職場内の「不公平感」を放置するのは危険だ

トラブル回避に有効な「私のトリセツ」

制約のある人もそうでない人も、みんなが働きやすい環境を作るには?(写真:Elnur / PIXTA)
ダイバーシティが叫ばれるようになり、実際、育児や介護など「制約のある人」がさまざまな職場で増えています。そこで問題になっているのが現場に充満する「不公平感」。「自分は長時間労働をしているのに、あの人だけズルい」などと、頑張っている人の不満が大爆発することも。
いったいどうしたらいいのか。『「残業だらけ職場」の劇的改善術』の著者であり、自らも多くの「制約のある社員」たちと仕事をしてきた清水久三子氏が、多様な人たちと働く際の考え方についてご紹介します。

「制約社員」が普通の世の中になる

この連載の記事一覧はこちら

日本のさまざまな職場で「ダイバーシティ」が叫ばれるようになりました。さまざまな事情を抱える人が当然のようにいる中で、チームとして高い成果を出していく――。言うのは簡単ですが、「そんなきれい事」と抵抗を感じる人が多いのも実情でしょう。

しかし、そうも言っていられない状況もあります。少しマクロの話になりますが、日本が今「人口オーナス期」に入っているからです。

人口オーナスとは、人口構成が経済発展にとって重荷となった状態を指します。少子高齢化が進み、働くことのできる生産年齢人口が急減すると同時に、高齢人口が急増する事態のことを言います。こうなると経済や国力をどのように維持していくかが大きな課題となります。

人口オーナス期に入った国や地域が、経済成長を維持するための重要課題は大きく3つ。1:社会保障を整備し、2:女性や高齢者の雇用を促進して労働力を高め、3:労働投入が減少しても生産性向上により成長を維持していく。この3つです。こうした背景から、生産性の向上や女性活躍など、働く人の多様化が必然となってきているのです。

次ページそもそも多様性とは何か?
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAMEb9774511b776
    良い取り組みだと思います。

    が、現実に多いケースとしては、そもそも やる気がない という「制約」を抱えた社員だらけの職場 では?
     自分の領土(仕事)を線引して、侵食(口出し)も拡大(手伝い)も許さない社員
     被害妄想(あの人はヒマ病)の住民
     異質への不寛容(自分と違う事・考え方・指示への反発)

    「私の取説(トリセツ)」を書かせたら、たぶん書けないんですよ。 客観的に慮って然るべき事情が無い。 強いて言えば「私は構ってちゃんです」。

    少数のやる気ある人を大切に、組織に広げるのはとても困難です。
    up12
    down0
    2017/10/25 08:13
  • NO NAME4a0cb5222f2b
    今の大部分の日本企業の人事は年功の果てに「なんとなく出世した無能」で占められているので少なくとも「何をもって有能化、貢献か?」の区別がついていないのが現状です。

    なので、一番簡単な処方は「60歳以上の無能をまず先に早期退職金の積み増しで追い出す」ことから手を付ける」のをお勧めします。多様性云々はそれから、かな。
    up14
    down3
    2017/10/25 09:32
  • NO NAME97b5748fc8e3
    最後だけはちょっと。

    当方の職場では、制約のある人への理解が進み、その相手を理解せずに不満を言う人は減ってきました。

    制約のない人への感謝の言葉を伝えるとか身内で表彰するとかのシステムは、始まったもののほとんど利用されずにすたれました。

    そのシステムの利用に際し感謝する側からの無意識の恣意が入る事で、感謝される側がそれを察して評価を辞退する様になったからです。

    一考が必要ですね。


    up11
    down0
    2017/10/25 08:24
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
日本を動かす<br>地方の名門企業77

日本各地には、地元財界の顔として政治力・経済力をいかんなく発揮している企業がある。圧倒的な存在感とパワーを持つ名門企業の実態に迫り、今後の成長が期待できる地方発“次世代企業”を取り上げた。