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【格闘技】

村田諒太「防衛重ねる」

2017年10月24日 紙面から

世界戦から一夜明け、1面を飾った新聞各紙を前に笑顔を見せるWBAミドル級新王者の村田諒太=東京都新宿区の帝拳ジムで(北田美和子撮影)

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◇トリプル世界戦一夜明け会見

 日本勢が全勝した22日のボクシングトリプル世界戦の3王者が23日、それぞれ一夜明け会見をした。因縁の再戦に7回終了TKOで完勝し、国内初の五輪金メダルとの2冠を達成したWBAミドル級新王者の村田諒太(31)=帝拳=は、東京都新宿区の所属ジムでチャンピオンになった実感を語った。ともに初防衛を成功させたWBCフライ級王者・比嘉大吾(22)=白井・具志堅=とWBCライトフライ級王者・拳四朗(25)=BMB=も都内のホテルで会見した。

 歴史的なミドル級ベルト奪取から一夜明け、村田はこの半年間見せたことのない表情をしていた。目尻が下がり、力の抜けた笑顔。その顔が、背負っていた重圧と達成感を物語っていた。

 「朝からテレビに何本も出させてもらって、今こうして会見もしてやっと夢じゃないと実感できた。大好きなフェリックス・トリニダード(プエルトリコ、元3階級王者)も巻いていたベルト。そう思うとうれしいですね」

 だが、立ち止まるつもりはない。「きのうの試合は自分では70~80点。今の時点でのベストは尽くしたが、これからたとえば(同級3団体統一王者)ゴロフキンとやる時、さらに点を積み上げたい。今はまだ海外では『村田って誰』状態だと思うので、一歩ずつ進んでいきます」と、表情を引き締めて強敵との頂上決戦を見据えた。

 帝拳・本田明彦会長も「次は来春に日本で防衛戦をして、その次はアメリカ。これからはさらに上へのチャレンジ」とプランを明かす。同級タイトル防衛成功も日本初だが、陣営はさらなる高みへ挑み続けるつもりだ。

 試合終了からテレビ出演が重なり、ほとんど寝ていない。「家族とはまだ会っていませんが、電話で話しました。息子(晴道くん、6歳)が『なんでパパが勝ったのかさっぱり分かんなかった』って言うんですよ。あと、『パパが泣いているところ初めて見た』って言われました。(試合後のテレビ出演では泣いてませんと強がっていたが)息子が見てそうなら泣いていたんでしょう」。笑った村田は、また柔らかい父親の顔に。チャンピオンとしての初仕事は、3歳の長女・佳織ちゃんの保育園のお迎えだ。 

  (藤本敏和)

 

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