じゃらんnet>じゃらんニュースTOPページ>全国>ただ安くておしゃれなだけじゃなかった!「ホステル」最前線に迫る!【東京・大阪・福岡】
都市部を中心に急増している「ホステル」。そこは、異国と地元の文化が交錯するフシギな空間…。斬新なコンセプト、おしゃれなデザイン、ホテル・旅行業以外の異業種からの参入などなど話題が満載。感度の高いおしゃれな人たちが集まる、最新「ホステル」の今をご紹介します。
外国人観光客の増加に伴い、「ホステル」が続々とオープンしていることをご存知ですか?
ではまず、この「ホステル」とはいったい何なのか…?
実は、明確な定義はありません。
従来の「ホテル」「旅館」などとの違いを挙げるとすれば、
・「ドミトリー」と呼ばれる相部屋がある
・外国人ゲストが多い(スタッフが外国語対応できる)
・ラウンジのような共有スペースがあり、他の旅行者と交流しやすい
・共有スペースにキッチンもあり、自炊できる
などがあります。
また、アメニティなどを省いた素泊まりの宿「ゲストハウス」というものも近年増えています。
「ホステル」はアメニティや個室を備えているところもあるので、「ゲストハウス」と「ホテル」の間といったところでしょうか。
今回は、その中でも最近オープンした個性派おしゃれホステルをご紹介します。
2017年4月にオープンしたWIRED HOTEL ASAKUSA。
こちらはWIRED CAFEなどを展開するカフェカンパニー株式会社が運営しており、ホテルに初参入したことで話題になりました。
「世界中から訪れる旅行者も、地元に根付く人々も。ここに集う誰もが、ボーダレスで豊かなマインドと共感でつながるホテル」という理念で運営されています。
実はこういったコンセプトを掲げているホテルは多いのですが、こちらのホテルの面白いところは場を提供するにとどまらないところ。
例えば、入口を入ってすぐフロントのそばの「1 mile guide book」というコーナーに注目してみてください。
地元をよく知る個人やお店などが「アンバサダー」となり、地元目線でおすすめスポットを紹介してくれています。
自分の興味あるスポットの情報だけを集めて、ディープな浅草のオリジナルガイドブックを作れるという仕組みが楽しいです。もちろん無料。
館内を歩くと、ディスプレイからアメニティまで、そこらじゅうこだわりだらけ!
案内してくださったスタッフの方も「“いちいち”なんですよ!」と、揶揄するように“いちいち”それぞれのこだわりや由来についてストーリーを語ってくれました。
それがゲストとの会話のきっかけにもなるそうです。
お部屋は、ペントハウスもある「SUPERIOR(スーペリア)」、シンプルな「STANDARD(スタンダード)」、ドミトリースタイルの「DORM(ドーム)」の3タイプ。
「DORM」は相部屋でも仕切りがしっかりとして、スペースもゆったり取られているので快適です。
またスゴいのが、スウェーデンのベッドメーカー「DUXIANA(デュクシアナ)」のベッドをドミトリー含め全室に使用しているということ。
「ホステルのベッドは狭くて硬くて寝心地は良くない」という常識を覆してくれました!
1階はレセプションへもつながっているカフェ・バー。
朝食、昼食、カフェ、そして夜は「江戸バル」へ。日本各地から厳選して豊富に取り揃えられた日本酒も気になります。
毎月いろいろなイベントも開催されているそう。
4階に、キッチン付きの宿泊者専用ラウンジもあります。
スタッフはいろいろな業界や国から集まっており、先入観にとらわれない取り組みや接客態度が良い方向に作用しているようでした。
素泊まりだけでなく「TOKYO ACADEMIC RIDE TOUR付き宿泊プラン」(9207円~)のようなツアー付きプランを提供しているのも特徴的。
ゲストと地元を繋げて、新たなローカルコミュニティを作っていこうとするWIRED HOTEL ASAKUSAらしい取り組みです。
2017年3月、東日本橋にオープンした7階建てのホステル。
ホステル&ゲストハウスブームの先駆けともいえる「Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE」「toco.」などの系列です。
1階のコーヒースタンド「BERTH COFFEE」と地下の「BAR & DINING」は宿泊者以外も気軽に利用でき、地元の人と旅行者の入り混じった雰囲気が活気を生み出しています。
地下では世界中のお酒やおいしい食事を楽しめるだけでなく、週末はDJナイトやLIVEなどの音楽イベントも頻繁に行われています。
2階から7階は宿泊者専用の空間。
女性専用もあるドミトリー、サイズの異なるツインルーム・ダブルームなどの個室があり、旅の目的や予算に応じて宿泊できます。
「かつては五街道の起点として栄え、幾つもの旅がはじまった日本橋。ここで始まったストーリーが、町に、人に、繋がってゆくような、そんな場所を目指しています。」とコンセプトについて語っています。
2017年5月、大阪の中心部にオープンしたこちら。「Charin Co(チャリンコ)」とは、そう、自転車のことです。
自転車をレンタルして、滞在先でも小回りのきく動きができるので、観光にもお仕事にもとっても便利。おしゃれ自転車を有料で借りられるだけでなく、もちろん無料レンタルの自転車も豊富です。
難波・道頓堀・梅田などの主要エリアへのアクセスは抜群です。
6階の宿泊者専用ラウンジにはキッチンもあり、自炊もできます。
1階には宿泊者以外も利用できるバーがあるほか、周辺はおいしいカレーライス店の激戦区とのこと。
宿に貼付されているカレーライス屋めぐりマップを参考に、周辺散策も楽しそうです。
仕切りがしっかりとあり、スペースも広めのドミトリーは女性でもくつろげそう。フロアに布団を敷いて眠れる個室も3タイプあります。
自転車をお供にアクティブかつコンパクトに滞在を楽しむ、そんな新しいスタイルを試してみてはいかがでしょう。
2016年8月に福岡でオープンし、その後2017年4月に浅草北店、5月には上野店と展開しているこちらは、日本初「IoT」ホステルブランド。
IoTとは、「Internet of Things(モノのインターネット)」の略。
簡単にいうと、モノをインターネットに繋ぐことによって、離れた場所でもそのモノの状態を知ったり、操作したりすることができるようになるということです。
つまりこちらのホステルは、近未来のIoT空間を楽しめる体験型宿泊施設、いわば「スマートホステル」といったところでしょうか。
ドアの開錠・施錠や空調管理、睡眠管理などを、貸し出された専用のスマートフォンで操作できるなど、宿泊中にIoT体験ができてしまうのです。
最先端の技術を体験できるのに、宿泊料金は通常のホステルと大きく変わらないところも魅力的ですね。
今後も内容をアップデートさせつつ首都圏・関西圏を中心に展開予定とのこと。
旅のついでに近未来のスマート生活を先取り体験してみるのも、いいお土産話になりそうです。
2015年12月のオープン以来、話題の的となっていた「泊まれる本屋」をコンセプトにしたホステルが2017年1月にリニューアル。
フロアを増床し、お酒を楽しめるバースペースもオープンしました。
さまざまなジャンルの本3500冊以上がずらりと並んだ様子は、本好きにはたまらないはず。
個人スペースには、ブックライト、カーテン、ハンガー、Wi-Fi、専用コンセントも完備。
宿泊だけではなく、13時~17時は「デイタイム」(1時間500円。フリータイム1500円。予約不可)の利用もできます。
ソファや寝床でゆったりと、心ゆくまで読書に浸ってください。
ますます盛り上がるホステル業界
ホステルは「安く泊まれる場所」という従来の概念を超え、「体験を提供する場所」として新たに生まれ変わろうとしています。
2020年の東京オリンピックに向け、しばらくオープンラッシュが続きそうなホステル業界。
さらなる異業種からの参入や、変わり種コンセプトなど、今後も何かと話題になりそうです。
※この記事は2017年9月時点での情報です
2児の子を持つ、ママ編集ライター。大して英語が話せない元バックパッカー。仏像めぐり、趣味のクラシック音楽や歴史ゆかりの地めぐりなど、硬派なひとり旅好き。今一番欲しいものは、加齢とともに失った「睡眠1時間で働ける身体」。