朝鮮といえば、半亡国だとか、貧弱国だとか軽蔑するけれども、おれは朝鮮も既に蘇生の時期が来て居ると思うのだ。およそ全く死んでしまうと、また蘇生するという、一国の運命に関する生理法が世の中にある。朝鮮もこれまでは、実に死に瀕して居たのだから、これからきっと蘇生するだろうヨ。これが朝鮮に対するおれの診断だ。

しかし、朝鮮を馬鹿にするのもただ近来の事だヨ。昔は、日本文明の種子は、みな朝鮮から輸入したのだからノー。特に土木事業などは 尽く朝鮮人に教わったのだ。いつか山梨県のあるところから、石橋の記を作ってくれ、と頼まれたことがあったが、その由来記の中に「白衣の神人来りて云々」という句があった。白衣で、そして髭があるなら、疑いもなく朝鮮人だろうヨ。この橋の出来たのが、既に数百年前だというから、数百年も前には、朝鮮人も日本人のお師匠様だったのサ。

日清戦争直前の勝海舟の談話(『氷川清話』より)

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