旅行や出張で海外に行く時に気になることのひとつがテーブルマナー。ナイフとフォークの使い方は習得したつもりでも、その使い方の細かいルールはアメリカとヨーロッパで違ったり、ヨーロッパの中でもフォークの向きに微妙な意味があったりなかったりします。さらにインドやアフリカなどでは、手づかみで食事をするためのルールもあります。そんな世界各国の意外なテーブルマナーを、シルバーウェアブランドのLangfordsがまとめているので、抜粋してご紹介します。
アメリカ大陸
アメリカ合衆国
移民国家で大らかな印象のあるアメリカですが、「ホストが座るまで座らない」「ホストに指示された席に座る」など、意外とはっきりしたルールがあるようです。
メキシコ
時間に大らかなメキシコ人、待ち合わせの時は待たされる前提で、時間つぶしの手段を用意していったほうが良いようです。
ヨーロッパ
イギリス
「肉料理は最初に切り分けて、フォークを右手に持ち替えて食べてもいい」という説を時々見かけますが、それはアメリカのマナーです。イギリスで同じことをすると「子どもっぽい」と思われるので、気をつけましょう。
相手の口に食べ物が入っている時に話しかけない方がいいのは、多くの国で共通しています。では、まだ食べている時に話しかけられたら、どうすればいいのでしょうか?The Etiquette School of New Yorkのパトリシアさんはハフィントンポストの記事で、「そういう時は『ちょっと待って』というように指を上げて合図をすればいいんですよ」とコメントしています。
デンマーク
遠慮深い日本人が最後の1ピースに手を出すことはあまりないかもしれませんが、逆にいえば、「最後の1ピースを食べたい時は半分に分ければOK」ということでもありますね。
ドイツ
ドイツでもイギリスと同様、フォークは左手、ナイフは右手という原則があります。左手でじゃがいもを切ったり、レタスを折りたたんだりするのは慣れない人には訓練が必要になりそうですね。
フランス
カマンベールやロックフォールのような柔らかいチーズは、ついバターのようにパンにのばしたくなります。でもフランスでは、小さく切ったパンに小さく切ったチーズをちょこんとのせて一口で食べるのが良いようです。
ロシア
偶数本の花は、ロシアではお葬式に使われるそうです。さらに黄色の花もお葬式用なので、避けたほうが良いでしょう。
アジア・中東
韓国
日本では「早飯も芸のうち」と言いますが、韓国では周りの人に合わせて食べるのが良いとされています。
フィリピン
日本と同じ「差しつ差されつ」の文化があるフィリピン。フィリピンの人と一緒に食事をする機会があったら、その人の飲み物がちゃんと入っているか、気を配りたいものです。
タイ
タイでは外国人の方が裕福であることが多いため、タイ人と日本人が一緒に食事をすると、日本人が支払うものだと期待される傾向があります。この点は覚えておいた方がよさそうです。
アフガニスタン
アフガニスタンでも、お客様はドアから遠いところに座ることになっているそうです。日本の上座・下座と似ていて、興味深いですね。
中東全般
中東やインドでは「左手は不浄」とされています。彼らが右手だけで食事をするのはそのためです。食べ物以外のものを人に渡す時にも、必ず右手で渡します。
アフリカ
ケニア
ケニアでは食事を手で食べるので、手を洗うのが大事な習慣なのですね。またアフリカや中東でも、日本と同じように年長者を敬う文化があるようです。
タンザニア
最近は日本でも小さな瓶で飲むビールが定着してきましたが、タンザニアではマナー違反なのですね。
エチオピア
エチオピアでも手づかみで食事をするので、手についた汚れをとりたくなります。でも手が食器と同じだと考えたら、指をなめるのは日本で言うところの「ねぶり箸」のようなものなのかもしれません。
海外に行かなくても活きる、マナーの知識
こうして見てみると、国や地域が違えば、気にするポイントもそれぞれまったく違うということが改めてわかります。初めて行く国では、ポイントだけでも押さえておきたいところですね。eDiplomatやetiquette scholarといったサイトでは世界各国のマナーを広範囲にまとめているので、こういった情報を事前にチェックしておくのもよいでしょう。
また欧米人から見ると、麺類をすする音とオナラやゲップは同じレベルで不快なもののようです。日本にいる時も、異文化の人と近くにいる時は配慮したいものですね。それと同時に、こういった異文化のマナーを知っておけば、日本に来た外国人の「えっ?」と思うふるまいを見ても寛容になれる気がします。
Source: Langfords, Huffington Post, german-way, goabroad, Thrillist
Writer: MIHO FUKUDA