10/18に伺いました♪
兼ねてから見学したいなぁと思っていて、6月に行われたCSM研修会場が
ヴァル研究所&憧れの新井さんが研修のサポートをされていて、勇気を出して伺うと
「いいですよ。 予定いっぱいで4,5ヶ月後になりますけど、大丈夫ですか?」
「全く問題ありません!!」(大丈夫ですか?という心遣いが嬉しい)
以下に見学ツアー歴史、新井さんの想いが載ってます。
セッションF-1|AgileJapan2017
「見える化・カンバン・カイゼンが全社に広がった
~口コミで広がった会社見学ツアーへの想い・ボクが仲間を信じれば会社は変わる~」
http://agilejapan.org/2017/session.html
これを読んでいる皆さんもツアーに参加された方は多いと思いますが、
記憶を読み戻すのにさらって利用頂けたら嬉しいです(^-^)
あと私はこんな風に思ったよぉ、とかコメント残してもらえると更に嬉しいです♪
見学ツアー開始
ヴァル研の新井剛さんと言ったら、
Agileに興味がある人で知らない人いないでしょ、と言うくらい有名な方です。
もうイイ人って言うのが表情とか仕草から滲み出てちゃってますよね♪
4半期の全体会議が控えているお忙しいトコロでも終始笑顔で案内頂いてしまいました。
(本棚いっぱいのは電車等々の時刻表の歴史本です。ボロボロに使い込まれてました。
こういったデータに加え実際駅に赴いて、乗り換えの道中や掲示、駅周辺の地理等、
足で取ったデータもサービスに利用されているそうです)
※カンバンに機密が書いてある為、基本写真NGです。
機密が無いモノで写真を撮りたい場合、新井さんに撮影判断を相談します。
(以下カンバン、写真を掲載しているモノは新井さんから別途頂戴しました)
見せて頂いたカンバン群のご紹介
開発部門
■プロジェクト、タスク達成カンバン
プロジェクトとして半期の目標を数枚のエクセルに整理した後、それをベースに
月単位に達成したいマイルストンと、達成に必要なタスクを記載した4m×2mくらいの大きなカンバンが張り出されてました。
4チームが関わってるとの事でしたが、プロジェクトに関わる管理職、チームメンバーがいつでも見ることが可能で、全体を俯瞰した相談ができる状況になってます。
相談毎の一例としてはチーム間のフォローが必要か?や、
マイルストン達成時期の変更(10→11月)が即座に共有する事ができる。
プロジェクト毎に付箋の色が青・黄・赤と分かれていて見やすかったです。
←視察時 2017/7,8,9,10,11,12,2018/1月が貼ってありました。
カンバンでモチベーションを高める方法として、
マイルストン達成の際は、達成毎にインクリメントした数字を書き込んでいく手法で、
いくつ目標達成できたかを見て取ることができる。(数字を更新したくなる)
月一回管理職メンバーでカンバンを見る会では、
「業務報告」ではなく「成果を自慢しあう場」いっぱい話してもらい、
一番輝いていた管理職を「せ~の」で指さしあう、といった遊び心のある取り組みも紹介頂きました。(一番指が集まった方を皆で拍手するそうです(^^))
仕事を報告することはあっても自慢する、っていう感覚で話したことないですね。
けどそっちの方が面白そうだし、他の人のを聞くのも楽しいかもw
■バリューストリームマップ
プロダクト(サービス)のインプットから、リリースするまでに関わる
「担当者」「必要作業時間」「タスク完了の
LT:実際にかかってしまっている時間。(ex.止まっている時間を含む。承認待ち時間)
PT:タスク完了に本来必要な時間。(ex.承認時間のみ)」がフローで表現されてました。
時間がかかりすぎているタスクは無いか、無駄なフローは無いかを見える化し、
改善できないかを議論されているそうです。
紫字で「4時間→1時間」と書き込まれていたり「×(不要)」書かれたタスクがあったりと、改善されていることも見て取れました。(見える>認識する>議論、改善ができる)
世に出す時間ってどんなサービス(製品)でも共通な課題ですよね。けど自分だけで改善できないし、みたいなところで勝手に聖域化して意識から遠くしちゃうような。
そこをちゃんと見える化してメス入れるの大事ですね。
セールスプロモーションチーム
■4半期のマーケティングイベントカンバンと、1週間のタスクカンバン
関連部門の情報を元に4半期のイベントベースのスケジュールが見れるカンバンと
上記とは別に、イベントと連動した形の1週間単位の業務に落とし込んだカンバンを
用いてチームメンバー内の業務を見える化していました。
適宜開発チーム(関連部門)とカンバンを用いた認識合わせをすることで、イベント/発表時期の認識差を生むことが無くなり、効率よく業務が行えているそうです。
関連部門との調整カンバンって、どっちが作ってもいいけど、どっちも作らなかったりして。自分事と捉えて見える化されている点が素敵だと思いました。
Business Development部(RODEM開発)
■プロダクトバックログ(MVPキャンパス)と、タスクカンパン
今回見せて頂いたチームで一番スクラムっぽいカンバンを持っていたチームです。
定時時間(1日8時間)に対して開発キャパシティを6時間とし、その中で開発業務(タスク)実行を計画している。残り2時間はメールの閲覧、作業準備などの時間としてバッファである。残業が増えるとタスク見積もりが甘かったのではと、管理職と開発メンバーが検討を行う。プロダクトバックログは3スプリント先まで設定し、現スプリントタスクが早く終わる場合は、次スプリントタスクを先取りするができるようにしてあり、無駄に止まってしまう事を防止している。
3スプリント先まで貼る、ということはPOが何を必要と思っているか(どういうストーリーをもっているか)、
そしてそれを達成するのに開発チームが何をしなきゃいけないかを擦り合わせていることが必要で、擦り合わせるためにReady状態にできる情報が渡せているかをお互いに確認している。
もしReadyにすることができない状況であれば、「調査タスク」と時間を決めこんだタスクを用意し、時間を使って得られた情報をまず共有し、そこから新たにタスクが出さる状態かを確認する工夫をされているそうです。
※ヴァル研の平均残業時間は一ヶ月約20時間だそうです。
プロダクトバックログのMVPキャンパスには、何を仮説とし、何を得ようとしているか、結果何が得られたのかを明記できるよう書く箇所が区分けされていて、新規サービスを良くしていくのに仮説検証を大切にされていることが伝わりました。
先を見越したチームが行うチームマネジメント、限りある時間で最良の結果を得ようとするタイムマネジメントがありました。
※RODEM(↑にリンクがあります)。デモ頂いたんですが、ホント便利と思った良いサービスでした。導入の権利をお持ちの方は是非ご検討下さい。
API Technology部
■ToDo. Doを統合したDoing カンバン。月に一度のX Dayは全員作業。
ToDoとDoを別にする表現が業務に合わないことから、統合したDoingという表現のカンバンで業務タスクを表現。ただメンバーがマルチタスクにならないよう自分のアバターを1つだけ持っていてDoingタスクには必ず一つしか貼らない(WIP制限)。
また2つのX Dayを持っていて
「KAIZEN DAY:1日メンバーでカイゼン活動を行う日」と
「LABO DAY :1日メンバーで新しい技術を学ぶの日」を
1ヶ月に1日ずつ設けている。XDayに具体的に何を行うかはメンバー持ち回りで、
前日の夕方に決定し連絡するとのこと。
普段の業務で優先度が落ちてしまうことを一日集中して行う。緊急じゃ無くても
重要なことをちゃんとやるチームということが分かりますね。
■クラウドサービス(ツール)利用状況 カンバン
クラウドサービスで
①会社から提供されているモノ
②自チームの予算を利用して使っているモノ
③自チーム無料で利用しているモノ
それら各サービスの利用目的、関連性が記載してあるカンバンです。
多くのサービスを何の目的で、どう利用しているかが共有してありました。
現在クラウドサービスがボコボコ生まれる状況で、どれをどう選択し、展開していく
のが良いか、API部門として見える化が必要、と捉えて掲示されてました。
(新しい人が入ってきたときも共有し易い)
■もやもやボード
KPTなどで悪いや、改善箇所として張り出すまでもないが、直接指摘し辛いことや、
もやっと感じたことを貼りだす。こういうのもさり気なくカイゼンにつながっていく
気がしました。(想ったことを書き留めて共有してみる)
総務チーム
■Doing、Waitingをカイゼンにより狭く、見やすくしたカンバン
6月に私と同じタイミングで総務の管理職の方がCSMを取得されていて、
とても楽しそうにカンバンの改善歴史を伝えて頂きました♪
Doingを貼るスペースを狭くしてね、タスクを抱えないように工夫したんですよ!Waiting領域も以前はカンバンの下の方でWaitingのままになりがちだったんで、見やすい位置に変更!更に貼れる量(領域)を狭くして効率化が図れないか試しているんです。と熱くお話頂きました。(ここでもWIP制限されてるなぁ)
チーム内タスクも週ベースで集計し、かけた業務時間と総タスクポイントを表示し、
関係性を見えるようにされてました。
私もカンバンを作ったりしますが、業務と合わせてカンバンをより良くするために熱く改善されている点を見習わなくては、と感じました。
(一回作ったらそれでイイみたいに思っちゃダメですね)
■朝/夕の2回貼る にこにこカレンダー
出社時(朝)と退社時(夕)の2回カレンダーを更新していて、変化(差)を注視し、
特に退社時に状況が悪化していた場合は、まずいぞ、と声掛けなどを行うそうです。
にこにこカレンダー全員の状態が一致した時には、ささやかなお祝い(みんなでアイス
を食べる等)をして、楽しみながら継続できる工夫をしていると教えてもらいました。
人の気持ちって大事ですよね。
見える化できてないとこういったアプローチも取れないですね。
検査チーム
■スキルマップ星取カンバン
メンバーがどの領域のテストができるか、技術レベルを示す3段階表示を貼り出している。現在の状況が見て取れるのに加えて、今後どの領域を別なメンバーに学ばせるか、もっと深くしていくか等々、相談できるようにしているそうです。
この他にもいっぱい紹介頂きましたが、この辺で留めさせて頂きます。
業務効率化にあった自部門に適した見える化、カイゼンを模索しているため、どの部門も同じものは一つとしてなく、素敵なカンバンをお持ちでした。
そしてそれを説明頂く皆様が生き生きとお話頂くので、カイゼン活動を楽しく行っている(自己組織化されたチームが出来ている)と感じました。
(新井さんもツアーする度にカンバンが変わっていて驚く、と発言をされてました)
ステッカーを持っていくと爪痕が残せます。
ベイダー様が危機をお知らせするシステムがあります。(あらぶらない用にお供え物)
活動を広めるにあたり、実施していること
を新井さんに伺いました。
- 会社も40年を超えてきて、駅すぱあとも30歳にもうすぐなり、自分でAgileの方法を学んで会社のプロセスをもっとカイゼンでき、社員がより楽により安全に働けるはずだと感じた。またAgileのプロセスが面白いと感じAgile推進として共に行ってくれるメンバーと共に有識者を呼ぶようなことを始めた。
- 部門間でカンバンの横展開を強制することは無い。がカンバン・カイゼンを広める工夫としてslack、gooleを使っていてカイゼン案を随時みんなで社内共有している。見える化&カイゼンしていく(共有していく)文化が定着してきた。
報告書やメールよりもタイムリーに内容も具体的に(ex.カンバンを写真で回す)共有できている。 - 困り事を解決できそうな話題について外部講師を招いて講演をしてもらっている。有名な講師の話は聴衆者の心に響く。(受け入れるハードルが低くなる)。
- 無理にカイゼンを強制しない。積極的にやろうとしている人たちを、ただ応援しているだけ。やろうとしている人が行動し、やろうと思う人が増える。馴染んでくる。
現状に至るまでに新井さんから「6年ぐらいかかったかな」と言われました。新井さんだけでもなく色んな方の力で、今のヴァル研究所があると思いますが、その積み重ねたカイゼンの大きな形を見せて頂き胸がいっぱいになりました。いきなりはもちろん難しいですが、頂いたモノを少しでも展開していこうと思います。
おまけ
FBを見ていて遅い時間まで働いてらっしゃる(心配な)ので、
新井さんの仕事のモチベーションってなんですか?って聞いてみました。
「カイゼンをやろうと思っている人たちを応援したい気持ちかなぁ。その人たちを
見ていたい。見ていると本当に面白い。別にあれこれ指導する訳じゃ全然ないし、
そんなことしないんだけど、ちょっとフォロー、サポート出来たら嬉しいかな。
という気持ち。あと自分の背中を見てもらって、でも全然長時間い働いて欲しいって
意味じゃ無くて、ちょっと前に居る存在で居れたらいいかな、って気持ちですかね」
カッコイイ☆でも無理しないで下さい。(ラーメンも奢って頂いちゃいました)
おまけ2
新井さんがRSGT2018にプロポーザルを出されています。
勿論聞きたいですよね。ログインしてポチするっきゃないですね。
(投票は10/31までです。すぐにポチらなくては!!)
便乗して私のプロポーザルにもポチってしてもらえると嬉しいですw
ヴァル研究所でも絶賛モブプロ導入、展開中とのことでした♪
実はこの記事の一部も視察したメンバーとモブワークして、視察した次の日に大方できてました。(私が掲載する時間がかかり本日の公開になりました(>_<))
一人だと書くの大変だったりしますが、みんなで思ったことをワイワイまとめると楽しくできますね。