こんばんは、にこりっち9です。
ついに「ブレードランナー2049」の日本公開日である10/27まで1週間を切りました。
私は前作「ブレードランナー」の大ファンなので、続編である「ブレードランナー2049」をものすごく楽しみにしてきました。
10/6から公開されているアメリカでは期待外れの興行収入から大コケなんて噂されていますが、全く問題ありません!
そもそもブレードランナー自体が大衆受けした映画ではなく、全世界のSFオタクに受けたカルト作品だからです。
実際に映画を観た人からの評価は決して悪くないようです。
せっかくなので、日本公開前にブレードランナーの世界観について振り返ってみたいと思います。
サイバーパンクのイメージを決定付けた作品
ブレードランナー以前のSF映画はいわゆるスターウォーズに代表されるような宇宙を舞台にした技術の発展した近未来的な世界観でした。
ブレードランナーの世界観はスターウォーズのような洗練された近未来ではなく、退廃的な近未来を描いているのが斬新でした。
ブレードランナーの世界では高度な技術の発展と引き換えに地球環境は著しく悪化して、人類の大半は宇宙都市に移住しています。
そのため、地球では常に酸性雨が降っている様子が描かれています。
サイバーパンクってなに?
そもそもサイバーパンクとはなにか調べてみました。
典型的なサイバーパンク作品では、人体や意識を機械的ないし生物工学的に拡張し、それらのギミックが普遍化した世界・社会において個人や集団がより大規模な構造(ネットワーク)に接続ないし取り込まれた状況(または取り込まれてゆく過程)などの描写を主題のひとつの軸とした。さらに主人公の言動や作品自体のテーマを構造・機構・体制に対する反発(いわゆるパンク)や反社会性を主題のもう一つの軸とする点、これらを内包する社会や経済・政治などを俯瞰するメタ的な視野が提供され描写が成されることで作品をサイバーかつパンクたらしめ、既存のSF作品と区別され成立した。
うーん、ものすごくわかりづらい。
どうやら明確な定義はないようですが、情報技術や生物工学が極端に発達した退廃的な世界観の中で現代社会への批判や問題提起を内包したSFジャンルの一つを言うようです。
しかし明確な定義がないため、代表作品でジャンルを語られることが多いようです。
日本では「ブレードランナー」、「攻殻機動隊」、「ニンジャスレイヤー」などが有名なので、それらの作品をイメージすればわかりやすいでしょう。
それではブレードランナーにはどんなパンク表現が含まれているのでしょうか。
ブレードランナーの世界は人間と人造人間「レプリカント」が共存しています。
そして、人造人間が人間と区別がつかないほどそっくりに作られたとき、人間が人間たらしめるものとは何か?という哲学的なテーマを扱っています。
そして皮肉にもブレードランナーの世界では人造人間の方が人間らしく描かれ、人間の方は無機質に描かれています。
ブレードランナーの世界観の原型は日本
ブレードランナーの随所に日本を匂わす表現が散見されます。
例えば「強力わかもと」の巨大広告や日本料理の屋台、日本語の看板などがたくさん出てくることで有名です。
特に屋台のおっさんが言う謎のセリフ「二つで十分ですよ」はあまりに有名です。
主人公であるデッカードが「4つくれ」と言ったセリフに対しての返しなんですが、肝心の食べているものが映されることがなかったため、長年ファンの間で何が二つで十分なのかという議論が巻き起こりました。
なんでこんなに日本的な要素が登場するかというとブレードランナーが公開された80年代当時の日本経済は脅威的な経済成長によりアメリカ経済を追い越すと予想されていました。
いずれ日本に支配されるのではないかという懸念から近未来のロサンゼルスには日本的な要素が多いと言われています。
実際にブレードランナー公開後にくる日本のバブル経済の中でニューヨークのロックフェラーセンターが2200億相当で買収されるなど日本人による国外不動産の買いあさりがあったため、あながち予想は間違っていませんでした。
新しく公開された「ブレードランナー2049」の前日譚動画では議会のトップらしき人物に中国系の俳優が出演していました。
これも時代の流れなのでしょう。
ちなみにブレードランナーのサイバーパンクな都市は歌舞伎町のイメージを元にしていると言われています。
歌舞伎町ではありませんが、昭和36年の銀座の写真を見ると既にサイバーパンク感があるんですよね。
なるほど、日本のギラギラとしたネオン街は外人から見ると近未来的な都市に見えたんですね。
ブレードランナーのサイバーパンク観が影響を与えた作品
ブレードランナーのサイバーパンク観は様々な作品に多大な影響を与えてきました。
たとえば「ニンジャスレイヤー」なんてモロにブレードランナーの世界観に影響を受けたサイバーパンク作品です。
作中に登場するネオサイタマなんてブレードランナーの都市のイメージそのままって感じです。
他にも有名どころでは「攻殻機動隊」とか「AKIRA」がブレードランナー的なサイバーパンクとしてよく挙げられます。
FF7のミッドガルとかもブレードランナーの都市に似てる気がしますね。
今でもサイバーパンクと言えば、ネオンライトと日本語の看板というイメージが定着しているようで、海外の音楽PVにもブレードランナー的なサイバーパンク観が見られます。
技術的な古臭さがチープに感じない
SF作品というのは大抵当時思い描いていた近未来の技術が登場するので、時代の流れとともに技術が追い付いてしまえば古臭く感じてチープに見えるものです。
特に情報技術に関しては目覚ましく進歩したため、当時思い描いていた技術の大抵が実現しているかそれよりも先を行っています。
ブレードランナーも例外ではなくて、作中に登場するビデオ電話や音声認識システムは実際に実現されています。
それどころか今見るとビデオ電話は公衆電話だし、わざわざ音声認識で写真の拡大とか縮小とか位置の指定とかするくらいならタッチパネルのほうがよっぽどいいよ!って思ってしまいます。
でもね、不思議と技術の古臭さによるチープ感は感じないんですよ。
なんでかって考えてみたんですけど、おそらく退廃的なサイバーパンクの世界観にマッチしているんだと思います。
ガチガチに技術考証されたSF作品だと後の時代に見て無駄なことやってんなーって思ってしまうとどうしても過去の作品としてのチープ感を感じてしまいます。
うまいことデジタルとアナログが共存するサイバーパンクの世界観だからこそ技術的な古臭さが違和感にならないというか逆に味になっているのではないかと思います。
だってこんなに技術的に発展しているはずなのにアジア的な屋台はあるし、道行く人は傘さして歩いていますからね。
ちなみにこの光る傘をAmazonで売ってることを知りました!
「ブレードランナー2049」を観に行くときに雨が降っていたら、この光る傘を持参していきましょう。
ブレードランナー2049公開前に前日譚を観ておきたい
ブレードランナー2049は前作ブレードランナーから30年後の世界を描いています。
前作からの30年間に起きた出来事を描いた3つのショートムービーが公開されています。
短い動画なのでブレードランナー2049を観に行く前にチェックしておくといいでしょう。
第一弾は「2036: ネクサス・ドーン」
第二弾は「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」
第三弾は「ブレードランナー ブラックアウト 2022」
第一弾、第二弾はブレードランナーの監督リドリー・スコットの息子であるルーク・スコットによるショートムービーです。
第三弾は日本人の渡辺信一郎監督によるアニメーションムービーです。
この3つ動画の中でも特に第一弾と第三弾は映画本編にも大きく関わってくるような内容なので、観ておくことをオススメします!
まとめ
とにかく日本公開が楽しみで仕方ない!
ブレードランナー2049でも屋台のおっちゃんとかチャイナタウンの謎の踊り子みたいにネタ要素満載でくるんだろうか。
ブレードランナーは大衆受けなんかしなくていいから、こういう意味不明な要素に期待しているぞ!
頼むぞ!スタイリッシュなSFなんて求めてないからな!