Facebookのニュースフィード、Instagramのフィード、Twitterのタイムライン。ログインしているユーザーアカウントや設定によって、表示される内容が最適化されています。それぞれのプラットフォームの「最適化の仕組み=アルゴリズム」にはどのような要素があるのでしょうか。今回は、そのアルゴリズムについて迫ります。
Facebookのニュースフィードを決定するアルゴリズム
Facebookのニュースフィードのアルゴリズムは日々進化しています。アルゴリズムは、限られた時間、限られたスペースの中で、大量の情報の中からそれぞれのユーザーにとって意味のある情報が表示されるように最適化しています。
ニュースフィードアルゴリズムの基本
最新のニュースフィードアルゴリズムについて、2017年4月に開催された F8 Developer conferenceのセッションの1つ、 Adam Mosseri氏による「What’s New With News Feed」の発表内容を元に解説していきます。
ニュースフィードの表示は、大きく分けると以下のような要素に基いて決定されます。
- インベントリー:友達やFacebookページがどんな投稿をしたか?など
- シグナル:誰が投稿したか?など
- 予測:その投稿に反応するか?など
- スコア:投稿との関連性など
例えば、1つの投稿(インベントリー)に対して以下のようなシグナルが考慮されています。(以下は、動画のキャプチャに日本語訳を載せました)
次に、以下のような予測がされて、これらの要素を鑑みてスコアリングされます。(図では1.4がスコアリングの例)スコアは個人の嗜好性によってつけられ、それぞれのアカウントごとに異なるニュースフィードとして現れます。
Facebookによるガイドライン
Facebookは、Facebookでリーチするために、投稿者が気をつけるべき指針を公開しています。
Improving the Integrity of News Feed: Principles for Publishers
Facebookユーザーは、以下のような投稿を価値があると判断します。
- 意味があり、有益な情報
- 正しくて、信頼できる情報
- 安全で敬意のある行動
逆に以下のようなものは、排除、制限されます。
- スパム
- 誤った情報
- 見出しがはっきりしない
- ヌード、ヘイトスピーチ、暴力的なコンテンツ
- 公共の安全を侵すもの
Facebookでは、特にフェークニュース、偽装サイト、クリックベイトな見出し(クリックさせるような見出しで、中身が伴わないようなスパムなど)に対しては、表示されないように調整を行っています。
基本的な内容ですが、投稿を作成するときに意識するようにしましょう。
モバイルでの読み込み時間
Facebookでは、シェアされたリンクをモバイル端末でクリックしたとき、ページの読み込みに長く時間がかかる場合、表示が減るような調整をすると2017年8月に発表しました。40%の人が、読み込みに3秒以上かかる場合離脱する、という数値からもわかるように、読み込みの速さはユーザー体験に影響するからです。
モバイルのサイトパフォーマンスの改善については、以下のガイドラインを用意しています。
Best Practices to Improve Mobile Site Performance
Twitterの表示アルゴリズム
Twitterにログインすると表示されるタイムラインは、フォローしているアカウントのツイートが一覧で表示されます。設定で、「重要な新着ツイートをトップに表示 」をオンにしている場合は、重要なツイートが優先的に表示されます。この機能をオフにしていると、ツイートが新しい順に表示されます。
Twitterでは、重要なツイートは、「過去に返信、リツイート、いいねなどで反応したツイートやそのアカウントを考慮して選ばれます。」と説明しています。見逃している可能性のあるおすすめツイートは、「最新のハイライト」としてログイン時に表示されます。
フォローしていないアカウントでも、人気や関連性の高いツイートはタイムラインに表示される可能性があります。タイムラインに表示されるツイートは、「人気の高さやフォローしているアカウントからの反応など、さまざまな要素にもとづいて選ばれます。」とTwitterでは説明しています。
Twitterのエンジニアブログによれば、タイムラインの表示アルゴリズムには、深層ニューラルネットワークとCortexによるAIによって改良されています。例えば、以下のような要素が考慮されています。
- ツイートそのもの:新しさ、メディアカード(画像、動画)の有無、インタラクションの数(いいねやリツイートなど)
- ツイートした人:過去に交流したことがあるか、その人とのコネクション、関係
- 本人:過去にエンゲージしたツイート、Twitterの利用頻度
Instagramの表示アルゴリズム
Instagramは、かつては時系列で投稿が表示されるようになっていましたが、2016年3月よりアルゴリズムを導入し、より関連性の高い投稿が表示されるように変わりました。導入後、ユーザーの投稿へのいいね!やコメントは増え、より活発になったとInstagramは発表しています。
See the Moments You Care About First
実際、アルゴリズム導入後のユーザー数はさらに加速し、2017年9月現在は8億人に達しました。
アルゴリズム導入時にBusiness Insiderの取材に対してInstagramのスポークスマンは、アルゴリズムに関わる要素の一部をあげています。
Instagram's got a new way to determine
which photos show up in your feed — here's how it works
- 本人と投稿者との関係(過去のやり取りなど)
- タイミング(タイムリーな範囲で表示される)
- いいねとコメント(ただし、有名人の投稿は反応が多いからと言って常に表示されるわけではない)
- ダイレクトメッセージでのシェア(表には出ないシェアもカウントしている)
- プロフィール検索
まとめ:表示されるために必要なこととは?
今回は、Facebook、Twitter、Instagramの表示アルゴリズムについてまとめました。各社とも、確実に「これ」という内容を公開しているわけではありませんが、いろいろな要素をそれぞれのアルゴリズムに加えて、表示を決定することがわかります。
投稿する側は、基本的なことではありますが、常にターゲットとするユーザーのことを考え、ユーザーの興味・関心にマッチしたコンテンツを投稿し続ける必要があります。反応のよい投稿はそれだけリーチする可能性が高まるので、より多くの人とのコミュニケーションの可能性が広がります。
株式会社深谷歩事務所代表取締役。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、講演活動、動画制作も行う。またフェレット用品を扱うオンラインショップ「Ferretoys」も運営。
著書
『自社のブランド力を上げる! オウンドメディア制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』(翔泳社)
『SNS活用→集客のオキテ』(ソシム)
『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さな会社のFacebookページ集客・販促ガイド』(翔泳社)