今日のゲストは中村メイコさんでした。
ありがとうございました。
それではあしたをお楽しみに。
（拍手）
（黒柳朝）ロッキーは兵隊に行ったの。
へっ？さっき突然軍のお迎えが来て。
おかしいじゃない。
私にさよならも言わないでいなくなるなんて。
（鳴き声）
ロッキーはもう帰ってこないのだという事がなぜか徹子にもわかりました
ロッキー…。
次の日も次の日も徹子はずっとロッキーを思って泣いていました
うう〜ロッキー…。
前向いてなさい。
（拍手）皆様ようこそ中央公会堂にお越しくださいました。
戦局厳しき折残念ながら本日をもって帝都交響楽団は活動を休止致します。
いかなる時代にも人は芸術を欲し音楽は国境を超え人の心を結ぶものと信じて参りましたがそれも許されない事態となりました。
いつか来る平和な日への願いを込めてベートーヴェン作曲『ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品６１』を演奏致します。
指揮はアラン・ヴォルグ。
（拍手）
指揮者アラン・ヴォルグはオーストリア生まれのユダヤ人です
１９４０年夏ナチスに追われてリトアニアに流れ着いたヴォルグを救ったのは「東洋のシンドラー」と言われた杉原千畝でした
しかし日本とドイツの同盟は固くドイツの敵人であるユダヤ人は日本にも居づらくなっていました
（バイオリン）
（守綱）アランが日本に来たばかりの頃は僕らの演奏が下手でいつも怒ってたね。
時々泣いた。
ああそうだった。
時々怒りのあまり泣いてた。
うちのパパも明ちゃんのレッスンの時にいつも怒ってる。
いつも怒ってる。
それは明ちゃんのために厳しく教えてくださってるのよ。
明児あとでヴォルグ先生にバイオリンを聴いて頂きなさい。
（守綱）ヴォルグ先生は世界的な指揮者だ。
こんな機会は今日しかないぞ。
（明児）でもヴォルグ先生は怖いんでしょ？そりゃ怖いさ。
音楽に妥協はない。
僕嫌だ…。
（ヴォルグ）子供には優しい。
パパはプロフェッショナル。
あなたは子供。
明ちゃんを叱らなかったら演奏を聴かせてあげる。
聴かせてあげるだなんて…。
申し訳ございません。
（バイオリン）ブラボー！ハハハハ明ちゃん。
素晴らしい！明ちゃんの演奏はとても良い！優しい心ある。
日本人の優しい心ある。
うん。
ありがとうございます！すごい！明ちゃん褒められた。
パパも叱られてたのに。
アラン息子のバイオリンを聴いてくれてありがとう。
明児の一生の思い出になるよ。
今日の演奏会今夜の食事明ちゃんの演奏忘れない。
翌日軽井沢の外人疎開地に行かされる事になっていたヴォルグさんはこの夜黒柳家に泊まりました
（物音）ロッキー？帰ってきたの？ロッキー！オーケストラが下手っぴだったのを思い出したの？妻と娘の事考えてた。
ヴォルグ先生の奥さんと娘さんは今どこにいるの？４年前リトアニアの国境で見えなくなった。
僕は逃げた…。
卑怯者だ。
ヒキョウモノって何？逃げる人の事？逃げた事なら私もあるわ。
前の学校から逃げたの。
前の学校の子は行進させられたり兵隊になる練習をさせられてるのに私だけトモエ学園に行っちゃったの。
でもヴォルグ先生テレビジョンっていうものが出来たら遠い国の事も見えるんですって。
そしたら奥さんと娘さんも見つかるわ。
きっとまた会える。
きっとまた会える。
うん。
君は本当にいい子ですね。
そうなの。
私本当にいい子なの。
翌朝ヴォルグさんは軽井沢に旅立っていきました
先生出来ました！
（三輪康子）出来た？見せて。
（三輪）上手ねえ！
（菊池幸司）今日は鉛筆削らないの？うん。
今はちょっと考えてるの。
何を？家族がバラバラになったらどうしようって。
そんな心配があるんだ。
うん。
お父さんが出征するの？ううん。
幸ちゃんのお父さんは？僕の一番上のお兄さんは学徒出陣で出征したよ。
必ず帰ってきてもう一度文学の勉強をするって言ってた。
文学…。
うちのパパは音楽。
何？それ。
幸ちゃんの家もバラバラなんだ…。
バラバラっていうほどでもないけどバラバラになりつつあるな。
戦争だから仕方がないよ。
トモエ学園のみんなともバラバラになる事あるのかな…。
はいこっちこっち。
これが流れ星の落ちる井戸よ。
（小林サト）へえ〜。
落ちるわよそんなに顔を突っ込んだら。
流れ星を見たら流れてる間に願い事を心の中で言うと願いが叶うんですって。
えっ本当？お父さんが言ってたから本当じゃない？へえ〜！井戸に落ちたお星様はどうなるのかな？死んじゃうの？お星様は死なないわ。
ロッキーも死なないし乃木坂上倶楽部の富夫おじさんも死なない。
足が痛い。
ん？あら怪我したの？わかんない。
どれちょっと見せてごらん。
ここ座って。
（戸の開く音）ただいま。
今日流れ星の井戸でサトちゃんがね…。
ちょっと赤くなってるわね。
どうしたの？ボールが当たったの。
化膿してるのかしらね…。
明日になっても痛かったらお医者様に診てもらいましょう。
うん。
今夜流れ星に明ちゃんの怪我が治るように祈ってあげる。
うん。
なかなか流れないね。
うん。
明ちゃんは何をお祈りするの？言っていいの？どうだろう…。
でもサトちゃん黙ってなきゃいけないって言ってなかったからいいと思うけど。
明ちゃんの願い事は何？バイオリンが上手になりますように。
私の願い事は明ちゃんの怪我が治りますように。
もう１個は…言〜わない。
なんだよ！その言い方…幸ちゃんみたい。
幸ちゃんってお姉ちゃまが好きな人？
（笑い声）何がおかしいのよ。
流れ星が流れちゃうから見てましょ。
流れた！ああ消えちゃった。
速すぎる…。
願い事１個も言えなかった。
僕言ったよ。
本当？本当。
えっずるい。
また流れるよ。
次の日から明児は熱を出して寝込んでしまいました
お風邪ですね。
心配はいりませんよ。
ありがとうございました。
でも明児は風邪ではなかったのです
明ちゃん大好きなおせんべいとかき氷よ。
もう買えないからこれで我慢してね…。
足の怪我が元で敗血症となった明児はあっという間にあの世に旅立ってしまいました
昭和１９年５月の初めの事でした
（明児）いい天気だべさ〜！明ちゃんはい！「チャチャ〜ンチャチャチャチャ〜ン」おいしい！おいしい。
（徹子の声）明ちゃんの願い事は何？バイオリンが上手になりますように。
（バイオリン）
（ヴォルグ）ブラボー！ハハハハ。
あまりに悲しすぎてその日以来徹子の頭からポコッと明児との記憶が抜け落ちてしまいました
あんなに仲良しだったのに何をして遊んだのかどうしても思い出せないのです
ロッキーがいなくなり明児が天に召され黒柳家もバラバラになり始めました
（カラスの鳴き声）はあ…。
（役人）黒柳守綱さんにお知らせです。
ご本人はおられますか？はい。
守綱さん。
何？
（役人）黒柳守綱さん。
召集令状です。
２人っきりになっちゃったわね…。
トットがお母様を守るから。
１日分の食料よ。
（児童たち）「一茶のおやじのハゲ頭」2017/10/24(火) 12:30〜12:50
ＡＢＣテレビ１
トットちゃん！ ＃１７[解][字]
辛く困難な時代を明るく前だけを向いて駆け抜けた、黒柳徹子とその家族の激動の昭和史を笑いと涙で描く！「窓ぎわのトットちゃん」の時代から国境を越えた恋まで初映像化！
詳細情報
◇番組内容
昭和１９年４月。戦況は悪化の一途をたどり、そんな中、黒柳家にも次々と苦難が押し寄せる。徹子（豊嶋花）の弟・明児と犬のロッキーを、相次いで失ってしまったのだ。悲しみも癒えぬ中、ついに父・守綱（山本耕史）に召集令状が届く。別れの日、夜行汽車で外地へ出発すると知った母・朝（松下奈緒）と徹子は、守綱を見送ろうと真っ暗な品川駅へ向かうが…？そして、東京への空襲が激しさを増し危険を察した朝は、ある決心をする！
◇出演者
清野菜名、松下奈緒、山本耕史
豊嶋花（子役）
◇原案
黒柳徹子
◇脚本
大石静
◇演出
星田良子
◇主題歌
福山雅治『トモエ学園』（アミューズ／ユニバーサルJ）
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎（テレビ朝日）
【プロデューサー】服部宣之（テレビ朝日）、角田正子（クリエーターズマネジメント）、菊地裕幸（クリエーターズマネジメント）
【協力プロデューサー】田原敦子（テレビ朝日）
◇おしらせ
☆番組ＨＰ
http://www.tv-asahi.co.jp/totto/
☆Ｔｗｉｔｔｅｒ
https://twitter.com/totto_tvasahi
☆Ｉｎｓｔａｇｒａｍ
https://www.instagram.com/totto_tvasahi/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字（字幕）
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード（ステレオ）
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード（ステレオ）
日本語（解説）
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32723(0x7FD3)
TransportStreamID:32723(0x7FD3)
ServiceID:2072(0x0818)
EventID:36500(0x8E94)