倍晋三首相が「年内には臨時国会を召集しない方針に傾いている」というニュースに接した時である。
当初は「それはそうだろう。あれだけモリ・カケ疑惑追及を嫌っていたんだから当然だろうな」と見過ごそうとし、そこで辛うじて私の記者根性が働いた。「あれ? 待てよ」と。年内に臨時国会を開かないということは、次の本格的な国会論戦は来年1月の恐らく下旬の通常国会開会まで行われることがないということだ。
総選挙後には特別国会を開いて首班指名を受けなければならず、それは11月1日に召集されて同日中に組閣(といっても8月3日発足の現内閣の再任)が行われる予定だが、たぶんそれだけで実質的な審議はなく、同月5~7日のトランプ米大統領の来日、10日からのAPEC首脳会議、14日の東アジアサミットなどの外交日程へと流れていく。