ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

kojitakenの日記

2017-10-25 「与党で3分の2『多すぎる』51% 朝日新聞世論調査」

「与党で3分の2『多すぎる』51% 朝日新聞世論調査」Add Starredkittysavage_gardenaopismabuyathaumazeinhayakuzaka

小選挙区制政権交代を起こしやすくする」という神話があるが、これは疑ってかからなければならない。現に1993年に、1955年以降では初めての政権交代が起きた時の衆院総選挙中選挙区制で行われた。その衆院選では自民党は今回と同じように議席をほとんど減らさなかったが、小沢一郎が剛腕を発揮したからかどうか、七党が連立を組む細川護煕政権が成立した(これは新自由主義的な方向性を持った政権だったと考えているが)。第一党が過半数に満たず、かつ第一党への批判が強まっている状況においては、第二党以下の政党が連立を組むことで政権交代はできる。むしろ、比例代表制の方が政権交代を起こしやすくできる制度と言えるのではないだろうか。

昨日紹介したツイートのほかに、毎日新聞記者が表計算ソフトを使って全国統一の比例代表制だった場合の議席配分を計算したツイートを発信していた。

https://twitter.com/k_oomura/status/922457095651414016

大村 健一

@k_oomura

「もし465議席がすべて比例だったら」を総務省の資料をもとに趣味で割り出した表です。暇つぶしの手計算で正確性の担保はありませんが笑。誤解してほしくないのは「だから今回の結果はおかしい」などというつもりは全くなく、伝えたいのは制度が変わるだけで結果ががらっと変わる面白さと怖さです。

6:38 - 2017年10月23日 場所: 東京 千代田区

下記は、このツイートを受けた毎日の同僚記者のツイート

https://twitter.com/masudah9988/status/922659966338469888

増田博樹

@masudah9988

当センターの大村記者、選挙期間中は比例分析を担当しました。そこで、「もし全議席が比例だったら」と集計してみたところ、自公過半数割れ、立憲が100近くとまったく違った結果に。大勝にも笑顔のなかった安倍さん、心情としてはこちらの結果に近かったのかもしれません。

20:04 - 2017年10月23日

自民党比例代表の得票率は前回も今回も33%で変わっていない。安倍晋三失望した最大の理由は、改憲に協力してくれるはずだった希望の党がもっと議席を獲って、希望に排除された民主党の「中間派及びリベラル派」を片っ端から追い落としてもらい、そうすれば公明党の顔色をうかがわずとも自民・希望・維新の三党で安倍の思いのままの改憲ができるだろうと皮算用していたあてが外れてしまった。

しかも、せっかく「『安倍政権下での』改憲には反対」と言っていた民進党の束縛を脱して結成された希望の党の中から、選挙中から造反して「私は9条改悪には反対だ」と言い出す候補が現れ、同党は2012年衆院選後の「日本未来の党」同様、発足早々解党の危機に晒されている。しかも日本維新の会までもが大惨敗を喫してしまった。

つまり、自民党議席は変わらず、定数が減っただけ議席占有率はむしろ高まったのに、安倍の野望である壊憲を助けてくれるはずの野党の仲間が減ってしまった。しかもこの結果を受けて公明党9条改憲に慎重な口ぶりになった。もちろん安倍としては改憲をゴリ押ししようとするに違いないが、その場合内閣支持率の低下が懸念(もちろん安倍から見ての話。こちらから言えば期待)される。勝つには勝ったがめでたさも中くらい、というのが安倍の心境だろう。

その内閣支持率だが、朝日新聞世論調査では38%から42%へと4ポイント増えている。朝日は政党支持率も調査しているが、自民党支持率が増えたものの、野党では立憲民主党が17%、希望の党が3%と、安倍晋三頼みの希望の党は早くも虫の息だ。以下朝日の記事を引用する。

与党で3分の2「多すぎる」51% 朝日新聞世論調査 - 2017衆議院選挙(衆院選):朝日新聞デジタル

与党で3分の2「多すぎる」51% 朝日新聞世論調査

2017年10月24日22時39分

 衆院選の結果を受け、朝日新聞社は23、24日、全国世論調査(電話)を実施した。自民党公明党合わせて定数の3分の2を超える議席を得たことについて尋ねると、「多すぎる」が51%で、「ちょうどよい」32%を上回った。

 自民大勝の理由については「安倍首相の政策が評価されたから」は26%で、「そうは思わない」の65%を下回った。自民支持層でも「評価」45%、「そうは思わない」48%だった。立憲支持層では「評価」9%に対し、「そうは思わない」が89%に達した。

 自公で「3分の2」については、比例区自民公明に投じた人も、それぞれ3割が「多すぎる」と答えた。年代別では、18~29歳で「ちょうどよい」56%が「多すぎる」23%を上回ったが、他の年代は、いずれも「多すぎる」の方が多かった。60代は、69%が「多すぎる」と答えた。

 今後、安倍晋三首相の進める政策に対しては「期待の方が大きい」29%に対し、「不安の方が大きい」は54%にのぼった。自民支持層は「期待」58%、「不安」24%だったが、無党派層では「期待」11%、「不安」69%と逆の傾向になった。安倍首相に今後も首相を「続けてほしい」は全体で37%で、「そうは思わない」47%の方が多かった。

 野党第1党になった立憲民主党には49%が「期待する」と答え、「期待しない」41%を上回った。「期待する」は内閣支持層でも44%、内閣不支持層では63%に達した。年代別では、60代の期待が高く、62%が「期待する」と答えた。

 政党支持率自民39%に次いで立憲17%。ほかは公明4%、希望3%、共産3%、維新2%、社民1%などだった。調査方法などが異なるため、単純に比較できないが、前回14年の衆院選直後の調査で、野党第1党の民主支持率は7%だった。

 内閣支持率は42%(17、18日実施の前回調査は38%)、不支持率は39%(同40%)だった。

朝日新聞デジタルより)

与党で3分の2」を「多すぎる」と感じる人が51%もいることは、小選挙区制弊害そのものだ。野党共闘側は、一刻も早く小選挙区制の廃止を打ち出し、それに代わる選挙制度議論を始めなければならないと私は強く思う。

政局の話をすると、民進党では前原誠司の代表辞任または解任、希望の党では小池百合子の代表辞任または解任をめぐって騒ぎになり、またぞろ希望の党公認で当選してしまった旧民進党政治家を中心に騒ぎになるのだろう。

ところで今回無所属で立候補した民進党自由党政治家は、別に民進自由を離党したわけではないから、それぞれ民進党衆院議員前原誠司岡田克也野田佳彦ら)、自由党衆院議員小沢一郎玉城デニー)ということになるんだろうか。素朴な疑問なのだが。

hkawai69hkawai69 2017/10/25 10:55 ⚪以前ある掲示板で小選挙区制はダメだと言ったところ、「小選挙区制は政権交代が可能な制度だから悪くない。」と頑強に擁護するインテリリベラルにうんざりした覚えがあります。

kemoukemou 2017/10/25 12:52 >「小選挙区制は政権交代を起こしやすくする」という神話があるが、これは疑ってかからなければならない。

全く同感です。小選挙区制は小選挙区で勝てるぐらいの勢力(≠比例第1党になる力を持った勢力)を持った側がドミノ式に馬鹿勝ちしやすいだけに過ぎません。それゆえ「政権交代したときに安定政権になりやすい」とも言われますが、民主党政権が300議席を得ながら衆参両院で多数だった鳩山時代ですら何ら安定しなかったのを見るにこれも怪しいものです。

しかも小選挙区は1対1で戦うことを前提とした選挙制度ですから、自民+公明のペアがガッチリできていて公明の下駄まで履ける自民側と、まとまれば野合感が出て分裂すれば票を食い合う野党側では野党側が負けやすいのは自明です。現に2003年の総選挙では民主は比例第1党だったのですから、比例で第1党になれても政権交代ができない制度なんて政権交代がしやすい制度でも何でもありません。むしろ小選挙区制がそれを阻む効果を持っているとすら言えます。

小選挙区制が野党側にもたらすものがあるとすれば、今回の希望の党とか、以前の民主+維新=民進とか、新進党とか、この手の離合集散で大きな塊(と呼ばれる図体だけがでかいただの烏合の衆)ができやすいということですが、これがもはやメリットでも何でもないことは今回の希望の党が何より雄弁に語ってくれたわけですが。

Khg4750Khg4750 2017/10/25 19:33 今回、あの木内孝胤がついに落選しました。
それ以外も松木謙公、石関貴史等質の悪い小沢系右翼議員も結構落ちた。
小宮山泰子みたいにしぶといのもいますが…。
変わって上がってきたのは旧民主や旧みんなの落選浪人していた連中で、
野党の議席数は変わらないけどメンバーの入れ替わりがあった。
特に共産の下駄履きでなんとかギリギリ勝ち上がった連中も多いので、
当選後急に右転回しないのではという淡い期待もある。
この点についてのみ言えば悪い話ではなかった思っていますが…いかがでしょうか

osaka1994hitosaka1994hit 2017/10/26 01:20 何となく日本では、比較第一党は当然過半数かそれに近い議席を得てスムーズに政権をスタートさせるもの、といったイメージが強いように思うのですが、世界的には必ずしもそれが当然ではないし、それでも政権交代は起こりうるということが重要と思います。

ドイツなんかではメルケルのCDU/CSUは過半数をとったことは一度も無いはずですが、選挙後はまずは比較第一党が連立交渉をして、中小政党との連立や、大連立など色々な模索をし、もしそれに失敗した場合は、今度は比較第二党が政権形成の努力をする、といった感じになるのでしょうか(同時並行的に行われるのかもしれません)。どうしてもまとまらなければ、第一党が少数与党政権としてスタートするか、再選挙ということになります。ただ、スペインやベルギーで見られたように、何ヶ月も新政権が発足しない、といったこともあるようですね(この間、政府や議会がどうなっているのかとか、色々疑問はあるのですが。ドイツでもまだ連立協議中ですが、議会は始まったらしい)。なお、日本では国王や大統領が首相を決めるというシステムがなく、あくまで首班指名が必要なので、暫定であっても少数与党政権というのは難しいのかもしれません。

1993年のことは私はリアルタイムでは知らないのですが、宮沢首相は一度は日本新党・さきがけなどとの連携を期待して続投を模索したが、党内から批判が出て退陣表明。自民党執行部はなおも新党との連携を模索するも、モタモタしているうちに小沢一郎が「剛腕」で細川政権を成立させたという形みたいです。まあ剛腕とはいいますが、基本的にはまっとうな形での政権発足とは言えるかもしれません。第二党たる社会党がイニシアチブを取らず、首班を小政党から出したという点は特異ですが。現行憲法下でも、55年体制前には何度か政権交代が起きてますよね。特に社会党政権誕生時のプロセスなどは、参考になります(第一党の社会党が、一度は吉田自由党との大連立を模索するも拒否され、民主党等との連立で発足)

もっとも同じことは小選挙区制でも起こりうるのですが、この制度になってから与党(というか比較第一党とその連携相手)が過半数割れするという結果は起きておらず、それどころか第一党がバカ勝ちする傾向が強まっています。とはいえ、今回もちょっとした風向きの変化で自公過半数割れ、小池党大躍進の結果があったかもしれず、その時どういうことが起きたのかは頭の体操としては面白い。

ただ、日本の場合参議院のことがあるので、例えば衆議院を比例的な制度にした場合、両院を満足させる連立政権のあり方としては、大連立的なものが恒常化するんじゃないかという気もするのですが、これは思いつきで、そんなことはないかもしれません。参議院のあり方も含めた包括的な選挙制度改革の議論が必要と感じます。いずれにせよ、「政治改革」を席巻した、「小選挙区制にすれば政権交代可能な二大政党制が誕生する」といった思い込みに基づく議論がいかに有害だったか、ということだろうと思います。


希望は、維新と近づくような方向で生き残りを果たすことになるのでしょうかね。政治学者の菅原琢氏が色々指摘していますが、今の立憲と希望の支持率の乖離はやや極端に出過ぎている感もあり。

希望がなんとか体制を立て直せば、立憲・希望の支持がある程度接近していきそうな感はあります。選挙戦で終盤に言われていた雰囲気よりは、予想外に希望が粘ってしまった、という感覚は私も持っています。もう少し時間があれば違ったかな、とも思いますが、それだと立憲のブームも続いていたかわからないので、微妙なところです。メディアが希望に厳しい目を向けている今、徹底的に叩かれて解党にでもなってくれれば…

はてなユーザーのみコメントできます。はてなへログインもしくは新規登録をおこなってください。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20171025/1508890165