Googleは25日(現地時間)、スマートフォン(スマホ)やタブレットなど向けプラットフォーム「Android」の最新バージョン「Android 8.x(開発コード名:Oreo)」における次期マイナーバージョン「Android 8.1」における開発者向けプレビュー版「Android 8.1 Developer Preview」( http://developer.android.com/preview/ )を発表しています。

Android 8.1 Developer Previewは「Android Beta Program」( https://g.co/androidbeta )によってソフトウェア更新が提供開始され、プログラムに登録していれば対応する「Pixel 2」や「Pixel 2 XL」、「Pixel」、「Pixel XL」、「Pixel C」、「Nexus 5X」、「Nexus 6P」、そしてAndroidエミュレーターに順次配信されます。

またすでにファクトリーイメージ( https://developer.android.com/preview/download.html )も公開されているため、ファクトリーアンロックを行っていれば手動でADBツールによってパソコン(PC)から導入することも可能で、ビルド番号は「OPP5.170921.005」。同社ではAndroid 8.1 Oreoの正式版は12月にリリース予定だとしています。

なお、APIやSDKも公開されており、APIレベルはAndroid 8.0.xの26から27に変わり、すでに最終段階にあるためにアプリ配信マーケット「Google Playストア」でもAPIレベル27のアプリを配信できるようになっているということです。

Android 8.1 Oreoでは内蔵メモリー(RAM)が1GB未満の性能が低い機種でも動作する「Android Go」への最適化やAI(人工知能)を利用する機能を強化するための新しい「Neural Networks API」の導入、パスワードなどを自動的に入力してくれるオートフィル機能の強化などが行われています。

Googleではここ数年は毎年、AndroidのOSメジャーバージョンアップを実施しており、今年は8月にAndroid 8.0 Oreoの正式版がリリースされました。例年通り、当初はGoogleブランドのPixelシリーズやNexusシリーズの一部の新しい製品のみがAndroid 8.0 Oreoを導入できるに留まっていたため、10月頭時点でもバージョンシェアでもようやく0.2%に達した程度となっています。

一方で徐々にではありますが、各メーカーの最新バージョンへの対応も早くなってきているように思われ、すでにソニーモバイルコミュニケーションズが海外ではAndroid 8.0 Oreoを搭載した「Xperia XZ1」や「Xperia XZ1 Compact」を販売しているほか、先日より「Xperia XZ Premium」にAndroid 8.0 OreoへのOSバージョンアップも提供開始されています。

また日本での状況も少しずつ良くなっていると見られ、同様にAndroid 8.0 Oreoを搭載したXperia XZ1は11月上旬に発売され、Xperia XZ PremiumのAndroid 8.0 OreoへのOSバージョンアップも12月以降に配信される予定となっています。

そういった中でマイナーバージョンながらすでに次のAndroid 8.1 Oreoが始動し、まずはPixelシリーズやNexusシリーズを対象とした開発者向けプレビュー版がリリースされました。Android 8.1で導入される主な機能は以下の通り。詳細は https://developer.android.com/preview/api-overview.html をご確認ください。

1)1GB RAM未満のハードウェアによる機種向け軽量プラットフォームであるAndroid Goのための最適化セットが含まれています。

2)機械学習(ML)によるAIをAndroidで利用するための一環として、NDKを介するNeural Networks APIを追加しました。サポートされているデバイスでハードウェアアクセラレーションによる推論操作が可能になります。なお、TensorFlow LiteのようなMLフレームワークでは、モバイル向けのGoogleのクロスプラットフォームMLフレームワークやCaffe2などがあり、TensorFlow Liteのアナウンスに注目して欲しいということです。

3)パスワード管理者やその他のオートフィルサービスがオートフィル機能のフレームワークを使いやすくしました。これにより、オートフィル機能が強化され、例えば、保存ダイアログのUI(ユーザーインターフェース)カスタマイズやスピナーを使用したクレジットカードの有効期限の追加、ユーザーが設定できるsetAutofillOptions()のサポートが追加されています。

3)新しく「共有メモリーAPI」が追加され、使用すると共有メモリーを割り当てて共通データへのアクセスを高速化することができ、アプリはSharedMemory APIを使用して匿名共有メモリーをマップし、保護を管理することができます。


記事執筆:memn0ck


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