この事件はことし２月、マレーシアのクアラルンプール国際空港で北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム氏が猛毒のＶＸによって殺害されたもので、ベトナム人のドアン・ティ・フオン被告とインドネシア人のシティ・アイシャ被告が殺人の罪に問われています。

２４日、裁判官が被告２人を伴って空港を訪れ、キム・ジョンナム氏が顔にＶＸをかけられた出発ロビーや、空港職員らに異変を訴えた場所、それに診療所などをおよそ２時間半かけて回り、警察官から説明を受けながら事件当時の状況や被告らの逃走経路を確かめていました。

裁判で検察側は、空港の防犯カメラに写っていた男らが被告の女らにＶＸを渡したと主張していますが、男らはすでに出国しており、北朝鮮の関与がどこまで立証できるかが焦点です。

２４日の調査は大勢の武装警察官らが厳重な警戒に当たる中で行われ、マレーシア当局が不測の事態に備えていることをうかがわせていました。

事件のあと両国の関係は悪化し、マレーシア政府は国民の北朝鮮への渡航を禁止したほか、ピョンヤンにある大使館を閉鎖する方向で検討を進めています。