一昔前まで青汁というと、「まずい、もう一杯」のキャッチフレーズが有名な、あのお馴染みの商品でした。しかし現在では様々なメーカーから青汁が出ています。
商品によってその効果の出方は様々ですが、実は共通して入っている原料があります。それがケールです。ここではケールがどんな野菜なのか、なぜほとんどの商品に使われているのか、その秘密に迫ります。
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ケールはアブラナ科で強い生命力を持つ野菜
ケールはダイコンやキャベツ、ワサビと同じアブラナ科に属する野菜です。アブラナ科の植物は、十字架状の花弁をつけることが特徴的となっており、ヨーロッパが原産の野菜で、日本へは江戸時代にオランダから伝わったとされています。
- リョクヨウカンラン(緑葉甘藍)
- ハゴロモカンラン(羽衣甘藍)
キャベツの原種のヤセイカンランの変種として分類されていますが、茎は直立で、草丈が1、2m程にもなっており、葉は円形ですがキャベツの様に球状にはなりません。葉っぱの色は、濃い緑色、黄緑色、そして紫色のものもあります。
1年中栽培が可能となっている
ケールは、基本的には3月上旬から4月頃の種まきがオススメとなっています。それは発芽に適している温度が10度から30度だからです。しかし育てる土地の気候によって苗植えに適した時期が変わります。
例えば、北の方の寒冷地では5月中旬~8月中旬、暖かい地方では4月~5月中旬、または7月中旬~10月中旬、またその間の気候の地域では5月か7月中旬~9月上旬が適しています。つまり、5度から25度くらいの気候を維持できれば1年中栽培が可能になるわけです。
美味しくなる時期は秋の終わり頃
ケールは1年中栽培が可能な野菜だとは言え、やはり旬の時期はあります。ビタミンなどの栄養素の含有量が多いのは夏に収穫したケールですが、味として美味しいものを求めるのであれば、キャベツと同様に霜が降り始める季節に甘みが強くなります。
この時期に収穫されるケールは葉っぱが厚く、煮込み料理や青汁に使うのが最適です。しかし葉が大きく固くなり過ぎると料理には使いづらくなるので注意が必要となります。
青汁に向いているケールは葉が大きく、緑色が濃いもので、葉っぱの表面に艶とハリが出ているものが良いでしょう。また、料理に使うのであれば葉っぱがみずみずしく、大き過ぎず固くないものが向いています。
さまざまな栄養素で体をサポートするケール
ケールには主に以下の栄養素が含まれています。
- ビタミン
- カルシウム
- ルテイン
- 食物繊維
- メラトニン
それでは上記の成分がどのような働きをするのかを紹介していきます。
たくさんのビタミンで免疫力アップ
ケールには様々なビタミンが配合されています。まず多くを占めるのがβカロテン、ゼアキサンチンを含むビタミンAです。ビタミンAは主に目の健康に役立ちます。
- 骨を丈夫にするビタミンK
- 抗酸化作用を持ちアンチエイジングに効果が期待できるビタミンE
- 消化器官の機能改善に役立つビタミンB1
- コレステロール値を下げるのに役立つビタミンB3
目を保護してくれるルテイン
ケールに含まれている「ルテイン」という栄養素は、緑黄色野菜に多く含まれるカロテンの一つです。通常、カロテン類は体内でビタミンAに変換されるのですが、ルテインは変換されません。
ビタミンAに変換されるカロテンは、変換されず残ったものだけが抗酸化作用を発揮することになるわけですが、ルテインは変換されるものがないので、その分高い抗酸化力を持つことになります。
高エネルギーの光を吸収し、それらの光から発生する活性酵素を除去してくれます。網膜の変性を防いでくれるので、目の老化を防いだり、紫外線やブルーライトなどの光から目を守る働きが可能になります。
牛乳よりも豊富なカルシウムを保有している
ビタミンやルテインの他、ケールに含まれる栄養素にはカルシウムがあります。このカルシウムも、ビタミンに負けず豊富に含まれています。その吸収量は牛乳のほぼ2倍もの量になります。
血液中のカルシウムは筋肉の収縮をコントロールしたり、神経伝達物質を放出して興奮や緊張の緩和に役立ったり、血液の凝固や高血圧の予防に役立つなど様々なはたらきをしています。
善玉菌の餌となる食物繊維がたっぷり
青汁は野菜不足になりがちな現代人の身体に、効率よく野菜を補うことができます。それは食物繊維がたっぷり含まれているからです。特にケールをジュースにした際に出る水溶性の食物繊維は、血糖値の急激な上昇を防ぎ、コレステロールを抑える働きをします。
水溶性食物繊維は普通の食事では中々取りづらいので、ジュースにできるケールは水溶性食物繊維を摂取するためには有効な野菜であると言えます。更にミネラルの吸収を良くしたり、腸内細菌がビタミンB群の合成を助けたりという働きも持っています。
また、ジュースを絞った後のカスに残る不溶性食物繊維は、胃や腸の中で水分をたくさん吸収して膨らみ、胃や腸の働きを助けてお通じを良くする効果があります。
熟睡するための大事な栄養素「メラトニン」
ビタミンやカルシウム、食物繊維やケールには人体に良い影響をもたらす様々な栄養素が多く含まれていましたが、もう一つ、他の食材に比べて群を抜いて多く含まれている栄養素があります。それがメラトニンです。
しかしメラトニンが少ないと脳が覚醒状態を保っているため、熟睡はおろか、中々寝付けずに次の日の朝を迎えてしまうということにもなりかねません。不眠気味の方はこのメラトニンが不足している可能性が高いのです。
ダイエットに効くのは食物繊維が豊富だから
食物繊維が豊富であればもちろんダイエットにも効果がある野菜です。ジュースにした時に得られる水溶性食物繊維は粘り気があり、水分を含んでゲル化する事で腸内をゆっくりと動きます。そうすると便が柔らかくなり排出がしやすくなるのです。
また、水溶性食物繊維を取った後しばらくは満腹感が得られるので、自然と食べる量も減ります。ダイエット中はどうしても空腹感との戦いになりますが、少しの量で満腹を感じることが出来ればスムーズに体重が減らせることになります。
また、ジュースにならない不溶性食物繊維は、調理して食べる場合は咀嚼回数の増加によって食べ過ぎを防ぐことができます。噛む回数が増えることはダイエットだけでなく、健康効果や小顔になることにも繋がるのです。
よく噛むことで代謝が活発になり脂肪が燃焼します。そして顎をいつも以上に動かすことで運動になり、顔が小さくなることに繋がるのです。
牛乳と一緒に摂ればより効果的に
青汁はその苦さや、青臭さから飲みにくいというイメージを持つ人もいるかもしれません。その様な人達のために、青汁の粉末を牛乳で割ると飲みやすくなるといった様なアイディアが紹介されることがあります。
実はこの牛乳で割るという方法は、ただ飲みやすくするだけではありません。乳製品にはカルシウムが含まれているだけでなく、カルシウムの吸収量を高める働きがあります。よって青汁やケールを牛乳と一緒に摂取するとさらにカルシウムの吸収率が高まるのです。
また、牛乳に含まれるラクトースは腸内の浸透圧を高め、水分を含みやすくして便を柔らかくする働きがあるため、腸内環境のバランスを整えるのにも役に立ちます。ケールと一緒に摂取すれば腸内環境の改善に向けて相乗効果が期待できるのです。
このように一緒に摂取する食品によっても様々な効能がありますので、自分にピッタリ合う組み合わせを探してみましょう。
まとめ
ケールには野菜不足を補って余りある栄養素が含まれています。忙しくて充分に野菜を食べられないという現代人にピッタリな健康食品だと言えるでしょう。さらに手軽に摂取できることや、サプリメントよりも健康的なイメージがあることも人気がある理由となっています。
一般的に販売されている青汁にはケールだけでなく、大麦若葉や明日葉といった栄養たっぷりの原材料も使われており、商品によって様々な特徴があります。
さらにいくら以上だと送料無料で届けてくれるといったサービス、初回限定でお得に購入できる割引価格が充実している商品もあり、メーカーのこだわりを感じることでしょう。
定期的に購入する人にはお買い得なコースもありますが、まずは飲んでみたいという人だと、スーパーやドラッグストアで買えるお手頃価格のものを試してみるのもおすすめです。