【紹介】高二病患者がオススメするドラえもん映画ベスト3【ネタバレなし】

こんにちは。高校を卒業して早ウン年、未だに高二病*1の魔手から逃れられない筆者です。
今回は、ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険が公開されたことにかこつけて、幼い頃から映画ドラえもん崇拝し繰り返し視聴している私が、特にオススメな3作品をご紹介します。

ドラえもんでどの映画が好きか訊くと、その人の個性が表れて面白いですよね。例えば私は恐竜や鉄人兵団はあまり好きではないんです。高二病なので(笑)。
以下で、第三位~第一位までの基本情報、あらすじ、特徴を書いていきます。なお、公式サイトのリンク先はやむを得ずストーリーのネタバレページになっていますのでご注意ください。

第3位:ドラえもん のび太の海底鬼岩城


1983年公開 4作目
公式サイト
予告編

あらすじ

待ちに待った夏休み、海へ行くか山へ行くかでモメるのび太たちに、ドラえもんは「海と山どちらも楽しめる」海底でのピクニックを提案。5人はテキオー灯を浴び、水中バギーに乗り込んで2泊3日の太平洋海底旅行に出発する。その頃巷では、大西洋のバミューダ海域の海底で黄金を積んだ船が発見されるも、忽然と消えたことが話題になっていた。スネ夫ジャイアンはこの船を探し出すため、密かに大西洋へ向かおうとするが……。

おすすめポイント

  • 冒頭の海底探査船の場面に始まり、幽霊船の探索や海底生物との闘い、さらに「アトランティス*2」と「バミューダ・トライアングル*3」についての独自の解釈など、SF冒険物っぽさ満載なところが好きです。

  • 映画ドラえもんの中で一番きれいにまとまっている話だと思います。導入は自然でスムーズ。ドラえもんの道具がそこまで出しゃばらない。ひねくれ者のバギーがしずかちゃんに心を許していく過程も微笑ましい。そしてラストは、とても切ない。伏線や展開にうるさい人にもオススメできる完成度です。

第2位:ドラえもん のび太の創世日記


1995年公開 16作目
公式サイト
予告編

あらすじ

のび太といつものメンバーは夏休みの自由研究として、ひみつ道具「創世セット」でつくった「地球」の観察日記をつけることにする。紆余曲折の末、地球とほぼ同じ条件の惑星を完成させ、人類も誕生させることができた。現実と同じような歴史を辿る創世セットの世界。しかし、のび太たちは歴史に介入していくうち、世界各地に地底にまつわる奇妙な神話や伝説、それに人間以外の知的生命の影があることに気づく。

おすすめポイント

  • まず22世紀の倫理観と科学技術どうなっとるんやとツッコミを入れたくなりますがそれは置いておきましょう。深く考えたら負けです。のび太くんは新世界の神になった、それでいいじゃないですか。

  • 見どころはなんといっても、実際の日本とは似て非なる「仮想日本」の物語。ヤマタノオロチや舌切り雀などの伝説・民話をふんだんに盛り込んで展開しますが、そのどれもが現実世界とは微妙に違うのです。よく知っているはずの歴史にほんの少し違和感のあるピースが食い込んでいく、その不安感とワクワク感がたまりません。

  • ただ、非っっ常に残念なことに、すさまじく竜頭蛇尾です。一番最後のオチより前までは本当に面白いんです。でもオチで見事にずっこける。おまえらそれで本当にいいのか!?ってなる。ドラえもんの映画ってオチが大概アレなのですが、これは特にひどい。どうかオチはなかったことにして観ていただければと思います。

  • エンディングのスタッフロールの背景で一枚ずつ映される「観察日記」では、創世セットの世界の歴史、ひいては映画のストーリーを楽しく振り返ることができます。これらも込みにしないとひとつのお話として完結しないので(何せ新世界の観察日記をつけることが目的だったわけですから)、オチでブチ切れてもぜひ最後の最後まで観ていただきたく思います。よく映画館で本編が終わるなり帰る人いますけど、スタッフロールが終わるまでが映画ですからね!

第1位:ドラえもん のび太と夢幻三剣士


1994年公開 15作目
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予告編

あらすじ

夢の中ではいつでもヒーロー、それなのに現実は……なのび太は、謎の男の勧めるがまま、ひみつ道具「気ままに夢見る機」の夢の中で「夢幻三剣士」という物語の主人公になる。舞台は妖霊大帝オドロームに侵略されつつあるユミルメ国。のび太は、能力や性格が現実そのままであるなどの現実感のありすぎる設定に泣き言を言いながらも、夢に招いたいつもの仲間たちとともに数々の危機を乗り越え成長する。そして、より真剣に夢幻三剣士の世界を楽しみたいと考え、現実の世界と夢の世界を逆転させるスイッチを押したのだった。

おすすめポイント

  • これまでに紹介した二作は、ドラえもんの映画なんて観たことないわ~という人にもオススメできる作品でした。しかし、残念ながらこの作品は、ドラえもんの映画をある程度観たことのある人でないと楽しくないと思います。なぜならこの作品は、映画ドラえもんの法則からいかに外れているかを楽しむものだと私は思うからです。

  • 考察が好きな人には気に入っていただけると思います。謎の男に声を掛けられるところから始まって、ラストの場面まで謎だらけです。インターネットで検索すると、考察しているサイトがたくさん出てきます。私は考察ありきの作品はあまり好きではないですが、これは深いこと何も考えずに観られて、ふと振り返ると不思議なことがたくさん見つかるので楽しいです。



  • この作品の大きな特徴は、のび太たちが互いのことを知り合ったばかりの他人同士と認識したまま話が進むこと。完全に夢幻三剣士の世界の自分に入り込んでいるので、「おまえのび太じゃん! とっちめてやる!」とはならないんですね。したがって、いつものノリで気安く話したり、じゃれ合ったりすることはありません。そんな彼らがだんだん絆を深めていくさまが新鮮でした。

  • しずかちゃんが男性剣士「シズカール」として登場するのも見どころです。本当はユミルメ国の王女役として夢に招かれたのですが、国のために顔も知らない白銀の剣士(伝説の勇者みたいなやつ。のび太がなった)と結婚するのが嫌で男装して逃亡するという女性向けティーンズ文庫みたいな設定。いつもはヒロイン的な立場に置かれることの多い彼女が、のび太たちと純粋な友情を築いて敵に立ち向かっていくのがアツいです。そして、歴代の中で一番ヒロインぽくないのに、最終的にはこのうえなくヒロインしています。

  • 個人的には笑いどころも多いと思います。のび太はユミルメ国を救おうと真剣モードになるまではホントどうしようもない怠け者で泣き虫なんです。そんな彼がその特性を生かして活躍したりひどい目に遭ったりしているのを観るのはとても面白いです。

  • 珍しくファンタジー色を前面に出しているのも良い。人が乗れる月とか耳で飛ぶ象とかクモ将軍とかゴーレムとかが出てきますよ。

  • 挿入歌がめっちゃカッコイイ! 武田鉄矢の『夢の人』っていうんですけど、私のカラオケの十八番です。まさかこんな勇ましい歌をドラえもんで聞けるとは思わなかった。


以上、高二病患者からのオススメでした! 少しでも面白そうと思っていただければ嬉しいです。のぶ代版ドラえもんってなんだか古臭いしな……なんて先入観は捨てて、ぜひ一度ご覧ください。


*1:ここでは、大衆と感性が違う(笑)ことにしか自らのアイデンティティを見出せない状態を指す。

*2:大西洋にかつて存在した、超文明をもつ国。なんらかの原因で海中に沈んだとされる。オカルト方面においては今も昔も非常に魅力的な題材である。しかしマジで信じるのはやめた方がいい。

*3:バミューダ沖にある、船舶や航空機が行方知れずになってしまう事件が多発している、といわれる海域のこと。こちらも題材としては面白いが実際は眉唾物である。

Source: アニメ – 星を匿す雲

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