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» 2017年10月24日 07時00分 公開

半径300メートルのIT:もはやHTTPの時代ではない グーグルがここまで“SSL化”にこだわるわけ (1/2)

GoogleのWebブラウザ、Chromeの最新バージョンでは、SSL化していないサイトのテキストボックスに情報を入力しようとすると、警告を表示するようになりました。なぜ、ここまで“SSL化”にこだわるのでしょうか。

[宮田健ITmedia]
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 このコラムでも何度か「https://」の仕組みをお伝えしてきました。Webブラウザの通信をHTTPSというプロトコル(通信のルール)を使い、サーバに設定された「SSLサーバ証明書」を用いて暗号化するというものです。SSL対応などと書かれることが多いですね。

 少し前だと、HTTPSを使っているという証明の「錠マーク」がWebブラウザに出てくるのは、企業サイト、それも金融系サービスや会員制のログインが必須のサービスがほとんどでした。しかし、今では先進的なブログサービスやレンタルサーバが無料のSSLサーバ証明書を提供し始め、個人ブログですらも一気にSSL化/HTTPS化が進みました。Googleによると、日本におけるHTTPS化の比率は55%に上がったとのことで、その浸透ぶりを裏付けています。

We’re also excited to see HTTPS usage increasing around the world. For example, we’ve seen HTTPS usage surge recently in Japan; large sites like Rakuten, Cookpad, Ameblo, and Yahoo Japan all made major headway towards HTTPS in 2017. Because of this, we’ve seen HTTPS in Japan surge from 31 percent to 55 percent in the last year, measured via Chrome on Windows. We see similar upward trends in other regions—HTTPS is up from 50 percent to 66 percent in Brazil, and 59 percent to 73 percent in the U.S.!

 Googleのブログより。世界各国のHTTPS化の状況を報告している

 GoogleのWebブラウザであるChromeは今後、HTTPSに対応していないサイトのテキストボックスなどに情報を入力する際、警告を表示すると告知しています(10月20日にリリースされたChrome 62から適用する予定だったのですが、筆者の環境ではまだ、対応していないようです)。もはやWebサイトを作るなら、「HTTPSで通信できるのが当たり前」の時代になったのかもしれません。

Photo HTTPSに対応していないサイトの情報入力画面には警告を表示

HTTPS対応はSEO目的が主眼ではない

 現在ではアメーバブログ(アメブロ)やはてなブログなどもHTTPS対応が可能になりました。また、代表的なCMS(ブログシステム)であるWordpressでも、比較的簡単にHTTPSに対応できることから、その方法を解説する記事もたくさんあります。しかし、多くの記事で、このHTTPS対応が「SEO目的」と表現されているのは少々気になるところです。

 SEOは、グーグルなどの検索エンジンの上位にコンテンツを表示させるためのテクニックです。確かにグーグルは、HTTPS対応したページを優遇するというコメントを出していますが、これはあくまでインターネット全体を安全にするためにグーグルが提示したインセンティブであり、HTTPSにすればどんなコンテンツでも上位に上げるわけではないはずです。HTTPS化はあくまで、「見る人とサーバとを安全につなぐための仕組み」と考えてください。

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