<img height="1" width="1" style="display:none" src="//www.facebook.com/tr?id=1104867406190678&ev=PageView&noscript=1" />

レトロ可愛い町並み「天領日田」豆田町で、グルメ&ショップ巡り!

2017.10.24

九州のほぼ真ん中に位置する大分県日田(ひた)市。そして日田市の中心地である豆田町(まめだまち)は、江戸時代幕府直轄の城下町として栄えた「天領」で、今なお往時を偲ばせる古い建物や町並みが数多く残っているエリアです。町並みの風景もお店も、レトロで可愛い!そんな豆田町のおすすめ町歩きスポットをご紹介します。

「天領日田」と呼ばれる日田市の魅力は歴史だけじゃない!

日田が天領となったのは1639(寛永16)年、日田陣屋(御役所)が置かれてから。その後日田代官が西国筋郡代(さいごくすじぐんだい・江戸時代に設置された4カ所の郡代の内の一つ)に昇格、日田は経済の一大中心地となり、大いに栄えました。
「山あいに都あり」といわれ、日田の豪商の力を示す資金は「日田金(ひたがね)」と称されたと言うから当時の繁栄ぶりが分かります。
▲三隈(みくま)川では、一年中屋形船が楽しめます

そんな日田市ですが、天領地という由緒ある歴史だけではありません。山林に恵まれた土地柄、林業が盛んで日田杉を用いた木工工芸品のほか、山の幸も豊富。さらに三隈川の恵みを受けた地であることから「水郷(すいきょう)」の冠を付けて呼ぶことも。林業が盛んな山間に加え、雄大な川もあり、歴史ある城下町散策も楽しめる…。一カ所で3度オイシイ町なのです。

特に中心地である豆田町は、石レンガの道沿いに土塀白壁の建物が残っていたりとレトロな風景と町歩きが楽しめるエリア。現在では歴史ある建物をリノベーションしたショップやカフェなども増えているんです。今回はそんなレトロでおしゃれな豆田町を散策してみましょう。
▲食事処やお土産屋が軒を連ねる豆田地区

豆田町までは大分自動車道・日田ICから車で5分ほど。豆田町周辺にはいくつかの公共駐車場があるので、そちらを利用してくださいね。JR利用の方は、日田駅から徒歩で15分ほどですよ。

江戸から続く薬舗「日本丸館」。
まるで迷路のような屋敷見学もおすすめ

豆田町の「天領まちの駅」駐車場(500円・税込)を利用すれば、道を挟んで目の前にあるのがこちら。江戸時代から続く薬局兼ギャラリー「日本丸館(にほんがんかん)」です。
ここは「日本丸」という万能薬を製造・販売していた岩尾薬舗の店舗兼住居。創業は何と江戸末期の1855(安政2)年!
現在でも1階は薬屋として営業しています。
主に漢方を取り扱っているそう。色んな漢方がズラリと並んでいます。

1階にはお土産も多数!アンティークなものやちょっとクスッと笑ってしまうユニークなものなど、薬にまつわる色んなモノを販売しています。
▲薬を作る際に使用した器具のミニチュア陶器は各1,500円(税込)。一輪差しとして人気

一番人気のお土産はこちらの2つ。
▲「ウソ正論丸」や「ビヲフェロモン」など、どこかで聞いたようなネーミングの「おくすりやさんのチョコレート・ラムネ」(各300円)と「陶器人形」(1,800円)※いずれも税込
日本丸のパッケージロゴを押印した封筒6枚セット「昔の薬袋」(大:各300円、小:各200円/ともに税込)はすべて違うデザインが入っています。

そして、こちらでは江戸時代から立つ建物の館内を見学もできますよ。
見学する場合は、お土産スペースから奥に進み「日本丸館」に。入館料(大人350円・税込)を支払って、いざ館内へ~。
▲何気なく飾られているものも年代物!

入ってびっくり!外観からは想像できないほど上下左右に奥行きがあり、江戸から昭和まで増改築を繰り返しているため、まるで迷路のよう!3階建ての倉と母屋が繋がっており、それぞれ築年数が異なります。

1階は明治初期建築で岩尾薬舗・台所・日本丸館の入り口。
2階は明治中期と後期の建築で、倉2階は薬舗資料の展示室・母屋2階は大広間と庭園が!
3階は大正と昭和の建築が混在、倉3階が和室と展示室で1926(大正15)年に建築、母屋3階は昭和初期の建築です。
▲倉3階の展示室。江戸~昭和初期までの薬の看板やパッケージ、日本丸に関する資料などがズラリ
▲歴史を感じさせる帳簿も!
▲倉2階の資料室には、昔のマスクやロンパンおむつカバーも現存。ロンパンのイラストが可愛い!
▲店頭に飾られていた日本丸のレトロな看板

「日本丸」は、牛黄(ごおう・牛の胆のう中に生じた結石)や麝香(じゃこう・ジャコウジカから得られる分泌物を乾燥した香料)などを使用した薬で、一時はブラジルやハワイでも販売するほど人気だったそう。原材料の入手ができなくなり現在は製造していませんが、当時莫大な富を築いたであろうことが伺い知れます。
▲母屋2階の庭。2階に庭を設ける珍しい設計
▲母屋2階の大広間。「日本丸」を作った15代岩尾昭太郎が金婚式をした際の様子を再現しています
▲大広間からは昭太郎氏の隠居部屋と使用していた離れも!隠れ部屋みたいでユニーク
▲母屋3階からは展望楼に上れます
▲日田の町並みを一望できますよ

ココからこんな部屋に行ける!…と、迷路を進むようにして楽しむのも良いですが、効率よく進みたいならガイドもOK。ガイドは無料なので、入館料を支払う際にスタッフに声をかけてください。

もちろん買い物だけでも大丈夫。ぜひ立ち寄ってみてくださいね。

古い町屋が可愛いカフェに。
「麦屋カフェ」でスイーツ&ランチ

町歩きでお腹が減ったら、メガネのような丸い窓が印象的な「麦屋カフェ」へ。石畳の町並みにしっくり馴染む丸石を積み立てた壁と土塀の外観…。店構えから可愛いです~!
▲まるで店舗が丸メガネをしているよう!
江戸時代から残る町屋を改装しカフェとして営業しています。店内は当時の名残である梁や柱を残しながらも、ソファやテーブルなどを配したお洒落な造り。
お店にあるデザインや飾られたひとつひとつのモノが全部可愛く、なおかつ心地よい雰囲気を作っています。オーナーである中野さんはチラシやパンフレットのデザイナーも務めていらっしゃると伺い、納得!

ちなみにオーナーのご主人は、日田市内にある江戸前蕎麦の店「蕎麦・酒處 麦屋」を経営されているそうですよ。
▲無造作に置かれたミルクポットにはカトラリーが。洗練されすぎていない居心地の良さ

こちらは、日田ならではの食材を使用したオリジナルメニューが評判のカフェ。
「こんにちは、元気~?」「あ、ランチまだある?」…ランチタイム過ぎに伺ったにもかかわらず、ほぼ満席に!観光客はもちろん、地元の方も多いようですね。

ランチにおすすめのメニューとしてオーダーしたのは「日田っ子ライス」(ドリンク・ミニデザート付 900円・税込)。
麦屋カフェオリジナルのタコライスで、ご飯の上にシャキシャキのレタスやトマトと炒り卵、そして甘辛く煮詰めた豚ひき肉。そしてマヨネーズと日田の特産品である柚子胡椒のソースが!甘辛く味付けしたタコライスにピリッとした柚子胡椒ソースがアクセントになっています。ヘルシーな内容もあり、主に女性に好評だそう。

そしてもう一つ。
食後のデザートには「柚子胡椒コロネソフト」(380円・税込)をどうぞ!
▲手に持っているのはコーンではなくコロネパン!

こちらは中をくりぬいたコロネパンを揚げて、柚子胡椒ソフトクリームを入れたもの。
柚子胡椒のソフト?コロネパン?と突っ込みどころ満載ですが、何はともあれ食べてみましょう。
▲見た目は普通のミルクソフトのようですが…

ピリッと辛いのだろうと恐る恐る食べてみると…ん?サッパリして美味しい!甘さ控えめで、濃厚こってりな感じがないので、パクパク食べられます。そしてアツアツのコロネパンと冷たいソフトクリームが本当に好バランス!辛くないですけど、柚子胡椒入ってるのかしら?

……!!

来たぁ~!柚子胡椒の辛さが後から!ピリッとした柚子の辛さと風味!確かに柚子胡椒ソフトでした!!柚子胡椒が好きな方なら、このソフトクリーム癖になりますよ。甘い物が苦手な方にもおすすめ。ふかふかのコロネパンをちぎってソフトクリームをつけて食べるのもイイです!

柚子胡椒コロネソフトを始め、ソフトクリームなどはテイクアウトもできるので、町歩きのお供にもピッタリです。

日田杉で日田を元気に!
家具や雑貨を扱う「Areas」

最後はメイド・イン・日田のお土産を探しに、豆田町の小道を入った場所にある「Areas(エリアス)」へ。
▲麦屋カフェから日本丸館に戻る道を進み、「クンチョウ酒造」の手前を左へ

こちらは日田杉を使用した下駄や家具、雑貨、国の重要無形文化財である小鹿田(おんた)焼の食器など、日田で生まれたモノを扱うセレクトショップ。店内にはたくさんの日田産グッズが揃います。
▲どれも欲しくなる可愛いアイテムがずらり!

これも日田杉でできているの?と驚くようなモノや、あったらいいなと思える日常使いのモノまで幅広く品ぞろえ。そのどれもが素敵なのですが、一部を厳選してご紹介。
▲日田杉でできたブックカバーやネームプレートも

まずはこちら。
日田杉のメモ帳(450円)、ご祝儀袋(1,000円)、木の葉の形の靴べら(3,400円)、波線も引ける定規(360円)など。杉の木目に温かみを感じます。※各税別
内側にカラフルな漆を施した盃(さかずき)「ゆらぎ」(各3,600円・税別)は7色展開。全部揃えたくなりますね~。
やっぱり素敵な、日田杉の下駄は3,400円(税別)から。鼻緒が迷彩柄、ベルベット生地、革素材など、さまざまなタイプがあるので、お気に入りがきっと見つかるはず!

その他、天然木を張り付けた布で作ったクラッチバッグや日田杉のメガネもありました。店内には驚きと発見に満ち溢れているので、見るだけでも楽しいです!

「どんなコンセプトで商品を扱っているのですか?」
オーナーの仙崎さんに話を伺いました。
▲家具職人兼デザイナーでもある仙崎さん

「大まかに言うと“地域貢献できるか”がコンセプトです。日田杉や日田産の商品を知ってもらい、手に取ってもらうことで日田をもっと元気にしたいんですよ」仙崎さんは笑いながら話してくださいました。

家具や木工細工、小鹿田焼など、“日田のものづくり”はそれぞれこんなに素晴らしいのに、それを発信できていない…。そう感じた仙崎さんが、日田の魅力発信の場としてこのショップを立ち上げたのが2009年頃。
▲日に太陽が輝く「日田」をモチーフにしたロゴ、「Area(=地域)」が主役になるという意味で店を名付けました

「軽い」「強度がない」と軽んじられることも多かった日田杉。それならばと逆の発想で軽さと柔らかさを強みにした商品開発を試み、制作したのが封筒やバッグなどの商品です。

仙崎さんは、「人を幸せにするかどうか」を考えて作るそう。その商品でどんな幸せを生み出せるか、いくつの幸せを生み出せるか。笑顔を想像しながら仙崎さんは企画します。
▲一番人気のこの可愛いお二人「てる坊」と「わる坊」。どっちがどっちなのは言わずもがな。実はアロマオイルを染み込ませられるストラップ(各900円・税別)

「可愛い!と手に取ってもらって、良い香りがして癒されたら嬉しいですよね」と仙崎さん。
▲ショップの奥にはカフェスペースが

日田杉や日田の良さを発信する「Areas」の商品がどんな幸せを運んでくれるのでしょう。
ぜひ実際に手に取って、想像も楽しんでみてください。

秋にはイベントもあり、賑やかに!

そして毎年11月は日田で大きなイベントが2つ同時に行われます。
一つは、2017年11月11日(土)・12日(日)に行われる「日田天領まつり」。
▲「西国筋郡代着任行列」などの時代行列は11月12日(日)の10:00~15:00

天領時代、西国筋郡代の着任風景を再現した「西国筋郡代着任行列」や、日本最大規模の私塾「咸宜園(かんぎえん)」で学び活躍した先人たちによる行列「日田歴史絵巻行列」などがあり、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのようなイベントです。

総勢130名による大名行列は圧巻ですよ!日田の特産品や食を楽しめる「天領屋台」は2日間とも開催されるので、そちらもお楽しみに。
この「日田天領まつり」と夜も楽しんでもらうためにできたイベントが、もう一つの「千年あかり」です。
こちらは「日田天領まつり」の前日11月10日(金)から12日(日)までの17:00~21:00(予定)に、3万もの竹灯籠が町を美しく照らし出します。
▲花月川を照らすたくさんの竹灯籠

昼は町歩きや大名行列、グルメを楽しみ、夜は日田に宿泊して優しく灯る竹灯籠を観賞…。そんな贅沢な秋の休日、素敵ですね。
▲豆田地区のいたるところで竹灯籠のオブジェが楽しめます

日本遺産にもなった豆田地区。
じっくり散策して、色んな発見を

豆田地区は国選定重要伝統的建造物群保存地区であり、さらに2015年には近世日本最大規模の私塾「咸宜園」とともに、塾と共生した町として日本遺産に認定されました。
▲儒学者 “廣瀬淡窓(ひろせたんそう)”により創立された私塾「咸宜園」

今回紹介したのは、ほんの一部。町を歩けば江戸時代から続く酒造や趣ある味噌蔵、ご当地グルメなど日田の魅力はまだまだたくさん。
▲麺がパリッと香ばしい!ご当地グルメ「日田やきそば」は市内あちこちで提供

和情緒溢れる町並みを歩いて、お気に入りの場所やグルメを見つけてみてくださいね。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴はや18年。3歳娘の子育てをしながら、旅行情報誌を中心に活動中です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP