昨日、ぼっちさんの英語教育に関する記事を読んで言いたいことがでてきたので、書いてみます。
語学センスのあるなしって、やる気だけじゃなく、外国語習得に対する価値判断にも凄く関わってくると思うんです。
言いたいことが伝わらないと、フラストレーション溜まるし、へこみますよね。英語なんて話せなくても良い!ってなる人が多いのも、分かります。
ぼっちさんが、本気で、
「役に立つかどうかも分からない、やって楽しくもない、苦痛でしかないお勉強としての英語を子供に押し付けることはリスクでしかないぞ!」
というお気持ちで書かれたのか、はたまた、話題を取るために極論展開されたのかは分かりませんが、言語オタクな私としては、
「幼少期から、外国語会話を楽しませるべきです!」
と、強く主張したいところです。
人間は、書き言葉は教えられないと取得できないオプション仕様ですが、
話し言葉は本能で取得する。
と言います。
赤ちゃんは、文法を教えられなくても、周囲の言語を聞くだけでしゃべり始めます。
生まれてから8歳くらいまでに言語に触れないと、一生言葉を話せなくなってしまう、という、言語獲得の限界期とか、クリティカル・ピリオドと言われる時期があります。
つまりは、母国語以外の言語も、8歳くらいまでは、勉強なんてしなくてもしゃべるくらいはできるようになるはずなのです。
最近の若い人達は、英語の発音が綺麗です。限界期以内の、早期教育のお陰様だと思います。
30代を超えた日本人にとって、英語学習の最大のネックは、
英語の発音ができない
=会話で分かってもらえない(相手が何言ってるかさっぱり分からん)
=不快感 (哀しい、悔しい、ムカつく、等々)
というのがあると思います。
英語の発音が上手にできないから英会話、嫌い、という方には是非ともスペイン語をお試し頂き、南米を御旅行されることをお勧めします。英語と違い、カタカナ表記の例文を棒読みするだけでも、ナリに分かってもらえる確率が高いからです(ちょっとソレらしい抑揚つけたら、もう、完璧!)。
8歳までは本能で言語獲得する、
というのには、音感が大きく関わっていると私は思います。赤ちゃんは、周りの言語を聞いて、どんな音がどの様に区切られて言葉を成しているのかに注意を払い、軟語で練習し、それに対する周りの反応を感じて、言語を習得します。
8歳以前に多くの言語に触れないと、聴かない、話されない音は習得されず、言葉として識別し、発声できる音の幅がぐっと狭くなってしまうのです。
だから、日本人にはRとLの区別ができなかったり、THの発音がどうしてもできなかったりするのですね。
大人になってからでも、センス良い方はイイ線行けますが、(例えば、Rは、舌を口の真ん中に置いて、Lは舌先を歯茎につけて、THは、舌先を噛んで、等)かなり意識的な努力を相当長いこと続けなければなりません。
因みに私は当時珍しく、8歳くらいからアメリカ人の宣教師の方に英会話を習ったので、ギリギリネイティブに近い発音が出来るようになりました。(親が、アヤしいドイツ語やフランス語の言葉を混ぜたり、問答無用でワケ分からん字幕付き洋画に連れて行ったり、ビートルズを聴かせてたせいかもしれませんが…)
翻訳アプリで会話を成立させられれば楽なのは分かりますが、自分の言葉を他人が分かってくれることの喜びを生で感じられるのは、めっちゃ楽しいですよー。
自分でも何言ってるか分からない、ほにゃらら語を、
「誰かが分かってくれたー!!!」
という赤ちゃん的興奮(=理解された!という共感原体験)を大人になってから追体験できるなんて、外国語を学ぶことなくしては、滅多にできることではありませんからね。