私事で恐縮だが、唐突に昔ながらの洋食が食べたくなった。30年以上昔、親に連れられていったデパート。屋上の遊園地で遊んだあとにデパートの5階にある洋食レストランで食べた、あのハンバーグランチが忘れられない・・・という記憶が蘇ったからではなく(そんな過去はない)、もっと純粋な気持ちで「お箸で食べられるザ・洋食を心ゆくまで食べたい」「無職でなくなった僕にはもっと人間的で美味しいものを食べる権利があるのだから」と思ったのだ。実のところ、無事に再就職が叶い、明日への不安がなくなり、ランチに気が回る余裕が出来たのである。アルバイトの合間に日陰で食べていたあのカップ麺はしばらくご遠慮申し上げる。
▲昭和テイストがたまらない外観
今回懐かしの洋食ランチを求めて訪れたのは、神奈川県平塚市、平塚駅から徒歩圏内にある「洋食エイト」さんである。もう、ね、お店の外観が昭和レトロ。ブラウン管がハマる情景がたまらない。懐かしのあのザ・洋食が約束された外観。店内も懐かしい感じであった。
▲レトロ調の店内の様子
▲本当にステキなフォント
素敵なフォントで書かれたランチメニューから、天使のエビフライの誘惑に耐えながら、手ごねハンバーグとカニクリームの最強タッグからなる《エイトランチ》を頼む。お料理が出てくる間にお店を観察しているとホームメード、手作りへのこだわりが凄かった。特にデミグラスソースは168時間煮込んで作っているらしい。
▲ホームメード
▲168時間も仕込んでいるらしい。そして謎のキャラクター
なぜ170時間ではなくマイナス2時間の168時間なのだろうか、生粋の営業マンの僕なら170時間に水増ししてしまうところだが、僕のそういうイイカゲン感が今齢四十三にして試用期間を生きている理由なのかもしれない。168時間デミグラスソースでハンバーグへの期待は高まるばかり。
▲エイトランチ1,300円 ハンバーグ カニコロ スパゲッティの無敵三銃士
エイトランチどーん!見た目の手ごね感がたまらない。ハンバーグはとても柔らかく簡単に箸でつまめてしまう。食べてみるとホワホワ柔らかくてジューシー。脂汁ではなく肉汁。お肉の旨味がヤバい。それを引き立てるデミグラスソースはいわゆる濃厚タイプではなく上品な味わいでしつこくなくて絶品。
▲デミグラスソースと柔らかいハンバーグの絡みがサイコー
▲お箸で食べられるハンバーグIS正義
▲カニコロも絶品でトロトロ。サイズも味も大満足であった。
▲マボロシノハヤシライスが気になりすぎる。
あっというまに食べ終えて僕は後悔する。「天使の海老フライがつくBランチにしておくべきだったー」金をケチったわけではない。特に理由はないけれど「試用期間中の人間が海老フライなんて食べちゃいかんだろ」という謎の美意識が僕にそうさせたのである。昔ながらの洋食ランチに満足しつつ、試用期間を無事に終えたら天使の海老フライ付B定食を食べに来よう、そう誓って店を後にした。平塚の洋食エイトおすすめなのである。
なお、お店のホームページに人不足についての切実なメッセージが記載されているので、一読していただけたらと思う。
補足になるが夫婦を連載タイトルに掲げながら前回に引き続き今回も妻は登場していない。菅官房長官みたいな言い方になるが、そのことについてはお答えを差し控えさせていただく。夫婦生活と試用期間に天使のエビフライが微笑んでくれると信じて今日を生きる。ではまた。
▲レトロで可愛い看板
▲おしゃれな店内
今回のお店
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
書いてるサラリーマン
フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です(再就職しました)。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。最近は諸行無常を嘆く日々。更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!
ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/