トットちゃん!(10月23日)ロッキーも軍に徴用されて不破万作さん71歳

テレビ朝日帯ドラマ劇場「トットちゃん!10月23日の第16話です。太平洋戦争が国民の生活に陰を落として、国策映画やら大日本婦人会という名前が出てきた本日のトットちゃん! 特に不破万作さんが演じる魚屋のオヤジが「日本は神の国だ。いざとなったら神風が吹く」と、定番の戦時中の頑固オヤジに辟易。朝ドラ「とと姉ちゃん」や「ごちそうさん」でも、こんな人が出てきたなあと不破万作さん、1946年7月29日生まれの71歳。お元気でなによりです。

でも本日の最大の悲劇はロッキーが退場したこと。あの可愛らしい顔が明日から観られなくなる寂しさで、ここのところ、毎日誰が居なくなるトットちゃんであります。

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アナウンサー:演奏は帝都交響楽団。指揮アラン・ヴォルグ。バイオリン独奏は黒柳守綱です。

(演奏)

軍部は国民に歌舞音曲を禁じながらクラシック音楽の放送をラジオで流していました。それは敵国に余裕を見せるための作戦の1つだったのですもはや戦況は悪化の一途をたどっていました女子はもんぺの着用が義務付けられ朝のもとには着物をもんぺに仕立て直す仕事が殺到していました。

●トモエ学園講堂

トモエ学園のお弁当の時間はもう海のものと山のものなどと言っておられずみんな1日15粒くらいの大豆と水で飢えをしのぐようになっていました。

小林宗作先生:それじゃあみんなでお水を飲んでおなかを膨らませよう。

児童たち:はーい。

小林宗作先生:さあみんなでお水をいっぱい飲もう。

♪のめのめよ水のめよ のめよのめよのめよのめよ水のめよ

小林宗作先生:みんないい子だ。

●乃木坂上倶楽部ロビー

夫の富夫が出征してから、かなえは積極的に国策映画に出演し今や売れっ子の女優でした

華子:富ちゃんが知ったら驚くわね。こんなにスターになっちゃって。

かなえ:どこにいるかもわからないから知らせようもないのよ。だけど寂しいなんて言ってられないわ。銃後を守る人々の心を勇気づけるのが私の使命ですもの。頑張らなくちゃ勝つまでは。

華子:本当に勝つのかしらね。

かなえ:華子さんなんて事を!華子さんだってお国のために絵を描いてるじゃない。もっと胸を張ってよ。

配達員:郵便です。

シイナさん:おっ!ねえねえねえねえ。ダニーからハガキだ!

華子:ええ!それで元気が出るといいわねエミー。

かなえ:今度の映画踊りの場面があるの。その振り付けエミーにお願いしたんだけど断られちゃった。

シイナさん:もう何日も顔見てないね。これ届けてくる。あっ…。エミーさんよかったね。これダニーから。

かなえ:ダニーからのハガキ、久しぶりよね。

ダニーの手紙「元気ですか」「自分は今お国のために英語の通訳として働いています」「任務のためしばらく便りは書けませんが達者でいて下さい」

かなえ:彼もお国のために頑張ってるんだからエミーも映画の振り付けやらない?夫がいなくて寂しいのはあなただけじゃないわよ。私たちにもお国のためにやる事はあるの。あなたもそうやって逃げてばかりいては駄目よ。

華子:かなえさん。

シイナさん:エミーさんは逃げてるんじゃないよ。頭が混乱してるだけ。

かなえ:みんな混乱してるわよ。こういう時代なんだもん。

シイナさん:エミーさんは身分捨て家族捨てアメリカに行った。アメリカはエミーさんを生き返らせた。だけど今日本はアメリカと戦争してる。ダニーもいない。帰る家もない。元気なくても仕方ないよ。

かなえ:そんな人いっぱいいるけどね。

華子:検閲で本当の事は書けないんだと思うけどダニーはエミーの事を思ってるわ。そのハガキにはそのダニーの思いがあふれてる。

シイナさん:僕もそう思う。

軍部は画家に戦争画を描く事を求めました。そして従う者だけに画材を支給し、従わない者は非国民のレッテルを貼って男は戦地に女は軍需工場に送ったのです。

●トモエ学園防空壕

三輪康子先生:校長先生、黒柳さんがお見えです。

朝:立派な防空壕ですわね。

小林宗作先生:子供たちがみんな入りますから。

朝:あっ外国の絵本?

小林宗作先生:ドイツに留学していた時に買い求めたものなんですよ。

朝:へえ~。

小林宗作先生:今日は何か?

朝:あっ…。

小林宗作先生:どうぞ。

朝:あの…実は大日本婦人会が近所の子供たちを連れて傷病兵の病院にお見舞いに行くので、うちの徹子も参加するように言われております。行かせてもよろしいものでしょうか?

小林宗作先生:お母さんは行かせたくないのですか?

朝:わかりません。傷ついた兵隊さんをお慰め出来ればそれもいいかとは思います。

小林宗作先生:それなら行かせてあげてください。大日本婦人会に逆らうとお宅も大変でしょう。

朝:ああ…。校長先生はなんでもおわかりなんですね。世の中がどうなろうと先生のご教育方針は揺らぐ事がない。先生はなぜそんなにお強いのですか?

小林宗作先生:別に強くはありませんよ。

朝:トモエ学園は教育勅語を暗記しろともおっしゃらないし軍事訓練もありませんもの。

小林宗作先生:教育勅語を暗記したからといって親孝行な子になるかどうか…。お国のために死ねる従順な兵士になるかどうかはわかりませんからね。子供にとって大切な事は戦争前も戦争中も同じなんですよ。束縛されない自由な心を持った人間になる事。そのために我々は本当の事だけを子供に伝える事。そして教育を他の目的のために利用しない事。私が考えているのはその3つだけです。

朝:はあ…そうでございますか。

小林宗作先生:黒柳さん。あなたはいいお母さんですね。トットちゃんは幸せです。

●黒柳家
トットちゃん:今日ねトット戦争で怪我をした兵隊さんがいる病院に行くの。じゃあねロッキーいってきます。

朝:はい、いってらっしゃい。

●病院

児童たち:♪いらかの波と雲の波 重なる波の中空を 高く泳ぐや鯉のぼり

負傷兵:君は歌わないのかい?

トットちゃん:知らないのこの歌。

負傷兵:なんの歌なら知ってるの?

トットちゃん:う~んっと…。

負傷兵:君の知ってる歌を歌ってくれよ。

トットちゃん:私の知ってる歌はね…。

大日本婦人会:黒柳さん勝手な事をしないでください。

負傷兵:いいじゃないか。

大日本婦人会:まあそうでございますか。では黒柳さんどうぞ。

トットちゃん:はい。昼のお弁当の時間の前にみんなで歌う歌を歌います。♪よくかめよたべものを かめよかめよかめよかめよ

負傷兵:なんの歌?

トットちゃん:♪よくかめよたべものを かめよかめよかめよかめよたべものを、終わり。

負傷兵:面白い子だね君は。

トットちゃん:あの…私は何か悪い事をしたでしょうか?

負傷兵:いや…よく歌ってくれたね。ありがとう。

(嗚咽)

徹子はなぜあの兵隊さんが泣いたのだろうと考えていました

●近所の商店街

今日は全国から集めたエレベーターの部品と万年筆を溶かしてましたよ。

こんなんで大丈夫なのかな?

魚屋のオヤジ:なんとかなるさ。日本は神の国だ。いざとなったら神風が吹く。

トットちゃん:わぁ!

おいおいおい何やってるんだよ。ほらよいしょ。

トットちゃん:ありがとうございます。

ああ~濡れちゃったねおい。

魚屋のオヤジ:何ぼ~っと考えてたんだよ?

トットちゃん:今日怪我した兵隊さんのお見舞いに行ったの。みんなで歌を歌ったら兵隊さんが泣いちゃったからなんで泣いちゃったんだろうなって考えてたら落ちちゃった。

魚屋のオヤジ:しょうがねえな。

トットちゃん:兵隊さんには私くらいの女の子がいるのかな?だから私を見て泣いちゃったのかな?

魚屋のオヤジ:違うよ。生き残った兵隊は恥を忍んで泣いたんだ。日本男児はお国のために死んで一人前。怪我して戻ってくるような奴はろくなもんじゃない。わしの倅も兵隊に行ってるが倅の命はお国に捧げたもんだと思ってる。

トットちゃん:おじさんずっと前、お魚は死んで人に食べられるために生まれてきたんだからおいしく食べてやらないとなって言ってたけど兵隊さんも同じなの?

魚屋のオヤジ:う~ん少し似てるな。あんたの弟も大きくなったら兵隊になるんだぞ。そのために授かった命なんだから。

トットちゃん:そうなの?

いや…どうだかな…。

魚屋のオヤジ:生き残りなんか見舞いに行くからどぶに落ちるんだ。

もうこの話いいからなっ。さっさと帰りななっ。

トットちゃん:はい。助けてくれてありがとうございました。

気をつけてな。

じゃあな。

●黒柳家

トットちゃん:ロッキーただいま。私、今どぶに落ちちゃった。

朝:おかえりなさい。あらま泥だらけ。

トットちゃん:どぶに落ちたの。ねえロッキーがいないけどどこ行ったの?

朝:はい反対の足。

トットちゃん:ロッキーただいま。お迎えしてくれないの?ロッキー。

朝:ロッキーは兵隊に行ったの。

トットちゃん:へっ?

朝:さっき突然軍のお迎えが来て。

トットちゃん:そんな…。ロッキーも男の子だから?

朝:うん。

トットちゃん:今日の兵隊さんみたいに怪我したらどうしよう。

朝:トットちゃんロッキーの事はもう忘れましょう。

トットちゃん:どうして?おかしいじゃない。私にさよならも言わないでいなくなるなんて。

朝:きっとロッキーも心残りだったと思うわ。

トットちゃん:ロッキー。

ロッキーはもう帰って来ないのだという事がなぜか徹子にもわかりました

トットちゃん:ロッキー…。

次の日も次の日も徹子はずっとロッキーを思って泣いていました。

毎日のセリフ等はこちらでご確認ください。
帯ドラマ劇場「トットちゃん!」ネタバレあらすじと感想。最終回まで。
(C)テレビ朝日帯ドラマ劇場「トットちゃん!
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