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» 2017年10月24日 11時21分 公開

Adobe MAX 2017:アドビ、AIを使った「11の新技術」を発表 未来のAdobe製品に搭載される可能性も (1/2)

11の新技術を、デモ動画を交えてレポートする。

[太田智美ITmedia]

 アドビシステムズはクリエイター向けイベント「Adobe MAX」(米国時間18~20日、ネバダ州ラスベガス)で、開発中の「11の新技術」を発表した。毎年Adobe MAXでは、製品に搭載する前の新技術を「Sneaks」というプログラムの中で紹介するが、2017年はAdobeの人工知能「Adobe Sensei」(アドビ先生)を前面に押し出したものだった。

 未来のAdobe製品に搭載されるかもしれない「11の新技術」を、デモ動画を交えて紹介したい。

白黒画像に色付けする「PROJECTSCRIBBLER」

 SCRIBBLERは、白黒画像に色付けする技術。ニューラルネットワークを用い、3万枚もの画像を使って色付けをトレーニングしたという。現在は顔部分のみで、身体の色付けはまだとのこと。

Adobe MAX「Sneaks」

 このような白黒のイラスト写真に色付けする技術は、日本でも近年ブームだ。開発リーダーを務めるジンワン・ルウ(Jingwan Lu)さんは「写真にもイラストにも対応しているのがSCRIBBLERの強み。開発自体は日本のソフトとほぼ同時期に行った」と話す。

 一方、筆者が注目したのは「素材感」を表現してくれる点だ。ほかのソフトでは色付けのみを自動で行うものがほとんどだが、SCRIBBLERはイメージする素材を重ねると、それと組み合わせた色付けをしてくれる。デモでは、白黒のポーチのイラストに茶色の皮をイメージした画像を重ねると、ボタン1つで皮素材の茶色いポーチにしてくれる様子が見られた。

Adobe MAX「Sneaks」


選択した部分を自動合成する「SCENESTITCH」

 SCENESTITCHは、写真の一部を選択すると、選択した部分をほかの写真素材と自動で合成してくれるというもの。Adobe Stock内にある写真の中から複数の写真を提示し、“イメージを再創造する”技術だ。


物理演算を利用したシェイプアート「PHYSICSPAK」

 PHYSICSPAKは、絵を組み合わせて1つの文字を作るなど、特定の領域を埋めるようにして絵を配置するときに使う技術。これまでは手動で配置していたが、物理演算を利用することで自動でできるという。

 例えば、ある文字の外枠に合わせてネコを配置しようとするとき、手動では「猫が文字に重ならないように配置するにはどうすればいいか」と考える必要があったが、これを使えば一瞬で完成してしまう。


色を混ぜたり分けたりできるパレット「PLAYFULPAKETTE」

 PLAYFULPAKETTEは、色を混ぜたり分けたりできるパレット。絵の具のパレットのように自在に色を混ぜられる一方で、一度混ぜた色を元通りに分けることもできる。また、パレット上の色を変えると、絵の色も連動して変わるという機能もある。


好きな場所から音を鳴らす「SONICSCAPE」

 SONICSCAPEは、VR(Virtual Reality)映像作成のときなどに使える技術。360度動画に音を付ける際、「右から声が聞こえるように音を付けたい」「空を飛んでいる鳥から鳴き声が聞こえるように音を付けたい」といったことが多くあるという。そんなときに便利だ。

 音を鳴らしたい場所に、スピーカーマークをドラッグ&ドロップすると、その場所から音を鳴らせる。


深度を測り、より立体的なVRを作る技術「PROJECTSIDEWINDER」

 SIDEWINDERは、VRのための映像技術。通常のVR画像は平面だが、深度を測ることで立体的に自動調整してくれる。デモ動画を見ると、手前部分が白く、奥へ行くほど黒く判定されていることが分かる。Adobe Senseiの学習データから撮影された映像の深度計測が行われ、映像に映っていない部分がどうなっているかを予測して立体を表現しているという。


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