(久々の更新という事を棚上げしつつ)本日は『
ライトノベル作家の生存率』について調査したいと思います。
以前、
これと似たような記事を上げた際は範囲を「
2010年に新人賞よりデビューした作家」を対象として、ラノベ作家の生存率について語ったりしました。
しかし、この調査、作家人数で言えば実のところ76名しか対象としてないんですよね。これでは統計的にどうとか言えない訳です。まあ三日くらいの突貫作業でやったから仕方ないんだけど。それにしたってこれでは偉そうな事を騙れない糞記事です。そう罵られても仕方が無かった!
だから今回は作家の生存率についてある程度信憑性のあるデータを提供して、
偉そうに語りたいが為に調査の範囲を拡大する事にします。
具体的に言うと今回は「
各レーベル主催の新人賞よりデビューした受賞作家、総勢725名」を対象として、その生存率を調査しています。単純計算で言えば前回の約十倍の人数を調査対象範囲としているんです。やったぜ、これが少しはそれっぽい事が言える! かも知れない!
まあ詰まるところ、今回の記事は前回の記事のグレードアップ版みたいなものです。ある程度信憑性のある「ライトノベル作家の生存率」を調査出来たのではないでしょうか。
また、今回はこれだけ大規模に調査するので生存率を調査するだけでは面白くないのではないか! とお思いの
生意気な読者向けに近年活動実績を示した作家の共通項を調べようと思います。何をどうするかと言うと、生存率を調査すると共に『
映像化経験の有無』『
長期シリーズ執筆経験の有無』『
複数レーベル執筆経験の有無』なども同時に調査しているのです。これで生存する為の共通項を出来るだけ理論的に探そうと言う訳なんですね。正直言ってしまって頭の出来は大した事ない私が調べた調査である為、ツッコミどころは多数あるかも知れないですが、どうかご容赦の程を。
結構頑張って調べたから褒められたいし、優しくして欲しいんです。ハートの強度が糞雑魚ナメクジ並みだからね、しょうがないね そんな感じに作業量的には三週間ほぼ毎日くらいの労力を費やしている成果を本記事にて存分に発揮したいと思います。
一応本記事は【前編】で【後編】とで二つに分けています。
……いや、まあ簡単に言えば長すぎたよね。あと本音を言えばアクセス数稼ぎだよね(小声)
三週間の労力、出来れば報われたいじゃない!(開き直り)
さて置き、許して下さるのでしたら続きの方をどうぞよろしくよろしくー。
※こっから自己満足的な説明が続く為、さっさと結果だけ知りたいって無粋な人は『ライトノベル作家、生存率調査結果!』の項まで飛ばして下さい。それ以前の説明は厳密に分析手法などを知りたい人もしくは暇人向けです。 前回の記事でも大体同じような事を言っていましたが、今回の調査内容はほぼ自分用です。
私は七年前から飽きもせずラノベばっか書いては新人賞に送っているいわゆる
糞ワナビな訳ですが、そんな私ですら生意気にもデビューした後の事を考えたりするのです。なんだったら具体的に税金はどうなるのか、と捕らぬ狸の皮算用的メソッドをフルに活用してしまうのです。人間、考えるのはただだからね、しょうがないね。
そんな私ですからデビューした作家がどうなるのか、気になる訳です。夢を糧にして自宅を生息地として生きられるのか、はたまた夢半ばに散ってしまうのか、そんな事が気になる訳です。そんな苦しみすら味わえない中、涙で枕を濡らすのです。濡らした事ないけど。
楽天家でなきゃラノベ作家とか目指さないんだよなぁ……(偏見) まあ前置きが長くなりましたが、私はラノベ作家の行く末が気になります! そして私が気になるなら他にも気になる方がいらっしゃるのではないか、そんな風に考えています。ラノベが生まれてまだ30年と経っていないので生涯作家となれる職業なのか、分からない今、こう言ったデータは重宝出来ると思います。
ちなみにそれなりに
厳しい結果が出たのではないか、と思います。
しかし一方で、
それなりに希望の持てる結果でもあったと思います。
何故かと言うと、聞くところで聞けば作家の殆どが
五年以内に消えると言われているからです。ちなみに今回はそれを前提とした上では希望の持てる結果になったと思います。
そんな訳で見る人によっては
奇跡も魔法もねぇ結果、しかし人によっては
そんなに生存率あるの、やったぜ!と思えるような結果です。まあぶっちゃけ作家として生存出来ているだけで儲かっているかどうかは別問題なのですが……、まあそれについては個々人で勝手に考えるなり絶望するなり、楽観的になるなりして下さい。
そんな感じで分析の目的でした。長い!
分析の手法ですが、今回は(先程もちょろっとお話ししましたが)2014年までにデビューした男性向けライトノベル作家、総勢で725名を調査対象として生存率調査を行っています。この725名の中にいわゆる「拾い上げ作家」は含まれておりません。賞を取った人のみを調査対象としています。……拾い上げ作家まで含めると対象範囲が広がるだけじゃなく、調べるのめんどいのよね(小声)
男性向けを中心としているのは私が男性である事に密接に関係しています。あと男性向けと女性向けでは市場が若干異なりますので、今回は男性向けだけを中心とした方が良いという独断と偏見による判断です。すまんな。
また2014年を境としているのは2015年以降に新人賞よりデビューした作家の多くは近年活動実績を示しており、これらを含めると悪戯に生存率を上げてしまう結果になるからです。
ちなみに「作家として生存しているかどうか」については『
近年書籍を刊行しているか否か』を判断基準としています。
早速ですが、これについても賛否両論はあると思います。何故なら書籍を刊行する以外にも作家として活動する方法はあるのではないか、と思われるからです。例えばゲームのシナリオを担当するとか、雑誌にコラムとか何やらを投稿するとか、その他諸々活動には種々あるかとは思います。
ただ、私としてはあくまでも「近年書籍を刊行しているか否か」を判断基準としたいです。と言うのも、何処まで言ってもライトノベル作家の中心活動は
「ラノベを刊行する」事だからです。
一般文芸の新人賞でデビューした作家であれば雑誌などでの執筆依頼などがある筈ですが、新人のラノベ作家は基本的にそう言う雑誌での執筆依頼は行われません(私の知る限りにおいて)。そもそもかつて存在していたラノベを中心とした雑誌はその殆ど(全て?)が休刊、廃刊しています。そんな訳で、新人のラノベ作家の活動は本を刊行する事が全てと言って良いでしょう(多分)。
更に言えばラノベ作家として本を刊行する活動をしていないにも関わらず、ゲームライターやその他で活動している人を私はあまり知りません。そもそもラノベ作家としての名義で他活動をしている方は元々、名のあるネームバリューを持つ方だけです。まあラノベ作家としての名義以外でシナリオライターその他で活動している場合もあるとは思いますが、それを知り得る手段は無いと言って良いでしょう。
あっても知らん、そこまで調べるのめんどい! だから「近年書籍を刊行している否か」で判断するという裏事情もあったりなかったりします。 まあそんな訳で、「近年書籍を刊行しているか否か」にて作家の生存率(=近年活動実績の有無)を調べる訳ですが、それらは2004年以前よりデビューした作家であれば2014年以降に活動しているかどうかで判断し、2005年~2009年の間よりデビューした作家であれば2015年以降に活動しているかどうかで判断、2010年以降にデビューした作家であれば2016年以降に活動しているかどうかで判断する、と言った感じに簡単な差異を設けています。まあ2000年以前にデビューした作家と2010年以降にデビューした作家とでは生存率に違いが出るのは当たり前なので、少しくらい差異を設けないと不公平ですからね。ま、それでも当たり前のように2000年以前にデビューした作家の方が生存率低い訳だけど。ま、多少はね。
続いて、先程も申し上げた通り、今回は生存作家の共通項を探しています。それを調査する為に作家にはそれぞれ生存調査すると共に
『映像化経験の有無』『
長期シリーズ執筆経験の有無』『
複数レーベル執筆経験の有無』も同時に調査しています。
何故、この三つの経験の有無を調べているかと言うと、まあ平たく言えば「
人気作品を担当した作家であるかどうか」そして「
企画力や執筆力を持つ作家であるかどうか」を調べています。
「映像化経験の有無」については当然ながらアニメ化、ドラマ化、映画化などの映像化メディアミックス経験を持っているかどうかで判断しています。映像化はラノベ(というか大抵の作品)において人気の指標であり、一つの頂点です。つまりこれを担当した作家の生存率は高いのではないか、つうか高くあって欲しい! じゃないと夢も希望もないじゃない! って感じです。
続いて「
長期シリーズ執筆経験の有無」についてはこれも人気を見る一つの指標ですね。
人気あるラノベは基本的に長期シリーズ化します。皆さんの知っているあれやこれやの人気作の殆どが長期シリーズ化していると思います。まあそんな訳でラノベにおいて人気作は当たり前に長期シリーズ化します。逆を言えば人気が出なければ三冊程度でラノベは打ち切られます。なので「人気」の度合を見る一つの指標となるのではないか、と。まあ当然単巻にて綺麗に終わる作品も沢山あるのですが。その辺はややこしく考えないです。
ちなみに長期シリーズの境を何冊にするか、についてですが、今回は基準を「
五冊以上」と定めました。まあ見る人にとっては随分と温い基準だな、と思うかも知れません。
ただ、私の感覚としては10冊や7冊は多すぎると考えました。実際7冊を超えるラノベと言うのはそう多くはありません。人気を見る一つの指標としては「5冊」とするのが適切であると考えました。まあこの辺は賛否両論あるかも知れませんが、その辺は大目に見てくれよ旦那ァ。
最後に「
複数レーベル執筆経験の有無」についてですが、こちらは企画力や執筆力を見る一つの指標になるのではないか、と考えました。複数レーベルでの活躍がある作家は企画力やその他行動力が無ければなし得ないのではないか、と。作家として人気作を担当するのは生き残る上で重要なのは勿論ですが、それだけでなく行動力や企画力、執筆力などもまたそれらを見る指標として考えられるのではないか、と。
そんな訳で複数レーベル、基本的には「
二レーベル以上」より作品を刊行している場合はカウントしています。ちなみに電撃文庫とメディアワークス文庫の二つで出している場合はカウントしていません。基本的にメディアワークス文庫は電撃文庫より派生したレーベルであると考えられる為です。まあそんな事を言いだしたら殆どのレーベル、角川作品だからそれカウントしちゃ駄目じゃね? とか言われるかも知れませんが、例えば角川スニーカー文庫と電撃文庫で出した場合はカウントしています。同じ角川でも微妙に色が違うし……まあ多少はね。MFとファンタジアじゃ色が違うどころじゃないし……、その辺を汲み取ってくれたら嬉しいなって!
あと補足と言うか予防線なのですが……、この記事は新人賞よりデビューされたラノベ作家の内、上記の調査手法にて残念ながら苦境に立たされていると判断出来てしまう方や特定の誰かを貶すものでは
決してありません。
前の記事でもこの説明はしたのですが……、そもそも作家と一口に言っても色々な方がいらっしゃいます。専業でやってらっしゃる方もいれば兼業でやってらっしゃる方も居ます。作家の数だけその事情も様々です。
調べる中でたまたまタイミングが悪く近年活動実績無しに該当した作家も居る事だと思います。
なのでこの記事に載っている事はあくまでも
参考程度と考えて下さい。
前の記事でも言っていますが、商業にて本を刊行されている方ははっきり申し上げまして相当な努力をされている方である事は間違いないのです。だから私のような箸にも棒にも掛からぬような矮小なる存在がどうこう言う事は許されない――――と言う事はさすがに言い過ぎにしても少なくとも尊敬を以て判断する必要があると思います。
まあそこんとこはくれぐれもどうぞ宜しくお願いします。
分析手法の説明が(も)なげぇ!
まあそんな訳でようやく本編です、ほんとお待たせしました。
さて、早速ですが、各レーベル主催の新人賞よりその
応募総数からデビュー率と生存率を示した結果を以下に表にしています。こちらです、はいドン!
※画像が若干見づらいかも知れませんが、その辺は私の技術力の限界です。私ってホントバカ……。本格的に見えない場合はご面倒ですが、意見など御寄せ戴けると嬉しいです。
まあこんな感じです。
ひっく(断言)! ちなみに図表は生存率順にレーベルを入れ替えて表示しています。
もう一度言おう、ひっく! 低い、本格的に低い! ひくわ、マジで。
新人賞の全体応募総数より全体の生存率を見た場合、レーベル全体の平均が
デビュー率0.509%、
生存率0.234%となっています。
応募総数から単純な割合を見た際、
生き残るライトノベル作家は1000人に2人しかいない計算になります。
ちなみに東大合格率は平成27年度において34.2%。資格取得の中で最も難しいとされている(らしい)司法書士の合格率は3.5%(平成25年度)となっています。
これらを見ればラノベ作家になるのがどれだけ難しいか、またそこから生き残るのがどれだけ難しいかが分かります。
これを見てラノベ作家すげぇ! 最強じゃん! とか思って貰えたら少しはイメージアップに繋がるのかしら?(浅知恵)
とは言え、これは応募総数分から見た場合の視方です。
何で応募総数から見るかって?
ラノベ作家すげぇ! って思って貰いたいからさ! いや、実際ラノベ作家は相当な倍率を生き残っているのは事実なんです。売れてるラノベ出している作家はもっと凄い。
皆、もっと彼らを尊敬しよう。いや、マジで。
尊敬を抱きつつ、この結果をレーベル別に見てみましょう。
生存率から見れば一位はHJ文庫、二位、三位は講談社文庫、そしてファミ通文庫と続きます。
ちなみに業界最大手レーベルである電撃文庫の生存率は最低の0.115%です。
何故こんなに低くなるかと言うと、それは電撃文庫の新人賞応募総数が他レーベルに比べてブッチギリだからですね。
ラノベレーベルの中で一番の古参は(女性向けライトノベルレーベルを除けば)1988年創刊のファンタジア文庫、続いて角川スニーカー文庫となっています。電撃文庫の創刊は1993年。ただ、レーベルへの応募総数はファンタジア文庫の約三倍の差をつけています。まさに圧巻、圧倒的の一言です。
それ故にデビュー率も下がり、結果生存率も下がっているように見えるという訳ですね。
ちなみに一位のHJ文庫は2006年創刊。講談社文庫は2011年。比較的最近のレーベルではありますが、中でもHJ文庫は(言い方は悪いですが)地味ながら高レートを維持しています。
続いて、ここからが本格的な生存率。デビュー人数からその生存率を割り出しています。
応募総数から出しているのは私の底意地の悪さと無駄に構成を意識した結果です。
そんな感じで以下は一先ずレーベル毎のデビュー人数と近年活動実績の有無を割り出した数字です。
全体で725名中330人が生き残っている……あれ? 意外と生き残ってね? そう思って下さった方も沢山居ると思います。
まあそう言う事です。725名中(あくまで私の調べ方ですが)330名のラノベ作家が近年において活動実績を残しております。
アホほど厳しいとか、
どうせすぐ居なくなるとか、
ラノベ作家専業とか馬鹿じゃね? とか言われたり言われなかったりしているラノベ作家ですが(暴論)、どうでしょう? 何だかんだでしっかりと活動している作家さんが多いんです。
さて、まあ続けて生存率の方を見ていきたい訳ですが、先にレーベル毎のデビュー作家人数も押さえておきましょう。
ちなみに上記の表は生存作家の人数毎に並び替えています。
各レーベル新人賞よりデビューした作家人数ですが、一番多いのがファンタジア文庫です。続いては電撃文庫。
電撃文庫やファンタジア文庫は古株レーベルなので、デビュー作家人数が多いのはある意味当然です。
その中で異質なのが角川スニーカー文庫の方でしょう。1989年創刊にも関わらず2002年創刊のMF文庫と競っています。
まあ角川スニーカー文庫は例年新人賞よりデビューする作家の人数が少ないんですよね。ちなみに大賞を滅多に出さない新人賞としても有名です。ちなみに大賞を取った作品の中には『涼宮ハルヒの憂鬱』とか言う化け物作品も含まれます。続編出ねぇかな……。
あと、これを見れば何となく分かりますが、ファンタジア文庫はデビュー人数こそ多いですが、近年活動実績を示した作家よりも残しきれていない作家の方が多い。
まあつまりはそう言う事ですね。 一方で電撃文庫は生存作家人数の方が多い。また、HJ文庫はデビュー作家こそ少ないですが、生存作家の人数では三位に付けています。これもまた、そういう事です。
ではお待ちかねの生存率を見ていきしょう。表はこちらになります。はい、ドン!
新人賞よりデビューしたラノベ作家の生存率は46%! 結構高い! まあそう言う事です。私が思っていた以上に高いんですよ。
以前調べた時は2011年デビュー作家に限定すればその生存割合は48.7%。その時もデビューさえしてしまえばその生存割合は比較的高いんじゃね? なんて結論を出していましたが、今回も比較的同じような結果が出ました。
ラノベ作家なんて職業、駄目だわなんて言われる事があったりなかったり社会的信用度においてまだまだ低いように感じられるラノベ作家ですが、その生存割合は(厳しい競争に晒されているという前提があるにしては)意外と高いように思います。
ちなみに下の図表はデビュー年数別に生存割合を折れ線グラフとして見てみたものです。

続いてはデビュー年数別にその生存割合を纏めて表にしています。

当然かと思いますが、その生存割合は上昇傾向にあります。これを見ればラノベ作家を長く続ける事がどれだけ難しいかが言える……かも知れません。
ですが、一方で私はラノベ作家の活躍の場が広がっているからこそ、生存割合も上向きなのでは? と考えています。
ライトノベルはその認知度を広げていき、今では比較的多くの人の目に触れる事となりました。
レーベルも増えていき、そのデビューの方法も新人賞よりデビューする以外にもWEB小説よりデビューする形態が増えてきました。
これによってラノベ作家の活躍の場は広がった……とも考えられます。
これはつまりはそう言う事なのではないでしょうか。生き残る為の手段が増えた、とも言えるでしょう。
この方法を証明する訳ではないですが、『Re:ゼロから始める異世界生活』などにて活躍されております人気作家の長月達平先生ですが、実は一度スーパーダッシュ文庫にて『弥生翔太』先生名義でデビューしています。その際は一度打ち切り(と言って良いかどうかは分かりませんが)となってしましましたが、今では『長月達平』名義にて大活躍する作家となっています。
これについてはあまりに極端ではありますが、これもまた活躍の場が広がった事によるチャンスを長月達平先生が掴み取った結果と言えるでしょう。
まあそんな感じに活躍の場は広がったのではないでしょうか。
……とは言えレーベルが増え刊行点数が増えた事によって市場は広がったかも知れませんが、客を食い合って一点一点のラノベが売れなくなってある意味厳しい状況になったとも言えますが。良い面、悪い面両方が出てきたと言う事でどうか納得して下さい。
それはそうとレーベル毎の生存割合に話を戻しましょう。
レーベル毎で
デビュー作家数からその生存率を比べた場合、最も高いのが
電撃文庫の59%です。
まあこの辺は王者の貫禄と言ったところでしょうか。レーベル毎でそのデビューが最も難しいのが電撃文庫であるとは言え、拾い上げなどの制度も他レーベルに比べれば充実していますし、かなりの競争倍率を勝ち残っただけあって作家さんもレベルが高いと言えるのかも知れません。
一方で驚きの結果を示したのが
HJ文庫です。
HJ文庫はデビュー確率も各レーベル毎では最高の1.587%をキープ。そして生存率も電撃文庫に負けていない58%という高生存率。正直に言ってしまえば
地味あまり目立たない印象の強いHJ文庫ですが、こと作者にその視点を寄せるとかなり良い活動の期待出来るレーベルであるとの結果が出ています。
一方で厳しい結果となっているのが生存割合が三割を切っている「
このライトノベルがすごい!文庫」「
KAエスマ文庫」「
ガガガ文庫」「
一迅社文庫」です。いずれも比較的新興レーベルだと言われているところですね。
ちなみに「このライトノベルがすごい!文庫」「一迅社文庫」は既に新人賞での募集を行っていません。レーベルとしても厳しい現状を認識している、のかも知れません。
KAエスマ文庫については募集は行っていますが、アニメ化などで華々しい活躍をされていた作家『虎虎』先生、『鳥居なごむ』先生、『おおじこうじ』先生のいずれも続けて活動されていないのが気になります。
誤解を恐れず言うのであればKAエスマ文庫以下、京都アニメーション大賞はライトノベルレーベルと言うよりはアニメ他メディアミックスの為の脚本を募集する新人賞であり作家として生き残るには厳しいレーベルであるとも言えるのやも知れません。まあ京都アニメーションにメディアミックスして貰える時点で相当な魅力を持ったレーベルであるとも言えますが。
一方でここも気になる『ガガガ文庫』。最近はあの怪物作である『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を有し、他にも多くの作品にてヒット作を連発しているレーベルです。ちなみに最近読んだ川岸殴魚先生の作品である『勇者と勇者と勇者と勇者』くっそ面白かったから皆も読むと良いぞ。こちらもガガガ文庫より刊行されています。
まあそれはそれとしてメディアミックスなどでも結構派手な印象のあるガガガ文庫の新人賞デビュー作家生存率が低い事は意外と言えば意外でした。今後は全体の底上げが期待されるのではないでしょうか。
詰る所、作家としての生存確率とデビュー確率を天秤に乗せて考えた場合、HJ文庫は非常に優れている新人賞であると言えるでしょう。
当然、他レーベルにもメリットデメリットはあると思いますが、新人賞への応募を考えているラノベ作家志望者さんの参考になれば幸いです。まあこれが切っ掛けでいい結果を示したレーベルに応募が殺到するという可能性もありますが(アクセス数から考えてそれはない)。
そんな訳で前半戦終了です。参考になったでしょうか?
後半の記事では
近年活動実績を示した作家の共通項を調べるべく、『映像化経験の有無』『長期シリーズ執筆経験の有無』『複数レーベル執筆経験の有無』を元にデータを纏めています。
中々面白い結果が出たと思いますので、宜しければ後半の記事もどうぞ宜しくお願い致します! 一先ず以上! ではでは!
※後半の記事はこちらになります!
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